第11話 それぞれの戦い①~英士~

風歌ちゃんは、オイラが不用意だったと思っていた


『凄く、寂しい曲だね』


の言葉を、なぜか素直な言葉だって感じてくれたって聞いて。 それこそ嬉しいなんて不謹慎な事思っちゃって


だって、メロディーラインはどちらかといえば、明るい感じの曲のはずなのに


どうしてか、寂しい曲に聞こえちゃったんだもん


それは、風歌ちゃんの心の中が反映されている音だと思うから…


心紀「ふうちゃん、英ちゃんが… お父さんも、ミクくんも、るなちゃんも。そして俺も戦う事にしたからね。ふうをちゃん助けるからね。心配ないからね?」


風歌ちゃんは、誰かが何かを話している時に、ジっとその相手の瞳を見つめるんだ


ようやくさっきの涙が、収まったのに再び 瞳を潤ませちゃった風歌ちゃん



心紀「英ちゃん。改めて協力をお願いしたいんだ。ふうちゃんは、 ある事から時折、新しい人とか記憶を覚えられない事が症状として現れるようになって… 今日は…イヤ、英ちゃんの事は初めて会った日から心の中に居る… ゴメン英ちゃん。支離滅裂で…あの …言いたい事伝わったかな?」


英士「伝わった。 伝わったよ冴多ちゃん…」


まだまだ、 オイラの知らない事を風歌ちゃんは抱えてるんだね…


オイラが、キミを救えるかな?イヤ、 絶対に風歌ちゃんに笑顔を取り戻させてみせると誓うよ



視界の隅で涙を拭っている 冴多ちゃん…


御厨くん、源本さん、るなちゃんもきっと…


まずは、 風歌ちゃんの身に起こった事を、みんなから聞く事から始めよう


本格的に、動き出す決心をオイラはしたんだ…




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