第1話 僕と姫宮さん
僕の名前は、本郷貴志。身長は163cmと小さめで体型はふつう。
顔も別にイケメンというわけではない。本当にだ。ラノベを読んでいると何が平凡だ!全然かっこいいじゃないか!と思う主人公たちもいるが僕はそうじゃない。中の下だ。そして頭も別によくないし、スポーツも得意ではない。
だからモテない。人生で1度もモテたことはない。別に陰キャで女子と喋れないわけではない。ただ恋愛対象にはならないらしい。それは顔と身長もあるが、なによりも「ポジティブバカ」すぎる性格だからだろう。
僕はよく友達から「ポジティブバカ」だと言われる。
何がバカなのかはわからないが、まあポジティブだとは思う。別に高身長にもイケメンになりたいとも思わない。今の自分で満足しているし、人生を楽しんでいる自信はある。
ルックスがよくなくても頭がよくなくてもスポーツができなくても、人生なんとかなるものであると僕は思っている。
全ては心の持ちようである。
でもどうして僕がこんなに人生を楽しいものだと思っているのか、理由を1つ挙げるとすると、そうだなぁ。
「恋をしている」からである。
僕は高校に入ってすぐ1人の女の子に一目惚れした。
その子の名前は、姫宮冷華。
綺麗な黒髪ロングでキリッとした目、整った顔、僕と同じくらいの身長、成績優秀、スポーツ万能、これだけスペックが高い超絶美人であるため、高校に入ってすぐ学校の有名人になり、告白する男たちが殺到することになった。
しかし、1ヶ月経った今、彼女に告白する者はいない。
なぜなら彼女は超がつくほどの毒舌だったからだ。
告白する男たちに「ゴミクズ」「節操のない猿」「ゴキブリ未満」などの毒を撒き、泣いて走り去る男が大半だったらしい。
そこでついたあだ名が「冷姫」。
冷姫に話しかける人はいなくなった。たった1人、僕を除いてな!
冷姫のどんな毒舌を浴びようとも話しかけ続けている僕は大半の人に変な目で見られているから僕も少しの友達を除いて孤立している!まあどうでもいいけどね!
よ〜し今日も話しかけよっと!
「姫宮さん!おっはよーーー!!!!」
「あら?コバエがいますね?夏はまだですよ。早く消えなさい。」
「姫宮さんは今日もキレッキレだね!!すごいなぁ!!」
姫宮さんは僕を睨むと、無言で僕の隣にある自分の席に座った。
いや〜、今日も姫宮さんは綺麗でかわいくて最高だなぁー!!!こんな人と毎日話せるなんてほんと僕は幸せ者だよ!!
ほんとにみんな姫宮さんと話さないなんてもったいないことするよなぁ〜!
まあ、独り占めできるからいいんだけどね!!
だっておはようのあいさつだけで、こんなにおもしろい返しをしてくれる人なんていないじゃないか!
毒舌だかなんだか知らないけど、ほんとに姫宮さんは最高だよ!!大好きだ!!
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