第82話 決着

「「「ガァ!!」」」


「速い!!」


ロウのスピードは今までよりもさらに上がっている。


「「「ウガァ!」」」


「はぁっ!!」


また前足で殴って来たので鎌で迎え撃った。


「お、重い……」


ついさっきまでは力は勝っていたのに、今はそれが拮抗している。


「あ、熱い!!!」


それに加えて纏っている漆黒の炎は本当の炎のような熱さをしている。これに防御か魔防のどちらが対応しているかはわからないが、熱い時点で俺のそれらを凌駕しているのは確かだ。


『マスター!あまりケルベロスに触れないようにしてください!』


「!?」


ナービから急いだようにそう声をかけられたので、慌ててケルベロスの前足を受け流して距離を取った。


『ケルベロスのあの炎は触れた時間が長ければ呪いが付くようになっています』


『呪い?』


『はい。一定時間スキルが使えなくなります』


『やばっ!?』


ナービによるとさっき30秒ほど触れていただけで手加減と指導と罠解除と水中高速移動と水中呼吸と性聖の6つが使えなくなったそうだ。そして戦闘に関係あるスキルがなくなっていないのは運が高いかららしい。


『来ます!』


どうすればいいのかを考えていたが、もうケルベロスが迫って来ていたので対応策を練る時間が無い。


「ちっ!」


ケルベロスの攻撃をすぐ受け流しながら時間を稼いでいるが、早くしないと必要なスキルが使えなくなってしまう。



「はっ!!」


このままでも埒が明かないので無理やり隙を作って足を斬りつけた。


「「「ガァァァ!!」」」


「ゔっっ……」


しかし防御も上がっていてダメージが入らず、無理に隙を作ったため攻撃した後は俺が隙だらけになり攻撃をされてしまった。

そしてどうすればいいかわからなくなってきたところでナービから驚くような指令がきた。



『マスター!ケルベロスの背に乗ってください!』


『おう!』


ナービの言う通りに転移でケルベロスの背中に乗った。


『振り落とされないようにしてください!』


そう言われたので背中に抱きつくようにしがみついた。


「あち!いて!あちっ!」


そしてケルベロスはその俺を振り落とそうと地面や岩にぶつけて始めた。



『離れてください!!』


そして2分程だった時にナービからそう言われて転移で距離を取った。

そして転移した方向にすぐケルベロスが向かって来ているのでアナウンスは切っていたけどスキルを手に入れたのと、そのスキルがどのようなスキルかはナービが教えてくれた。

そして俺も地面を蹴ってケルベロスに向かっていった。



「龍気!!!」


その新しいスキルを使うと体が軋むような痛みが走った。あまりの痛みに一瞬気が遠くなったが何とか耐えた。


「龍式茜!」


そして急激に上がったスピードが上がったことによって俺を見失ったケルベロスの全身を一瞬で斬りつけた。


「「「グ…ガ……」」」


そしてケルベロスはだんだんと萎んでいき、最終的には元の人型のロウに戻った。


「あ……」


勝った。しかしこちらも今にも気を失いそうになっている。


『今気を失ったらモンスターに襲われてしまいます!』


ナービが危ない的なことを言っているのはわかった。


『天使召喚であの3人をここに呼び出してください!!』


「天使召喚…」


ギリギリそう唱えると意識を失ってしまった。

なんとか天使召喚はできていたようで地面が光り始めて3人の天使が召喚された。





「「「お呼びでしょ…」」」


天使は倒れている自分の呼び主を発見したようで声が止まってしまった。


「おい!大丈夫か!?大丈夫だよね!?!」

「ご主人?…ご、ご、ご主人…」

「ご主人様……?」


上からテンカ、テンナ、テンラの順で皆一斉に慌てだした。


『落ち着きなさい!慌ててないで急いで再生魔法をかけなさい!』


「「「は、はい!」」」


