8月14日

 実家に帰省したものの、ゆっくりなんてできない。

 母がどたどたと家事をこなしている。そうそう、昔からうるさいなあって思っていた。わたしの身体をまたいでいく。

 まったく、せっかく仕事の休みにわざわざ帰ってきたんだから、もう少し優しくしてよ、と。

「あんた、今日はごはんなにかてんやものをとる?」

 母が洗濯物を抱えながらわたしに訊ねた。

「んー、どっちでもいいよ」

「あんたは昔っからそういうのよ。で、目の前にでたものに文句を言うの」

 わたしたちはなにも変わらないらしい。

「べつにてんやものでなくても」

 と言いかけた時、そうか、わたしは今休みにきているけど、母はずっと働いているわけだ、と今更ながら悟った。

 なんだか申し訳なくなってきた。

「なに、神妙な顔して」

 母が不思議そうな顔をした。

「今日はわたしがなんか作ろっか」

「いい、いい。あんた料理へたなんだから」

 せっかくの提案をばっさり断られ、わたしはむくれた。

「じゃあ、てんやものでいいんじゃない」

「はいはい」

「あ、わたしがお金払う」

 そういうと、

「じゃあ一番店で高いやつ頼もう、どこにする?」

 と母は言った。


✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎

「今日はなにー?」

「今日は特許の日〜」


なにか特許取得してずーっとお金が入ってくる、そんな夢を見ていた時もありました。ドクター中松ってそんな感じだったのかな。

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