第94話 100階層

「え!?ここを出ていくの!?」


「うん。そうだよ」


イヅナとロウにそろそろこのダンジョンをクリアしに行くと言ったらイヅナが驚いていた。


「まぁ…しょうがないよね…もちろんクリアしたら戻ってくるんだよね?クリアにどのくらいかかるの?」


「いや…そのままダンジョンを出ようと思う」


「え…?」


イヅナがこの世の終わりみたいに絶望した顔をしている。


「じゃあ!イヅナもついて…」


「イヅナはついていくなヨー」


「なんでよ!?」


着いていくと言おうとしたイヅナを遮ってロウが止めた。


「イヅナは獣王の側近だかラ」


「じゃあ側近を…」


「それにイヅナは魔法部隊も作り始めただロ?」


獣人の中にも少数だが魔法を使える者はいる。しかし今までの状況的に隠していた人が多かった。そこでイヅナは魔法を使える人を募集して国の魔法士として雇って育成していくことにしたのだ。

イヅナのあの魔法を見て街の人々の魔法に対する目も変わってきている。それにイヅナの魔法を見た魔法を使える獣人はみんなイヅナに憧れた。


「魔法部隊を作ってレイの役に立つんだロ?」


「わかってるよ…」


イヅナも内心は着いていけないのをわかっていたのだろう。


「でもっ!だからってイヅナの他にも女を作っちゃダメだよ!」


『イヅナさんもマスターの女では無いですけどね』


「はいはい」


「それでいつ出るの?」


「今から」


「今から!?今日はゆっくりして行きなよ!」


「それで今日の夜に何するつもり?」


「………」


本当は言ってから3日後くらいにここを出るつもりだったがナービに言ってからすぐ出なさいと言われてしまった。俺もすっかりナービの尻に敷かれてしまった。


「じゃあコボルトの時呼んでくれ!」


「イヅナはそれ以外でも何時でも呼んでくださいねー!」


「じゃあ!またなー!」


そう言って89階層を出て90階層に進んで行った。




「この辺のモンスターは狩ってるからな…」


ロウと共にダンジョンに潜った時に90階層のボスも倒してしまっている。


「では91階層に早く行きましょう」


「そうだね」


ちなみに90階層のレアボスはヤマタノオロチモドキというか9つの頭を持った蛇だった。いやどうせならヤマタノオロチ本物を出せよ…



「なんかこうして2人でダンジョンに潜るの久しぶりの気がするね」


「そうですね」


「痛い痛い…ごめんって…4人ね」


ナービとばかり喋っていたしリュキはマフラーに擬態している龍だしカグロは武器なので人としてカウントしていなかった。しかしレイピアにしているカグロに刺され、リュキに噛まれてしまった。


「しかし…猫系多いな…」


さっきから出てくるモンスターは猫系の猛獣型モンスターばかりだった。


「ということは…」


「東のダンジョンから考えて同系統のモンスターでしょう」


もう動物のような強いやつと戦うのはロウとイヅナでお腹いっぱいなのに…

そんな愚痴をこぼしていると2日程で100階層に到着した。東のダンジョンの竜が大勢いたりしたのを考えて少し警戒していたが今回はそんなものは無かった。


「準備はいいですか?」


「問題ない」


「では行きましょうか」


「そうだね」


ということで100階層のボス部屋に向かった。





「グガァァァ!!」


「ナービ…ステータスは?」


「見えません…」


白い猫のような耳をつけて白い着物を着ている男が黒いモヤを出しながらそこには立っていた。

やはりナービはまたステータスが見れないようだった。


「しかし…種族が白虎というのと誰かに呪いのようなものをかけられているのはわかりました」


「なんだお前は…」


白虎もこちらに気付いたようでこちらをじっと見ている。


「何故ここに入れる…?ああ…そうか。あの黄龍が言っていた…」


何か1人でぼそぼそ呟いているがこちらには聞こえない。


「まぁ…好都合か…」


『マスター…警戒してください』


ナービから言われたことは肌で感じ取れた。白虎は明らかにこちらに殺気を向けている。


「今から俺はお前を殺すつもりで行く。死んだらそれまでだったってことで恨むな。だからお前も俺を殺す気で来い…」


カグロをレイピアから太刀に変えた。


「いや…俺を殺してみろっ!」


そう言うと白虎は背中に携えた白い綺麗な太刀を抜きこちらに向かってきた。



「どうした!そんなもんか!」


「くっ…」


白虎は別に魔法を使っている訳では無い。そして限界突破や極限突破や身体属性強化を使っている俺よりはステータスも低いだろう。しかし剣術が卓越している。隙を作り出すのも隙を突くのも今まで見た誰よりも上手い。


「インフェルノ!」


「ふっ…!」


そして魔法を放っても斬られてしまう。なんとなくだがこれはスキルとかではなく技術の気がする。


『マスター…』


『もちろん気づいてるよ!』


そして白虎が本気なら俺はとっくに負けている。隙を作り出して隙を攻撃はしている。しかし殺す気で行くと言いながらこちらに自分の剣を学ばせようとしている感じだった。仕留められる場面もあるのに仕留めようとはしていない。舐めプをされている者の気持ちが初めてわかった。


「強奪してやるよっ!」


強欲の称号を持っている俺になぜわざわざそんなことをするかはまだ分からないが盗んでくれと言っているようなものなのでありがたくその技術を全て奪わせてもらう。







【名前】  斉藤 零

【種族】  覇王(龍族) 

【年齢】  19   

【レベル】 25 ★★  

【ランキング】 1位


【HP】  76530/86520     

【MP】  39840/70900-36000 


【攻撃】  11940+1500  

【防御】  9288+450   

【魔攻】  11940+1500  

【魔防】  9288+450   

【敏捷】  13114+40   

【運】   100       


【スキル】

・手加減Lv.MAX・指導Lv.MAX・騎乗Lv8

・吸血Lv.8・超音波Lv.9・罠解除Lv.8

・偽装Lv.MAX・変装Lv.4・連携Lv.MAX・指揮Lv.3

・水中高速移動Lv.MAX・水中呼吸Lv.MAX

・無呼吸Lv.MAX・共通言語


【ユニークスキル】

・【ステータス】極大強化

・【隠しステータス】極大強化・ナビゲーション

・絶対感知Lv.9・高速崩壊Lv.7

・神速多重思考Lv.8・全大耐性Lv.8

・超高速再生Lv.9・疾風迅雷Lv.8・修復Lv.7

・神速飛行Lv.6・性聖Lv.3・究極テイムLv.3

・透明化Lv.4・透過Lv.4・硬翼Lv.4・空中水泳Lv.4

・自我完全操作Lv.8

・天使召喚Lv.6(1UP)

【テンカ、テンナ、テンラ】

・強制進化(使用不可)・龍鱗Lv.3


【エクストラスキル】

・覇王Lv.8・魔眼Lv.7・武眼Lv.7・龍眼Lv.5

・強欲Lv.7・傲慢Lv.4・憤怒Lv.3

・龍魔法Lv.4・龍気Lv.3


【称号】

・先駆者

・挑戦者

・一騎当千

・耐え忍ぶ者

・名付け親

・強欲

・傲慢

・憤怒

・新種

・種族の王

・龍種

・龍の親

・○○への通行許可書

・東のダンジョン完全クリア

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