03.05.怪しいお仕事
GWが終わってもずっとそんな感じなんだけど……
「
「仕事、みたいなんだけど」
「何の仕事か気になってる、ってところかしら?」
「うん、まあ」
「
「ぼくは……、
「私だって信じてるけど……」
やっぱ気になるよね。お母さんへのプレゼントだって安くないんだし、あの日の出費だって結構な額になってるはず。それをあんな短期間で貯めてただなんて……
「信じてる……ですか。でも、万が一、という事も。誤った道に進もうとしているのでしたら正して差し上げるのも友の務めですのでわよ?」
「だったら、後をつけてみようか。土曜日は何処かに出かけてるんだろ?
こそこそ後をつけるなんて気は進まないけど、訊いても教えてくれないからな。
「なんだか面白そうですわね、私も参加させていただきますわ」
「じゃあ、決まりだね。今週の土曜日、授業が終わったら密かに
「う、うん……」
まあ、着いてくるなとは言われてないか。
◇◇◇
そして、その土曜日。私達は、授業そっちのけで
いつも通り終了と同時に教室を飛び出していく
「誰かと待ち合わせ、なのかな」
「気になりますわね。どんな方がお相手なのか」
「
「確かに、今のところはそれらしい殿方は現れていませんね」
私達は、ファミレスの向かいの喫茶店に居る。ここからだと、丁度
子供連れの主婦の集団、スーツ姿の小太りのオジサン、老夫婦に女子高生の集団とか、
「そもそも、こんな所で待ち合わせしないんじゃないかな。学校も近いし」
確かに、密会には向いてないかも。ここは駅にも近いし、うちの学校の制服もよく見かける。こんな所で密会してたらとっくに噂になってはずだよ。
「勘ぐりすぎたようだね、
「あれを」
「まさか……」
多分、私も……。やだ、そんなのやだ。こんなの見なかったことにしたい。
「えっ、何……、えええええー」
何で、何であんなおじさんと……
さっき入ってった小太りのオジサンだ、スーツ姿の。
「二人とも落ち着いて。まだそうと決まったわけでは無いわ。限りなく怪しいですけれど」
オジサンが
でも、そうか、偶々会った恩師なのよ。中学時代の先生とか?
「座りましたわね、同じテーブルに」
「
だ、大丈夫だって、
「まだ帰らないね、あの人……」
「う、うん」
「決まりですわね」
バン
限界に達した
目が怖いよ……、
「直接行って確かめる。事と次第によってはあの男……」
「暴力沙汰はいけませんわよ。自分の能力を良く考えてくださいね」
暴力沙汰?
「どうかな。紳士的にいくつもりだが……、理性で抑えられるかどうか……」
わかんないけど、とりあえず頑張れ、理性!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます