第69話 日常+?視点
家に帰って来てからもう1週間ほど過ぎた。
「いってきまーす!」
「いってらっしゃい」
親や妹が仕事や学校に行っている間俺は家にいる。
「ニートですか?」
「俺もそんな気はしている…」
ナービにもニートでは無いかと言われる始末である。とは言っても2日に1回ダンジョン近くでゴブリンなどの魔石を売って金は稼いでいる。1個あたり3000円くらいになるので結構な額は稼げている。
ちなみに2日に1回で20近くの魔石を売るのは目立つので毎回別の人に変装している。
「今日も引きこもりですか?」
「毎日引きこもっているみたいに言うな」
魔石を売らない日も小さなダンジョンを潰したりしているので引きこもっているわけではない。
「そろそろ4位もダンジョンから出る頃かな〜」
世界中のランキング上位の人達は2つ順位が全員下がっていることがニュースで報じられた。それに伴って自称最強君の順位がどうなったのかも気になっている人が多い。
「今日のご予定は?」
「ダンジョン潰して魔石を売りにでも行くかな〜」
家族を見送るという朝の仕事は終わったので2度寝をして昼ご飯を食べてダンジョンを潰しに向かった。
「やぁあ!」
「ガァォ…」
「見て見て!パパ!終わったよ!」
「お疲れさま」
小さなダンジョンは強くてもCランクしか出なく、20階層あるかないかくらいの大きさでもあるのでモンスターは全てリュキに任せている。
究極テイムを持っている俺にはリュキが話しているように聞こえるが周りでは鳴いているようにしか聞こえないらしい。
「じゃあ魔石を売りに行くか!」
最後の階層にあった50センチほどのクリスタルを砕いてそう言って売りに向かった。小さなダンジョンぐらいなら簡単に砕けるそうだ。
「これを売りたい」
「はいよぉ!」
ゴブリンなどの雑魚の魔石を売った。その時ダンジョンの方が騒がしくなった。
「どうしたんだ?」
〈マッシュがダンジョンから出たそうです〉
面白そうなので少し様子を見に向かった。
「マッシュ様!順位は何位でしょうか!?」
「40階層のボスは倒してのでしょうか!?」
「マッシュ様!何か新しいアイテムはありましたか!?」
「マッシュ様!マッシュ様!!」
「うるさい!!」
大変そうだな…と他人事のように考えながらそれを見ていた。
「マッシュ様が4位になってる!?」
多分鑑定のスキルを持っているやつがいたのかそんなことを言ってまた場が荒れ始めた。
「ドンマイ!」
そんなことを言って家に向かった。
そしてニュースではマッシュが4位になってダンジョンに集中ができず、40階層のボスまで辿り着くことはできなかったと報道された。
〈???視点〉
俺には他にはない能力があった。それは考えることができる能力だ。だからこそ怖かった。弱い自分がいつ殺されるかが。
だから求めたどんな敵からも逃げられる俊敏を。
だから求めたどんな小さな怪我でも一瞬で治る再生能力を。
だから求めたどんな攻撃でも一撃で死なない能力を。
だから求めたどんな敵でも倒せる攻撃を。
そして勝てる敵にだけ狩っていくとあることに気付いた。ここではある一定の数の敵しか現れない。ここには宝が入っている箱がある。狩った敵から出てくる石を食べると強くなる。そしてそのうち進化ができる。そうして少しずつ強くなっていった。
ある時ふと思った。1人でやるにはこの作業は効率が悪いと。だから生まれたばかりの敵を痛めつけて下僕にした。そして下僕にも石の褒美を与えた。最初は恐怖で言うことを聞いていたがだんだんと俺に崇拝して喜んで言うことを聞いた。そうして下僕を増やしていった。
またある時ふと思った。やはり効率が悪いと。もうこの場所で300は下僕にしている。どんどん殺す敵が減ってきた。なので下僕を数人外に出してここのような場所がないか探させた。近くに他にもあったそうだ。なのでそこに俺の護衛にいる特に強い5人のうちの2人とその部下たちにその場所の攻略に行ってもらった。
結果としてはそこは50くらいの部屋があった。ここは20ほどしかないのでここよりも広かった。なのでここの場所は全て下僕にしてその新しい場所を狩る場所にした。
やっと効率が良くなった。そして下僕の数も1000を超えた。またあることに気がついた。部屋の全ての敵を狩ると今度は強い特別な敵が現れる。そいつは倒すと成長が早くなりいい石を落とす。そして元の場所にはなかった強い敵がいる小さい部屋があった。そこは倒しても倒してもまた現れるので強くなるには楽な場所だった。俺だけ強くなっても意味が無い。下僕も強くなってもらわなければ俺が困るので下僕も全員必ず2回は進化させておかなければ…
いやはや面白い。大勢を進化させるようにすると手から火を出すやつや怪我を直せるやつやものすごく運の良い奴など面白いやつが現れ始めた。特に面白いやつは俺の護衛を付けて早く強くなってもらった。そしてその護衛の部下にするか俺の新たな護衛にするかを分けていくと俺の護衛が15人に増えた。
人数が増えるとどうしても反抗したくなるやつも増えた。そうした時は飴と鞭を上手く使ってまた俺を崇拝させるようにしていった。しかし人数が増えるとまとめるのが大変になった。
そこで俺の下に側近4人、側近の下に護衛20人、護衛の下に幹部60人、幹部の下に隊長240人、隊長の下に兵士1200を付けた。そしてその他に50程の制作部隊を作り武器作りをやらした。
俺の成長が止まってしまった。そして側近や護衛の成長も止まってしまった。俺達の限界まで強くなってしまったみたいだ。そしてたまに人間?という俺達の最大の敵が現れるようになった。現れても弱いので簡単に倒せた。しかしこいつらは石を落とさない。代わりに死体が消えなかった。それを隊長の1人が食べたところとても美味であったと報告が入った。なので幹部、護衛、側近と順に食べさせて問題がなかったので俺も食べてみた。するとこの世でこんなにも美味しいものがあったなんて知りもしなかった。そして人間というものはいいものを装備していた。必ず防具と武器を持っていた。なのでそれらも奪った。ダンジョンに人間が来るのを楽しみにしていた。
効率が悪い。効率が悪すぎる。あれから何人か来たが全て隊長1人で倒せるほど弱い癖に数が来ない。そして考えついた。来ないならこっちから出向いて狩りに向かえばいいのだと。だが向こうがどんなに弱くても何億と入れば面倒だ。なのでもう少し戦力を増やそう。そして十分だと思ったらその時は全て狩りに行こう。
【名前】 ¥♪€%*#
【種族】 キングコボルト
【年齢】 1
【レベル】 MAX
【ランク】 SSS-
【HP】 3/3
【MP】 0/0
【攻撃】 100000+300
【防御】 0
【魔攻】 0
【魔防】 0
【敏捷】 100000+300
【運】 0
【スキル】
・ひっかくLv.MAX・指揮Lv.MAX・統率Lv.MAX
・調教Lv.MAX・洗脳Lv.MAX
【ユニークスキル】
・神速再生Lv.MAX・根性Lv.MAX・代償Lv.MAX
・鋼爪Lv.MAX・電光石火Lv.MAX
【エクストラスキル】
・叡智Lv.3
【称号】
・臆病
・エラーモンスター
・コボルトの王
・ネームドモンスター
・名付け親
「グガガァ……」
そのモンスターが地上に現れる日は遠くない。
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