第47話 名付け+別視点2

「すぅ…すぅ……」


あれから10数分泣いていたが、今では寝息をたてている。


コンコン


「ん?」


この部屋の扉をノックする音が聞こえてきた。


「どうぞ〜」


〈今入って来られたらまずいのではないですか?〉


〈あ!〉


今はベットの上で族長が俺に抱きついて眠っている。それも顔には泣いた後を付けて。客観的に見るとあまりいい状況では無いだろう。


「入りますね〜」


「あ!ちょ!」


訂正しようとしたけどその前に入ると言われてしまった。大声ですぐに否定しようとも考えたけど、寝ているのを起こしてたらいけないと大声は出せなかった。


「あらあら〜随分親しくなったのですね〜」


「えーと…これは…」


樹人の人がニコニコしながら言ってきた。

どう言い逃れすればいいのか悩んでいたがその必要はなかった。


「すみません。扉の前にいたため事情は聞いてしまいました」


「あ、そうなのですか…」


「それに関して少しお願いがあります」


そう言うと最初の面会?の時に族長の横にいた魔族たちが部屋に入ってきた。


「「「「「「修行をつけてください!」」」」」」


全員が土下座をしながらそう頼み込んできた。


「私たちは先程の族長の言葉を聞きました」


どうやらこの人たちは族長のために強くなりたいみたいだ。


〈私は受けたほうがいいと思います〉


どうしようか悩んでいたらそうナービに言われた。

受けてもいいでは無く、受けたほうがいいのはなぜか聞いてみた。


〈この魔族たちは全員種族の長です。なのでそれぞれの種族のユニークスキルを取得しています。修行をつけながらどう使っているのかを見て取得しましょう〉


なんかナービらしい理由だった。


〈上手く修行できるかな?〉


これが俺の中で1番の心配事だった。妹に勉強を教えたこととかはあるが、戦い方なんて誰にも教えたことがない。


〈マスターの魔眼と武眼で弱点は分かりますし、私も指摘はできますので全く問題ないでしょう〉


「いいですよ」


上手く教えられ、俺のためにもなるのであれば修行をつけるのは問題なかった。


「では、族長が起きましたら族長を連れて訓練場に来てください」


そう言って部屋から出ていってしまった。場所はどこにあるかを聞こうとしたが族長に案内してもらってください、と言われてしまった。




「起きてるよね?」


「……バレてしまっていたのじゃ…」


少々恥ずかしそうにそう言ってきた。長たちと会話してから寝息のリズムが変わったり会話の途中で少し反応したりしていたので気付いた。


「妾にも修行をつけて欲しいのじゃがいいか?」


長たちは族長に追いつくために修行をするのに族長もしていいのか?と少し悩んだ。


「俺はいいよ。でも長たちにも話して許可がでたらね」


「わかったのじゃ」


結局長たちに任せることにしてしまった。

あ!もう1つ聞きたいことがあったのを思い出した。


「もう1つ聞いていい?」


「なんじゃ?」


「名前無いの?」


樹人の人とあった時から気になっていた。


「覇王様につけて欲しいのじゃ♡」


何となくこう言われる気がしていた。なので眠っている時に一応名前は考えていた。


〈マスター!待っ…〉


「じゃあ!ブラッド!」


そう言った途端に族長は一瞬光った。


『ピコーン!』

『【称号】名付け親を獲得しました』

『眷族ができました』


「妾は今からブラッドなのじゃ!」


そう言って無邪気に喜んでいる。


〈マスター…〉


〈何かまずかった?〉


〈ブラッドのステータスを確認してください…〉


そう言われたので素直に確認してみた。




【名前】  ブラッド

【種族】  吸血鬼(姫)

【年齢】  0

【レベル】 1

【ランク】 SS-


【HP】   9800/9800   (840UP)

【MP】   8400/8400   (780UP)


【攻撃】  1150     (107UP)

【防御】  950     (57UP)

【魔攻】  1430     (160UP)

【魔防】  1220     (136UP)

【敏捷】  1080     (98UP)

【運】   41      


【スキル】

・鎌聖Lv.6(3UP)・火炎魔法Lv.MAX(1UP)

・暗黒魔法Lv.MAX(1UP)

・黒炎魔法Lv.9(2UP)・陰影魔法Lv.8(3UP)

・生活魔法Lv.MAX(3UP)

・身体属性強化Lv.5(2UP)

・魔力精密操作Lv.2(2UP)

・魔力精密感知Lv.2(2UP)

・詠唱省略Lv.MAX(1UP)・無詠唱Lv.7(2UP)

・吸血Lv.MAX・高速飛行Lv.4(2UP)

・威圧Lv.6(2UP)・統率Lv.6(2UP)

【ユニークスキル】

・血液魔法Lv.9(2UP)・蝙蝠化Lv.2(New)

・心眼Lv.7(2UP)


【エクストラスキル】

・傲慢Lv.1


【称号】

・魔族

・魔族の長

・唯一種族

・傲慢

・ネームド(New)

