第839話 のじゃロリふたたび
「おお、神よ…」「お久しぶりで御座いますす、神よ」「我が神よ、ご無沙汰しております」
俺と3人のダンジョンマスターが話をしようとしていた時、ボーディの眷属であるカジマギーが豪華な衣装を身に付けた3人の男女を引き連れ部屋に入って来た。
と、思ったらいきなり俺の前に3人が小走りでやって来て、手を組んで跪いた。
え~っと、俺って神様じゃない…けど、そんな設定だったっけ?
「3人共、トー彼等を連れて来たカジマギーが、俺の前で跪き位の入りを奉げる3人に言葉を掛ける。
「あ、え…んぉほん! 3人共、立つが良い」
えっと、確かこの3人には、俺こんな話し方してた気がする。
「「「はいっ!」」」
あ、何だか嬉しそう…って事は合ってたのかな?
「其の方達の活躍は聞き及んでおる(嘘だけど)。この大陸をよく統治しておるようで、やはり其の方達にこの大陸を任せて正解であったな」
偉そうに話すのって、肩こるんだよねええ。
「「「勿体ないお言葉です!」」」
折角立ち上がったと思ったら、こんどはバッ! って音がしそうな勢いで3人が直角に腰曲げたよ…。
なんか、挨拶とかだけで時間を取られそうなので、兎に角落ち着いて話が出来る様に、座れる場へと移った。
俺が座るソファーに座ると、テーブルを挟んで右のソファーには、もふりんとカジマギー。
テーブルを挟んで向かいのソファーにはモフリーナ、モフレンダ、ボーディ。
そしてテーブルの左のソファーには、ディー・アーナとヘーリ・オースにテーラ・マテールという、このパンゲア大陸の表で宗教と政治を取り仕切る統治者が。
よく考えたら、これって大陸を牛耳る表と裏の組織のトップ的な集まり?
会社で言ったら、巨大企業の役員会議っぽいな。
いや、どっちかと言うと、でっかい政党の会議?
まあ、そんな事はどうでもいいけど、取りあえず本日ここにやって来た目的のお話しだ。
「実は、本日このパンゲア大陸へと来たのは、さっきも言ったが俺の分身を造って欲しいからだ」
その言葉に首を傾げる一同。
「先ほども仰ってましたが、分身…ですか?」
モフリーナが確認する様に聞いてきた。
「そう、分身。もふりんやカジマギー、それに3人の教王の様に、俺の分身的な存在を造り出して欲しいんだ」
そう説明するが、まだ全員の頭上には疑問符が浮かんでいた。
何でだろ?
「えっと、なんでぶんしんつくるんでしゅか? おちごとがいそがちいんでしゅか?」
おっと、もふりんナイスタイミングだ。
そう言や、理由を話してなかったな。
「いや、そうじゃ無い。ボーディならばもしかしたら知っているかもしれないが…」
「妾がか?」
ボーディが不思議そうな顔でそう言うので、
「確か、『妾はボーディ。この星の最初のダンジョンマスターであり、全てのダンジョンマスターの元となる50人のオリジナル・ダンジョンマスターの1人じゃ!』とか偉そうに言ってなかったか?」
ちょっとボーディの声色を使ってみました。
「お主…全然似て無いぞよ?」
ボーディには不評だった様だが、
「似すぎてて吃驚しました」「…そっくりです」 「びっくりぎょうてん!」「マスターそっくりです」
モフリーナ、モフレンダ、もふりん、カジマギーには大好評の様だ。
「何でじゃ―――――!!」
ボーディの絶叫が、響き渡ったが、誰ものじゃロリマスターを擁護する者は居なかった。
むふっ! 勝ったな…じゃなくて、
「それはどうでもいいんだが…」
「どうでも、いいんかい!」
ボーディのするどい突っ込みではあるが、何故か語尾が委員会に聞こえたのは俺の耳がどうかしてるんだろうか?
「ああ、どうでもいい。つまりは、ボーディは最初のマスターなんだよな。って事は…どこの誰からこの地に送り込まれたかも知っているんじゃないか?」
「そ、それはじゃな…えぇっと…な…」
俺の問いかけに途端に口ごもる汚ロリダンジョンマスター。
「言い難いのは分かっている。俺もそいつにここに転生させられた1人だしな」
「んにゃにぃぃぃぃ!?」
あれ? こいつには転生の事を言ってなかったっけ?
ってか、モフリーナともふりん以外の面子は、目ん玉飛び出しそうなほど、目を見開いて驚いている。
モフリーナには、昔ちょっと話した事があったんで、ダンジョン関連の奴らには転生者だって事を言った気になってたよ。
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