1月26日

 男の子たちが三人でわいわい歩いている。なんだか微笑ましい。正直昔は「うっぜぇなあ」と思っていた。

 なんだこいつら、イキってんじゃねえぞ、と。

 歳をとった、ということである。なにせ、だいたいの十代(に見えるやつも含む)はかわいい。男も女も。

 こんなふうに世の中を見るなんて思わなかった。昔の自分はなんと物事を狭く見ていたことか。伝えることができるならば、教えてやりたいくらいだ。

 男の子たちが立ち止まり、わたしは歩を止めることをせずぶつかってしまった。

 ごめんなさい、と謝るも、男の子たちは大したリアクションがない。まるで自分がなかったもののように思える。風か何かみたいに。

 もしかして、世界を優しく眺めるというのは自分をなくすことに近いのかもしれない。

 それは少し、寂しく、痛快でもある。負け惜しみだろうか?


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「今日はなにー?」

「今日はアフロの日」

京都の金戒光明寺には珍しいアフロ地蔵がいます。インスタ映えしますのでおすすめです。

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