・覇王の眷族(New)



〈おぉう……〉


〈普通は大勢の人間から呼ばれて初めてネームドになります。ただ種族的にもステータス的にも上位のものならその制約に関係なくネームドにできます〉


〈そ、そうなんだ〜〉


〈強くなり過ぎて名付け親すら殺すことも可能性としてはあります〉


〈気をつけるよ…〉


「ブラッド…ブラッド〜♡」


しかし今も抱きついて幸せそうに自分の名前を連呼しているのを見ていると名付けてよかったと思ってしまう。


(まぁ覇王の眷族の称号があるのでマスターに危害を加えることはないのですが…)


「覇王様お願いがあるのじゃ…」


「なに?」


「できれば長たちにも名前をつけてほしいのじゃ」


〈ナービはいいと思う?〉


先程は止められたので今度は聞いてみた。


〈眷族になるのなら付けてもいいと思います〉


〈それはなぜ?〉


〈眷族になると眷族が覚えているスキルの取得が早くなるからです〉


ナービは俺にもいい効果があると許可を出すようだ。


「眷族になってもいいのなら俺で良ければ付けてあげるよ」


「ありがとうなのじゃ!」


さすがに魔族の全員につけるのは大変だが長の6人位なら大丈夫だ。


「じゃあ!早速訓練場に行くのじゃ!」


そう言って手を引きながら訓練場に連れてかれた。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ここからは別視点です。


「ふぅ……」


「そろそろ出口だからみんな頑張ろう!」


「おぉーー!!!」


今回は日本にあるダンジョンを攻略していた。

10階層のボス部屋の前まで攻略して今は帰還している途中だ。

俺のパーティは5人組で俺を含めて、男だけのパーティだ。

俺以外の全員が大盾を装備している。そんなこいつらがモンスターを止めている間に俺が倒している。

そうすれば俺がより早く強くなれるし他のやつが強くなる心配もない。

それに男だけならいつでも簡単に切り捨てられる。


「出口が見えてきたよ!」


「「「「「キャーー!マッシュ様ー!!」」」」」


ダンジョンを出た瞬間にみんなが俺の事を呼んでいる。


「「「「「キャーーー!!!!」」」」」


それを俺は手を振って答えてやる。


「3日後に10階層のボスを攻略する!」


そう俺を大声でみんなに言い聞かせて颯爽と立ち去った。

そして俺のスポンサーが用意した高級ホテルのスイートルームにリムジンで移動した。



「俺の人生イージーモード過ぎる!!」


いつも通り俺は自分のステータスを見てうっとりしていた。




【名前】  マッシュ・ジョン

【種族】  人間

【年齢】  22

【レベル】 18

【ランキング】 2位


【HP】   950/950

【MP】   600/600


【攻撃】  180+10

【防御】  150+10

【魔攻】  160

【魔防】  130+10

【敏捷】  160-10

【運】   71


【スキル】

・剣術Lv.3・火魔法Lv.2・鑑定Lv.3・共通言語


【ユニークスキル】

・予言Lv.1


【称号】



俺はダンジョンができるまでその辺にいる一般人だったが、ダンジョンが出現してダンジョンに落ちた時に見つけた宝箱から予言のスキルを手にした。

この予言のスキルは自分にとって良い事を教えてくれる。それで俺は世界最強になった!

日本にはなんでも調べられるというユニークスキルを持っている女がいると予言に出たからやってきた。

俺が笑いかけたらどんな女でもホイホイと着いてくるからさっさとその女を俺のものにして俺の人生をもっとイージーモードにしていこう!










【名前】  斉藤 零

【種族】  覇王 

【年齢】  19   

【レベル】 1   ★

【ランキング】 1位


【HP】   24120/24120

【MP】   19000/19000


【攻撃】  2480+140   

【防御】  2044+100   

【魔攻】  2480+140   

【魔防】  2044+100   

【敏捷】  2698+40   

【運】   100       


【スキル】

・手加減Lv.3・指導Lv.3・騎乗Lv.3・吸血Lv.8

・超音波Lv.9・罠精密感知Lv.5・罠解除Lv.8

・偽装Lv.MAX・変装Lv.4・熱精密感知Lv.3

・連携Lv.MAX・指揮Lv.3・気配精密探知Lv.MAX

・水中高速移動Lv.9・水中呼吸Lv.MAX

・無呼吸Lv.MAX ・危険精密察知Lv.MAX


【ユニークスキル】

・【ステータス】極大強化

・ナビゲーション・高速崩壊Lv.3

・神速多重思考Lv.3・全大耐性Lv.3

・超高速再生Lv.3・疾風迅雷Lv.3・竜魔法Lv.7

・修復Lv.6・神速飛行Lv.3・性聖Lv.3


【エクストラスキル】

・覇王Lv.6・魔眼Lv.3・武眼Lv.3・強欲Lv.5


【称号】

・先駆者

・挑戦者

・一騎当千

・耐え忍ぶ者

・名付け親(New)

・強欲

・新種

・種族の王

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