06.体育祭の悪戯
06.01.憂鬱な体育祭
期末試験の結果が発表され、相変わらず
別に評議委員をやりたいわけじゃないんだけど、テスラは手放したくないもんね〜
『マスター、
「空いてる所で調整お願い」
『かしこまりました』
このコがテスラ。夏休み中にあれこれ試して今みたいに日程調整ぐらいは出来るようにしたんだ〜。
一言で言えば、チャットボットみたいなものだね。最終的にはセキュリティシステムの監視とか、侵入者の追跡とか出来るようにしたいんだけど。
僕のスマホに現れてる美少女はただのアバターで、実体はセキュリティシステムの検証環境の中にある。だって、検証環境なんて殆ど使ってないんだから勿体無いじゃん。Tesla®を16基搭載したマシンが16台も遊んでるんだよ? 有効活用したくなるのは当然だよね。
ちなみに、Tesla®だからテスラ。声は記憶を頼りに
アバターはStyleGANで生成した画像。
「ごめんなさいなんだぞ、
「気にすること無いよ。それより、1組に残れてよかったね」
「うん、ありがとうなんだぞ♪」
そういえば、
「私が残れたのは
テスト勉強の時もずっと……
“
なぜか
「まあ、これが俺の実力さ。成績上位者同士、仲良くしようじゃないか」
お陰で
「別に成績で付き合う相手を決めるつもりは無いんだけど」
「何を言う。付き合うからには
付き合うって友人としてって意味なんだけど、まあいいか。勝手に壁を作って突破してればいいけどさ、絶対超えられない壁があるから、“男とは無理”ってね。
1組に残れなかったのは
そして試験明けの恒例イベント、新たに1組のメンバーとなる二人が紹介された。
ただ、今回はちょっと特殊みたいで、2組からの繰り上がりは一人だけ。
「
同じ匂いを感じるな、昔の僕とだけど……
暗くて、無口で、自己紹介っていっても名前だけ。そそくさと自分の席へと向かってしまう。
もう一人は他校からの転校生なんだとか。
「
今にも消えてしまいそうな声でたったそれだけ言って自分の席へと向かう。物音一つ立てずにね。こっちも同じ匂いがするかも……
美形で色白で黒髪……、なんか幽霊みたいだな。女の子みたいに見えるけど、男子なんだよね、制服的には。うちのとは違う制服みたいだけど、
何かとうちの高校と張り合う事が多い高校で、間もなく始まる体育祭でも幾つかの部が練習試合を予定してるんだとか。
ううっ、体育祭……
考えただけで憂鬱だ。
元々足が早いわけでも、高く跳べるわけでも、球技が得意なわけでも……、まあ他にも色々得意じゃないんだけどさ、それだけじゃなくて、
いろんなミス○○と、ミスター○○が居たけど、ミス○○は男子競技の方に、ミスター○○は女子競技の方に借り出されるんだとか。しかも、それだけじゃなくてミス
そんな僕の気持ちを知ってか知らずか、MVPに選ばれた者には豪華賞品が用意されているという。
さすがにTesla®とまではいかないけど、高性能GPUを搭載したノートPCが貰えるんだよ。別に自分で買えない金額でもないし、テスラもいるから必要ないっていえばそれだけなんだけど……
選考基準は明らかにされてないけど、足が早ければいいってわけでも、高く飛べればいいってわけでもないみたいだから、僕にもチャンスがないわけでもない……と思う……。そう思わないとやってられない。
会長は、ミス
もう、誰だよ、変な企画考えたの。
でも、今は友達もできたし、やっぱり僕も楽しみたい。中学の時は全然楽しめなかったからな、こういうイベント。
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