8月14日
実家に帰省したものの、ゆっくりなんてできない。
母がどたどたと家事をこなしている。そうそう、昔からうるさいなあって思っていた。わたしの身体をまたいでいく。
まったく、せっかく仕事の休みにわざわざ帰ってきたんだから、もう少し優しくしてよ、と。
「あんた、今日はごはんなにかてんやものをとる?」
母が洗濯物を抱えながらわたしに訊ねた。
「んー、どっちでもいいよ」
「あんたは昔っからそういうのよ。で、目の前にでたものに文句を言うの」
わたしたちはなにも変わらないらしい。
「べつにてんやものでなくても」
と言いかけた時、そうか、わたしは今休みにきているけど、母はずっと働いているわけだ、と今更ながら悟った。
なんだか申し訳なくなってきた。
「なに、神妙な顔して」
母が不思議そうな顔をした。
「今日はわたしがなんか作ろっか」
「いい、いい。あんた料理へたなんだから」
せっかくの提案をばっさり断られ、わたしはむくれた。
「じゃあ、てんやものでいいんじゃない」
「はいはい」
「あ、わたしがお金払う」
そういうと、
「じゃあ一番店で高いやつ頼もう、どこにする?」
と母は言った。
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
「今日はなにー?」
「今日は特許の日〜」
なにか特許取得してずーっとお金が入ってくる、そんな夢を見ていた時もありました。ドクター中松ってそんな感じだったのかな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます