ちょっぴりたいへんな幸せもある。
愛猫と触れ合うのは、とんでもない幸せであるし、大変贅沢な時間だ。
なんだけれども、母の部屋へ行ったら、長いすの上で寝ている……そしてなぜか、私の作った手作りおもちゃが、いすにひっかかっているではないか。
ふむ。
ちょっと試してみよう。
四、五分だけ、愛猫の頭の上につるしておいたら……。
もしかしたら、何だろうと思って遊んでくれるかも。
そのとき愛猫はイライラしているだろうか、面白がってくれるだろうか。
つりざおにリボンとボールを結び付けたおもちゃを、三分、たらす。
四分目、ヘソ天をしながらこちらをうかがっている。
五分目、にゃんだよう、かまってくれないのかにゃん? とリボンの先のボールにちょっとじゃれる。
両腕で、こう抱きしめるようにして、ペロッとなめて、そのままの姿勢で眠ってしまう。
赤ちゃんか! かわいい……。
約束の五分が過ぎたので、おもちゃをいすの上に置いて、目をつぶる愛猫の顔の前に頬寄せると、ペロペロとなめられた。
あ、顔を洗ってないわ。
洗ってくる。
戻ってきたら愛猫はすっかり起きていて、いすの上にお座りしている。
その姿がなんだか、老けて見えるのでなんでかなと思っていると、換毛期という言葉が浮かぶ。
さっそくブラッシング。
やさしーく、ソフトになでるように。
愛猫は逃げ回るんだけれども、本気じゃない。
嫌なの……わかってくれる? という困ったふうに、部屋の中をうろうろ。
さっきまで、ヘソ天で脚をのびのびしていたのだから、この反応は確かに嫌がっているととれるが、毎日少しずつでもしないと。
と、追いかける。
少し、マシになったかな。
カフェオレを飲んで、扇風機を独り占めしていたら、呼び鈴が鳴る。
用心して窓から確認したら、宅配便だ。
グッズが届いたのだ。
グッズというのは、私がデジタルイラストを描き、オンラインショップに登録したアイテム(イラストがプリントされたグッズ)のこと。
簡単に言えば、自作のイラスト入りのウエストポーチとか、トートバッグとか、缶バッジとか。
それを母が、孫に与えるのだといって、買ってくれたのだ。
なんという幸せ。
まあ、トリブンといって、イラストを登録した私にはアイテム一個につき百円しか入らないのだが、それでも原価ではないし。
母は一万円近くかけて、グッズ五つも買ってくれた。
感謝――。
ああもう、何杯飲んでも足りないから、お水をジョッキで飲もうかな!
おトイレ大丈夫かな?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます