未だ見えない私は
@akinaide49
第1話
聴こえる。
私には聴こえる、ハッキリと。
『あなたはここにいるべきではない、はやくはやく逃げて、ここじゃないから』
学校に行きたくない。そう思って何年経っただろう、私が私を捨てた日からかな。
気怠い憂鬱な朝が毎日迎えてくれる。頼んでもいないのに。私には王子様が迎えに、、、なんてことをまた考えたい。
今を大切に生きること。それができていない。私が日常で感じてること。雨が降っている。風が吹いている。誰かが怒っている。誰かが笑っている。誰かがキスしてる。誰かがハグしてる。酔っ払いがゲロを吐いてる。誰かが生きている、そして死んでいる。
その中の死が私につきまとっているのかいつも頭の中ではウヨウヨしてる。「もっと楽しいことを考えなさい。考えないようにしなさい」と母が言う。私には何の役にもたたないアドバイス。困ったら「もう少し頑張ってみな。」と説得される。友達も先生も親もそうだ。もう少しとは。私にはもう少し頑張ったら何もないと分かっている。もう少し頑張ったところで自尊心が削られていく。何者かに何かに心を搾取される毎日。しんどくないわけがない。救世主など現れない。楽しくないお笑を見て笑う、表面上は。友達との別れ、悲しくない。何が楽しくて笑っているのだかもう分からないし嬉しいのも分からない。けど、ゲロを吐くほど寂しいのはわかる。私は愛を求めている。愛を求めてるなんて恥ずかしくて言えない。むしろ表面的な愛にしか感じられず私はもっとおかしくなる。
学校は行けなくなった。しんどい。「しんどいね」と心の中の誰かが私にささやく。この子は一体何なのだろうか。もう1人の私なのか何なのか。
朝が来て昼が過ぎ夜になる
世の中の人は知ってるのかな。私がいる事を。私がいなくても世の中が進む事を。知っていながらも生きているのかな。私にはそれができない劣等生。
すこし嫌になってきた。僕はここで小説を書くのを辞めた。あーあー、女の子になりたい。ベッドの上でスマホを置いて寝転がる。こんな小説誰が見て誰がどう思うのだろうか、一髪ヒットして書籍化できないかな。そうしたらお金持ちになって猫とゆっくり暮らしたいな。まあ、そんな事はないけれど、ご飯できたよと言われる。僕は大人になれるのだろうか。体だけが成長した自分。お風呂で嫌になる。寝る前に投稿してから3時間が経った投稿サイトを見返す。いいねが3。コメント0。まあ、こんなものか。今日もまた疲れたな色々な考えが頭をよぎるそういえば寝れないな。新聞配達のバイクの音が聞こえる、外はまだ暗いのに、頑張って働いているのだろうか、辛くないでしょうか、頑張って何になるのでしょうか、あれ、、何で泣いてるんだろう、、、時計を見ると朝の4時半過ぎ。もうそろそろ寝ようと目を閉じる。
朝は叩き起こされるのが鉄板だ。僕のお母さんは僕に期待はしているらしい。底辺高校に行っている僕に東大に行って欲しいと。せめて大学にと。そんな結構差があるお願いの仕方で大丈夫なのだろうかと。今日も重い体を抱えて心をなくしたまま学校へ向かう。想像はつくだろう。僕はぼっちだ。所謂ぼっち。ひとりぼっち。まあ、高校になってから何だけど、その前は友達がいたけど友達と喋るのも億劫になったからの高校では友達は作らなかった。
高校1年生の6月17日水曜日は僕の誕生日。家族からのお祝いなし。むしろ忘れられているみたい。数少ない親戚の叔母、叔父、伯母、祖母、からのメッセージ。ありがたい。中学の時の友達からは一言。「生きててくれてありがとう。」僕は泣いた。声を出さずに。1人でチョコレートケーキとラザニアを作ろうとしていた。僕から僕へのプレゼント。していた。と言う言葉から分かる通り、作れていない。材料は既に使われていた。悲しくなった。
おやすみと一言。僕はお風呂にも入らず制服から部屋着に着替えるとそのままベットでねそべった。「もうこれからはやめよう。頑張ることをやめよう。僕は何も何もない。今も価値もない人間。少しお休みしよう。生きているだけで生きているだけで、、、」ボロボロに泣いた。もちろん声は出せない。暗い部屋に1人ベッドの上、泣き疲れたようで気がついたら寝ていた。月の光が明るくて起きた1時半。月が綺麗だ。
感じることができた。僕の言葉。僕の中の言葉。そんな中一通のメールが届いていた。
僕は息を飲んだ。どうやらバズって書籍化のお話。3日しかたってないぞ、投稿して、、
は?は?僕が?何?え?あれが?まあ、とりあえず受けるか。な?え、お話は聴こう。
詐欺じゃなければいいけど。
「まだ知らない僕だよ」
どこかから聴こえたあの声。
未だ見えない私は @akinaide49
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