第10話 お願い
英士side
風歌『犬の絵を描いてみて下さいませんか?』
風歌ちゃんの不思議な言葉の意味
分かんないなぁ
-コンコン-
英士「はぁい」
返事をすると入って来たのは
英士「冴多ちゃん」
風歌ちゃんは ピアノのある場所、オイラは風歌ちゃんの左側の方にあるコの字形のソファーセットの(右側の縦の部分が上になる形で置いてある)風歌ちゃんの良く見える上の部分に座り、冴多ちゃんはオイラの左側の床に座って
こんな時、日本人は本当真面目だよねって思うんだ
心紀「ふうちゃん、紙芝居の絵は描けた?」
そんな、冴多ちゃんの問いかけに
プルプルって。悲しそうな表情をして横に首を振った風歌ちゃん
あ!
英士「犬の絵って?紙芝居?」
心紀「ふうちゃんは、物語を作ったは良いけど…ね?絵がね?」
風歌ちゃんは、言葉ではなく微妙な表情で感情を表すんだね?
少しムッとしたのかな?唇をムっていう様に、一瞬尖らせたのが
(可愛いな)
英士「オイラが絵を描くよ?」
今度は、ジッと、大きな瞳でオイラを見つめて?
心紀「 小児病棟に入院している子供達と、ふうちゃんは 仲良くてね。2月…3月の半ば迄ピアノでの演奏をプレゼントしたり交流してたんだ。けどさ…今はちょっとね。ふうちゃんは絵を描いてくれる人は英ちゃんが良いって思ったんでしょ?」
その不思議な言葉に、見る見る風歌ちゃんは瞳を潤ませてさ
英士「風歌ちゃん?」
風歌「凄く、寂しい曲だね…」
あ
英士「本当にゴメンね!風歌ちゃん!あの…」
心紀「違うよ。英ちゃん。ふうちゃんには英ちゃんの素直な感想が心に響いたんだ」
オイラの?
風歌ちゃんの
悲しい音
寂しい音
悔しい音
こそが
オイラには聴こえて来たんだ…
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