第75話 大罪系スキル


「おいおい!その程度で勝てると思ってんのか〜?」


こちらからどのように攻撃しても防がれてしまう。


「まだ妹は生きているのかな〜?」


「黙れ」


「生きてたとしてもどうなっているかな〜?」


「黙れ!!」


もうこいつを早く殺す事しか考えなくなった。


「そうだ!俺を殺すことだけを考えろ!」


もうこいつが笑いながら何かを言っているがそれすらも耳に入らなくなった。


俺は1年以上ダンジョンで何をしていた?最強になって出てきたのでは無いのか?そういえば最近は負けっぱなしだ。変な金髪の男に負けてコボルトに負けてこいつにも負けるのか……?

…俺は最強になれてない。そうだ俺は最強になりたかったんだ。俺はかなり強くなったつもりでいた。だが、それはただ井の中の蛙だっただけだ。最強になるのをあきらめるか?

いや…俺は最強になってやる!


「こんなところでお前ごときに苦戦するような俺じゃない!」


「そうだ!憤怒しろ!傲慢になれ!そうすればお前はまだまだ強くなれる!」


そこからは形勢が逆転した。今まで攻撃してもただ防がれていたのが急に当たるようになった。それにやつの動きが遅くなった気もする。


「氷結龍!!」

「火焔龍!!」


やつが放った氷結龍をやつごと火焔龍で燃やし尽くした。



「ハァハァ」


「死ぬ前に言うことはあるか?」


やつの四肢を焼き焦がしたので再生が遅れていた。

今ならどんな些細な抵抗をしようとしても俺が殺す方が早いので最後の言葉があるか聞いた。


「もう一度聞こう……妹以外を切り捨てろ。そしたら妹だけは助けてやる…」


「じゃーな」


そう言ってやつに止めを刺した。


「うっ…」


その瞬間だんだん意識が薄くなってきた…












「マスター…マスター!」

「パパ…パパ!!」

『ご主人…ご主人様!!』

〈お兄…お兄!〉


「うおっ!」


声が2つと念話が2つ聞こえてびっくりして起きた。

そして3秒ほど状況を確認した。


〈由紀!!!〉


〈おぉ…どうしたのお兄?〉


いきなり叫んだので若干由紀が引いてしまったがそれどころでは無い。


〈由紀!無事か!?〉


〈?何言ってるの?普通に無事だよ?お兄こそ頭大丈夫?〉


〈はい??えっと…今どこにいる?〉


〈??いや…普通に学校だけど?〉


少し状況の確認も兼ねてさっきの真っ暗な部屋での出来事をナービと由紀に話した。


「はぁ〜何のための自我完全操作ですか……」


〈お兄はそんなに私の事が心配だったんだぁ〜♪〉


詳細話すとナービと由紀に呆れられてしまった。心做しかカグロとリュキも呆れている気がする。まぁリュキは空気を読んでそんな態度を取っているだけでよく意味はわかっていないだろうが…


「まず!分裂のスキルにそんなステータスを半分にして2人になるなんて効果はありません」


「え!?嘘!!?」


待ってそこが違ったらあいつの言ってた事の大前提がおかしくなってくる。


「そんな効果があったら私がまず取得させると思いませんか?」


「あっ……」


「実際の効果は自切することができるようになるのと、切られた腕とかを意識すると動かすことができる程度の効果しかありません」


「まじか……」


「それに恐らく最初に大罪系スキルのデメリットを話したのは頭の中を整理されなくするためでしょう」


確かにあれが頭のどこかに合って他のことを考えるのに妨げにはなっていた。


「結論を言うと自我完全操作を使わなかったのが悪いということですね」


「すいません…」


「自我完全操作は使おうとしなければ使えないスキルですからね?」


「すいません」


「常に使っておいてくださいね?」


「はい…」


今度からはどんな状況でも自我完全操作だけは使っておこうと思った。


「それでステータスはどうなってますか?」


「お、確かに」


あそこから出てからステータスを確認していなかったのでステータスを確認した。


「憤怒と傲慢?」


ステータスのレベルとスキルレベルが上がっていたのは多々あったが1番の変化は憤怒と傲慢が追加されたことだった。


「あれ?傲慢って……」


確か傲慢はブラットが持っていた。なのになぜ取得できたのか?


「恐らく強欲の力だと予想されます」


確かに奪う手段としては強欲しかないがどの条件で奪えたまではナービでも分からないそうだ。


〈由紀の検索でわかる?〉


〈ちょっと待ってね………ごめん、わかんない〉


〈いや、大丈夫だよ〉


確かにユニークスキルでエクストラスキルのことを知ろうとしても無理だろう。なので大罪系スキルのデメリットがあるかないかも分からないだろう。

まぁとりあえず憤怒と傲慢のスキルを見て見た。


・憤怒:

憤怒中ステータスUP

戦闘中相手が理性を失いやすくなる。

精神系スキルの効果DOWN

条件を満たした時スキルを奪い取る


・傲慢:

スキル取得速度UP

スキルレベル上昇率UP

条件を満たした時スキルを手に入れる



「だからその満たす条件ってなんだよ!!」


大罪系スキルはもしかしてどれもスキルを奪う力があるのか?


「マスター…」


「なんでしょう?」


「マスターはとことん自我完全操作を使いたくないのですね…?」


なんの事だと思って改めて憤怒と傲慢のスキルを見てみた。

あ、精神系スキルの中に自我完全操作も含まれるのね…


「いや…そんなことはないと思うよ?」


「では急いでスキルレベルを上げましょうね?」


「はい……」










【名前】  斉藤 零

【種族】  覇王(龍族) 

【年齢】  19   

【レベル】 10(2UP)  ★★  

【ランキング】 1位


【HP】   81120/81120 (720UP)

【MP】   66400/66400 (600UP)


【攻撃】  11040+1000  (120UP)

【防御】  8568+450   (96UP)

【魔攻】  11040+1000  (120UP)

【魔防】  8568+450   (96UP)

【敏捷】  12124+40   (132UP)

【運】   100       


【スキル】

・手加減Lv.MAX・指導Lv.MAX・騎乗Lv.3

・吸血Lv.8・超音波Lv.9・罠解除Lv.8

・偽装Lv.MAX・変装Lv.4・連携Lv.MAX

・指揮Lv.3・水中高速移動Lv.MAX

・水中呼吸Lv.MAX・無呼吸Lv.MAX

・共通言語


【ユニークスキル】

・【ステータス】極大強化

・【隠しステータス】極大強化・ナビゲーション

・絶対感知Lv.8・高速崩壊Lv.7

・神速多重思考Lv.7(1UP)・全大耐性Lv.7

・超高速再生Lv.9・疾風迅雷Lv.8(1UP)

・修復Lv.7・神速飛行Lv.6・性聖Lv.3

・究極テイムLv.3・透明化Lv.4・透過Lv.4

・硬翼Lv.4・空中水泳Lv.4・自我完全操作Lv.3

・強制進化(使用不可)


【エクストラスキル】

・覇王Lv.8・魔眼Lv.7・武眼Lv.7(1UP)

・龍眼Lv.4・強欲Lv.7(1UP)・傲慢Lv.3(New)

・憤怒Lv.3(New)・龍魔法Lv.4(1UP)


【称号】

・先駆者

・挑戦者

・一騎当千

・耐え忍ぶ者

・名付け親

・強欲

・傲慢(New)

・憤怒(New)

・新種

・種族の王

・龍種

・龍の親

・○○への通行許可書

・東のダンジョン完全クリア(New)

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