第8話 姫宮さんとデート!1
ついについについについについに、この日がやってきた!!
日曜日!姫宮さんと初デート記念日!!
いつか祝日になるのは間違いないだろう。僕の中で。
昨日は涼真と咲良ちゃんに清潔感あるオシャレな服を選んでもらい、美容室も行ったし、外見は完璧だ!!今日の朝も涼真に髪をセットしてもらうために、朝6時に涼真の家に行ったら、めちゃくちゃ怒られた。
そして時刻はもうすぐ12時。もちろん僕は9時から待っている。「ごめん、待った?」と聞かれたら、「いや、待ってないよ」なんていうテンプレは言わない。「ごめん、待った?」「君のことを考えながら待つ時間は何にも変えがたい素晴らしい時間だったよ」って言いたいがために僕は9時から待っているのだ!!めちゃくちゃよくないこのセリフ?キュンとしない?これでスタートダッシュは完璧だ!!
さらに9時から待っているおかげで、頭の中でのシュミレーションも完璧だ。今日のデートをもう300回はシュミレートした。もうこの僕に不覚はない!!
僕の姫宮さんレーダーに反応あり!多分もうすぐ姫宮さんが来る気がする!まあ、時間もそろそろなんだけどね!
そうして、僕が振り向くと、そこには天使がいた。
綺麗なストレートの黒髪と対照的な白いワンピース。少し化粧をしたのか、いつもとは違う柔らかな雰囲気。荒れている呼吸。首筋を流れる汗。膝におく手。上目遣いでこちらを見る。
「すみません。待ちましたか?」
もう死んでもいい。後悔などない。僕はそう思った。この世界で、今僕は最も幸せな自信がある。なんだこのかわいすぎて美しすぎる天使は!こんなことってあるのか?これは夢じゃないのか?自分の頬を全力でビンタしてみる。いや、夢じゃない。じゃあ、ここは天国か?そうだここは天国だ!!天使がいるってことはここは天国だ!な〜んだ僕死んだのか!でも天国って最高だな!!一生ここに居たいです!!
「あの、大丈夫ですか?」
おっと、姫宮さんのあまりのかわいさに少しだけ気を失ってしまっていたようだ。かわいすぎることは罪でもあるのかもしれないな。
「う、うん。だ、大丈夫です。待ってないです。全然待ってないです。」
ん?あれ?今、僕なんて言った?あれだけしたシュミレーションと全く違うこと言わなかったか?ちくしょーー!!あれだけ1人で練習したのに!ここでもぶつぶつ言いすぎて周りの人から気持ち悪がられてたのに!
でも仕方ない。この姫宮さんのかわいさは想定外だ。そろそろ慣れてきたと思ったのに、私服の衝撃を計算しきれてなかった僕のミスだ。
「なんだか今日、あなた変じゃないですか?いや、いつも変だから変わらないのかしら。」
「い、いや、あの、姫宮さんが想像以上にかわいくて。テンパってしまって。」
「えっ?」
やばい!また思ったことを口にしてしまった!恐る恐る姫宮さんのほうを見てみると、姫宮さんは後ろを向いていて、耳は赤くなっていた。
も、もしや、こ、これは、チャンス?
「姫宮さん、どうして後ろを向いてるの?」
「別に、あなたの顔を見たくないだけです。」
これは効いてる!効いてるぞ!!
「もしかして、僕にかわいいって言われて、照れちゃったとか!」
「そ、そんなことあるわけないでしょ!!」
そう言ってこちらを向いた姫宮さんの顔を真っ赤に染まっていた。やばい、めちゃくちゃかわいい。やばすぎる。天使すぎて死にそう。
じゃないじゃない。落ち着け僕!ここは攻め時だ!頑張らないと!
これは絶対に形勢逆転してる!いけるぞ!
「今日の姫宮さんめちゃくちゃかわいいし、白いワンピースも似合ってるし、いつもより髪も綺麗だし、少し化粧もしてるから、いつもより雰囲気もかわいくて最高です!!」
「そ、そういうことをすぐに言わないでください!!あなた誰にでも言うんでしょ!」
「え?いや、姫宮さんにしか言ったことないけど。」
「も、もう本当に黙ってください!この話は終わりです!それで、これからどこに行くのですか?」
「とりあえず、お昼ごはんでも食べようと思うんだけど、いいかな?」
「わかりました。あなたに言われた通り、お昼ごはんは食べずに来ましたからね。」
「ありがとう!よしじゃあレッツゴー!!」
ふぅ〜、いろいろシュミレーションと違うところはあったけど、とりあえずはオッケーだ。いやぁ〜、でも今日の姫宮さんはかわいすぎるなぁ〜。
いやいや、貴志!今日は僕が姫宮さんに意識してもらうための戦いだ!!
ここからが本番だ!!
僕は今日、姫宮さんと友達以上恋人未満くらいの関係まで持っていきます!!多分。頑張れば。奇跡が起きれば。いや、貴志、お前はポジティブだろう?ポジティブになるって決めたろ?弱気になるな!頑張れ!よし!がんばるぞ〜!おーーー!!
乞うご期待!!!!
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