ナービの念話で我を取り戻して急いで3人は再生魔法をかけ始めた。



「完了しました」


代表してテンカがナービに完了の報告をした。


「それで…今なら私たちでも殺れると思いますが、殺っていいですよね?」


そしてテンカは自分の主人をこんなにしたロウを見てそう言った。


『マスターとは合意の元で真剣勝負をしただけで殺し合いをした訳では無いので殺さないでください』


「…わかりました」


しぶしぶといった様子でそう言った。


「ちょっとこの階層のモンスターを狩ってくる」


「ん」


「やりすぎないようにね?」


やはり恨みが抑えきれないのかテンカが八つ当たりでモンスターを倒しに向かった。


「テンラは?」


「私はここで安全を見守ってますわ」


「…そう」


そう言うとテンナは倒れている自分のご主人の傍に座って頭を持って自分の足の上に置いた。


「なに?」


「んー?別にどうもしてませんわよ?」


そしてその様子を微笑ましそうに見つめていたテンラに文句を言った。


『マスターが起きる前にはやめてくださいね?』


「わかってます…」


そしてこの傷だらけで眠っている獣人、膝枕をされながら寝ている人間?、その膝枕をしている天使、それを見守る天使、そして階層でモンスターを狩り続ける天使という傍から見たらよく分からない謎の光景は俺が目覚めるまで続いた。







【名前】  斉藤 零

【種族】  覇王(龍族) 

【年齢】  19   

【レベル】 20 ★★  (10UP)

【ランキング】 1位


【HP】  4580/84720   (3600UP)

【MP】  16400/69400-36000(3000UP)


【攻撃】  11640+1500  (600UP)

【防御】  9048+450   (480UP)

【魔攻】  11640+1500  (600UP)

【魔防】  9048+450   (480UP)

【敏捷】  12784+40   (660UP)

【運】   100       


【スキル】

・手加減Lv.MAX(呪い)・指導Lv.MAX (呪い)

・騎乗Lv.8(5UP)・吸血Lv.8 (呪い)

・超音波Lv.9 (呪い)・罠解除Lv.8 (呪い)

・偽装Lv.MAX (呪い)・変装Lv.4 (呪い)

・連携Lv.MAX (呪い)・指揮Lv.3 (呪い)

・水中高速移動Lv.MAX (呪い)

・水中呼吸Lv.MAX (呪い)

・無呼吸Lv.MAX (呪い)・共通言語(呪い)


【ユニークスキル】

・【ステータス】極大強化

・【隠しステータス】極大強化・ナビゲーション

・絶対感知Lv.8 (呪い)・高速崩壊Lv.7 (呪い)

・神速多重思考Lv.7 (呪い)

・全大耐性Lv.7 (呪い)

・超高速再生Lv.9 (呪い)・疾風迅雷Lv.8

・修復Lv.7 (呪い)・神速飛行Lv.6 (呪い)

・性聖Lv.3 (呪い)・究極テイムLv.3 (呪い)

・透明化Lv.4 (呪い)・透過Lv.4 (呪い)

・硬翼Lv.4 (呪い)・空中水泳Lv.4 (呪い)

・自我完全操作Lv.3 (呪い)

・天使召喚Lv.3【テンカ、テンナ、テンラ】

・強制進化(使用不可)(呪い)

・龍鱗Lv.3 (呪い)


【エクストラスキル】

・覇王Lv.8・魔眼Lv.7・武眼Lv.7・龍眼Lv.5(1UP)

・強欲Lv.7・傲慢Lv.3・憤怒Lv.3

・龍魔法Lv.4 (呪い)・龍気Lv.3(New)


【称号】

・先駆者

・挑戦者

・一騎当千

・耐え忍ぶ者

・名付け親

・強欲

・傲慢

・憤怒

・新種

・種族の王

・龍種

・龍の親

・○○への通行許可書

・東のダンジョン完全クリア

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る