12月20日

 横ナントカさんって人、会社で表彰されたそうですよ。

 と、ひとづてに聞く。

「ええっ、あいつが!」

 人の悪口は言いたくないけど、あの女、そうとういやーなやつだったなあ。思い出しただけで一日中ムカムカする感じ。

「なんか、会社で仕事についての作文を募集してたそうで、そこで上のおっさんに好かれそうなことをつらつら書いてましたねえ。やりがいがどうとか」

「へーっ」

 たしかにすぐ想像がつく。

 まあ、上司に好かれるのは悪いことじゃないけど、なんか露骨だなあ、ていうかそれにまんまとひっかかる上司ってのもろくなもんじゃないなあ、という媚びかたを見たことがあった。

 まあおじいさんとかにやたらモテるって自慢してたなあ。ばかなやつ、おじいさんもお前のそういうとこわかってるって、と思った。

 ああはなりたくないなあ、ていうかあのこ、めちゃ若かったはず。まあ慣れてるんだえろう、おっさんのあしらいに。

 うーむ、あの会社、未来ないかも。帰り道、いらいらしながら歩いた。しかし、わたしはぜったいに、あんなふうにはなるまい、と思った。

 嫌われたっていい(べつに嫌われてもいないけど)。


✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎

「今日はなにー?」

「今日はシーラカンスの日〜」


ミスチルの歌思い出すぜ。

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