第81話 信じる

「「「ルガァァォ!!!」」」


「おーら!!!」


ケルベロスが前足で攻撃してきた。それを俺は鎌で切断するつもりで斬りこんだ。


「ぐぅぅ……」


しかし結果は爪に少し傷が付いただけで切断までは至れなかった。しかも押し負けて潰されてしまいそうになっている。


「そい!!」


このままでは潰されそうなので鎌の向きを変えて無理やり吹き飛ばされた。


「くそ……!転移!」


吹き飛ばされて顔を上げるとすぐ目の前に前足があり、今にも叩き潰されそうなので急いでケルベロスの背中に転移をした。

ケルベロスは体長10メートルほどあるので背中に転移すると俺の姿は見えなくなるだろう。なのでこれはいけると思って斬りつけた。


「っ!?!」


しかしそれは当たり前のように避けられてしまった。


「ぐはっ……」


しかも避けた上に尻尾で叩き飛ばされてしまった。


『ステータス面では攻撃と防御と敏捷は上をいかれていますね』


こいつとの相手でそこが上をいかれたら勝つのは難しい。だって魔攻と魔防は使えないからな。


『ねぇ?ご主人様?』


打つ手はないかと考えを巡らせているとカグロから話しかけられた。


『カグロもご主人様と同じことしていい?』


同じことと言われてもなんの事かは全くわからなかったが現在進行形でケルベロスが向かって来ていて余裕がなかったのでとりあえずいいと言った。


『わかった!』


そう言うとカグロから真っ赤なオーラが立ち込めた。


「カグロ!?なにそれ!?」


驚いて念話で話すことすら忘れて普通に声に出てしまったが、ケルベロスの前足がまた迫ってきているので先ほどのようにカグロを打ち出した。


「「「グルゥ!?」」」


「え!?」


カグロを振った時はいつもより軽く感じたのにケルベロスの前足とぶつかった時は今までよりも重く感じた。そして今もケルベロスに押し潰される気配はなく、むしろ押し返すことすら可能のように思えた。


「うぉぉぉお!!」


「「「っ!?」」」


そして何とか押し返すことができた。

ケルベロスも急にパワーバランスが変わったことに少し戸惑っているようだ。


『カグロ!いつからこれできたの!?』


『最近!!』


やはりカグロのステータスは定期的にナービに見てもらおうと思った。

しかしこれで【攻撃】ではケルベロスに勝る!


『マスター…』


『ん?』


『私を信じることが出来ますか?』


ナービが急に不安そうにそう言ってきた。

今さら何を言うかと思ったがそんなことか。

俺は当たり前のことを聞くな。と前置きをして続く言葉を大声で叫んだ。


「とっくに信じ切ってきるよ!!」


『でしたらノーガードでケルベロスの前足の攻撃を受けてください』


『了解!!』


ん?待って勢いで了解と言ったがあれを無防備で受けるの!?痛いだろーな……


「「「ウガァ!!」」」


「よし!来い!!」


そしてノーガードでくらって吹き飛んでしまった。

ケルベロスも力では勝てないと思ったのせいか弾き飛ばすように殴ってくれてよかった。


『こ、これで…いいの…?』


体感だがもうHPは2000を切ってるだろう…

ナービを疑う訳では無いがこれで効果はなかったと言われたらきつい…


『信じてくれてありがとう…』


そしてその後にアナウンスを今だけ解除します。と言った。


『ピコーン!』

『条件を満たしました』

『龍鱗Lv.3を取得しました』


なるほどこれの条件を満たすために攻撃を受ける必要があったのか。


『マスター!来ます!』


横になって休んでいられるのはここまでのようだ。


「「「ガァ!!!」」」


「はぁっ!!」


「「「?!!?」」」


なんとケルベロスの前足の攻撃を左腕だけで受け止めることができた。しかも爪が当たっているのに傷が付いてもいない。

そして片手で受けたということはもう片手が空いている。


「そいっ!!」


「「「ギャァァ!?」」」


やっとケルベロスにダメージを与えることができたようだ。慌ててケルベロスが距離を取った隙に治癒魔法でHPを回復させておく。


「ガア!!」


今度は噛み付こうとしたから腕突っ込んだ。すると当然ながら噛み付いてきた。さすがに今度は傷が付くけど骨を噛み砕く程の威力ではなかった。だからそのまま同じように攻撃しようと思った。


