第519話  いーーーーやーーーー!!

 という事で、今日は両親と嫁達と一緒にコルネちゃんとユリアちゃんを連れて、俺の領地の観光だ。

 温泉リゾートは、いつ来ても大好評。両親も嫁達も妹達も、それはもうとっても楽しんでくれた。

 レジャーランドにあるダンジョン体験施設は、まだ幼い2人にとって、とても刺激的だった様で大興奮だった。

 もちろん、お土産物屋さんでお買い物や、あちこちで良い匂いをさせている屋台での買い食いを沢山していた2人だったが、全力で遊んだためか、夕飯を食べた後には、すぐにお寝んねだった。

 

 夜間は、俺と父さんで、騎士さん達に事情説明を行った。

 父さんからは騎士さん達に、翌日中に荷造りをしておくように、指示をしていた。

 きっと騎士さん達は、明日は荷造りとお土産でも買いに行く事だろう。

 休暇? の最終日を愉しんで欲しい。

 出来たら、今日明日で有り金全部使い切って欲しい…いや、切実に。


 翌日は、元父さんの領地…というか、領都リーカの屋敷に一家でやって来た。

 蒸気自動車で約2時間半の小旅行とも言えない、ちょっとしたお出かけ


 父さんのお屋敷は、リーカの外れの広い農地の先にあり、緑豊かな森を背にした小高い丘の麓にある。

 屋敷をすっぽりと覆う程に成長した、裏庭に生える巨大なご神木が目印だ。

 このご神木の一部は、王都にある父さんの屋敷の一角に挿し木をしているのだが…なかなか成長しない。

 俺が直接創造したんじゃないから、成長速度に違いがあるんだろうか?

 確か父さんの屋敷のご神木は、一夜にしてあそこまで大きくなったんだけどなあ。

 もしかしたら、このご神木は本当は植物じゃないのかもしれないのかもしれない。

 コルネちゃんは、出来る限り毎日の様に、苗木の前で神を湛える可愛い舞を奉納している。

 その内、妖精さんを生みだしてくれたらいいんだけど…その兆候は全く見られない。

 妖精さんを生みだすエネルギーも注入できないから、王都の方の苗木は、まあゆっくりと見守るしかないな。


 今は農閑期で少々寂しい畑の中の一本道が、真っすぐに屋敷の正面玄関へと続いている。

 蒸気自動車を屋敷の正面に着けると、お目当て…じゃない、巨乳メイドさん達がお出迎えしてくれた。

 父さん達が王都に移ったので、彼女達の主な仕事は、屋敷の維持管理と元父さんの領地の税収等の計算をお願いしている。

 本当は書く街ごとにでも代官を置くのが一番効率が良いのかもしれないが、良い人材が居ないのだろうか?

 まさかこの巨乳メイドを代官を一緒にさせたくない、父さんの独占欲なのか? 真実は全くもって不明だ。


 さて、父さんの屋敷に到着した俺達は、メイドさんに先導されてまずは応接間に。

 そこで父さん不在の間の報告を、彼女達から色々と聞いた。

 お仕事の話や最近の領の様子、最近の流行りや人気のお店の事。

 そりゃもう時間のある限り、父さん達とメイドさん達は、楽しそうに長い間話していた。

 とは言っても、俺の屋敷まで書類を持って来りしている関係で、時々ではあるが俺が会っていたんだが。


 その後は、領民や商人やギルドから、次々と表敬訪問…というか、父さんの顔を見に来る者が引切り無しに訪れ、それなりに騒がしい一日となった。 

 

 昨夜、戦争前の大事な会議をしていたとも思えない様な、穏やかで楽しい時間を過ごした俺達は、夕方前にネス湖の畔の俺の屋敷へと戻って来た。

 

 さあ、明日はいよいよ王都だ。

 だから…ね、お願い…今日は、ゆっくり寝かせてくれないかな…奥様達。

 いや、何でイネスは俺を羽交い絞めしてんの?

 あ、こらちょ! 何でミルシェとマチルダは俺の足を持ち上げるんだ!

 ってか、メリル! 俺の部屋の鍵を何で持ってるんだよ!

 あ、マチルダ! 照明消すな!

 こら、ちょ…服を脱がすな!

 ぱ、ぱんつはだめーーーーーーーー!

 やーーーめーーーてーーー! 

 いーーーーやーーーー!!

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