「あっ…」


しかしケルベロスの顔は3つあるため他の2つも噛み付こうとしてきた。


「うおぉぉぉぉ!!!!」


ならばとケルベロスを持ち上げた。ケルベロスが噛んでくれているので掴まなくてもよかった。もし噛んでいるのを離したのならそのまま顔を殴るつもりだった。そしてケルベロスもそれをわかっているので離すに離せないのだろう。


「おーーりゃ!!!!」


「「キャン!!」」


そしてそのまま地面に叩きつけた。しかしそれでも離そうとしないので何度も叩きつけることにした。


「「「キャンッ!!!」」」


そして数度叩きつけるととうとう噛んでいたのを離した。いや離してしまった。


「はぁっ!!!」


「ギャンッ!!!!」


そして鼻をハンマーを使ってケルベロスが吹き飛ぶくらいの勢いで殴りつけた。


「グルゥ…グルゥ……」


今のでだいぶダメージが入ったのだろう。立ち上がったけれど、足が震えている。


『マスター……』


『大丈夫。わかってる』


いつもそうだった。こいつのようなやつらは追い込まれるほどさらに強くなる。そしてさらに強くなることに少し期待している自分もいる。


「おいおい!!お前はこんなもんか!?」


だからあえて煽るようなことも言ってみた。


『全く…煽ってその後のことを考えているのですか?』


確かに煽ったはいいがこれ以上強くなられて俺は勝てるだろうか?


『勝てると思う?』


そして煽ったくせにこんな弱気のことをナービに言ってしまった。

するとナービは珍しくふふっと少し笑って当たり前のことを聞かないでください。とどこかで聞いたような前置きをしてこう言った。


「私のマスターが勝てないなんてこれっぽっちも思ったことはないですよ」


気恥ずかしくて言えなかったが心の中でありがとう。と言ったところでケルベロスの気配が変わった。



「「「グルルゥゥ……ガアァァァ!!!」」」


そしてケルベロスは漆黒の炎を纏った。


「「「グルゥ……」」」


しかしどうやらこの状態はケルベロス自身も負荷がかかっているようで辛そうにしている。

だがそれに伴ってとても強くなっているのだろう。

勝てるだろうか…?というまた弱気な気持ちが出てきた。しかしナービは俺が負けるとは微塵も思っていないのに俺が弱気でいいはずがないだろう。


「俺が絶対に勝つ!!!来い!!」


「グガァァァ!!」


そしてこの勝負も最終局面に突入した。







【名前】  斉藤 零

【種族】  覇王(龍族) 

【年齢】  19   

【レベル】 10  ★  

【ランキング】 1位


【HP】   16380/81120

【MP】   18400/66400-36000


【攻撃】  11040+1000  

【防御】  8568+450   

【魔攻】  11040+1000  

【魔防】  8568+450   

【敏捷】  12124+40   

【運】   100       


【スキル】

・手加減Lv.MAX・指導Lv.MAX・騎乗Lv.3

・吸血Lv.8・超音波Lv.9・罠解除Lv.8

・偽装Lv.MAX・変装Lv.4・連携Lv.MAX

・指揮Lv.3・水中高速移動Lv.MAX

・水中呼吸Lv.MAX・無呼吸Lv.MAX・共通言語


【ユニークスキル】

・【ステータス】極大強化

・【隠しステータス】極大強化・ナビゲーション

・絶対感知Lv.8・高速崩壊Lv.7

・神速多重思考Lv.7・全大耐性Lv.7

・超高速再生Lv.9・疾風迅雷Lv.8・修復Lv.7

・神速飛行Lv.6・性聖Lv.3 ・究極テイムLv.3

・透明化Lv.4・透過Lv.4・硬翼Lv.4

・空中水泳Lv.4・自我完全操作Lv.3

・天使召喚Lv.3【テンカ、テンナ、テンラ】

・強制進化(使用不可)・龍鱗Lv.3(New)


【エクストラスキル】

・覇王Lv.8・魔眼Lv.7・武眼Lv.7・龍眼Lv.4

・強欲Lv.7・傲慢Lv.3・憤怒Lv.3・龍魔法Lv.4


【称号】

・先駆者

・挑戦者

・一騎当千

・耐え忍ぶ者

・名付け親

・強欲

・傲慢

・憤怒

・新種

・種族の王

・龍種

・龍の親

・○○への通行許可書

・東のダンジョン完全クリア

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