第266話  仲良いよな

 そもそも、月神様信仰の国だとは聞いてはいるが、旧真アーテリオス神聖国の様に、国民全体が熱心な信者かどうかも分からないのに、月神を出して効果が有るんだろうか?

 そもそも、おまけで創ったロリっ娘きつね耳巫女なんで、威厳もクソも無いんだけど…

『マスター。奇跡の1つでも見せれば、オール オッケーです!』

 いや、あのナディアさん…最近過激じゃね? ってか、奇跡っぽい手品ならいくらでも見せれるけど…

『大河さん、あれ落としましょうよ! ミーティア・キャノン!』

 この地をクレーターだらけにするつもりかよ! 死ぬわ! この地下に住んでる人が、崩落で死ぬわ!

『『我儘ですね~』』

 お前ら、最近よく声揃うよね? 特に俺を非難する時…

『『被害妄想乙!』』

 絶対に嘘だ!


 まあ、それは良いとして…普通に接してみるか。

 やあ、僕はトールヴァルド・デ・アルテアン! 隣の隣の国からきました~よろぴく! って感じでいいかな。

『『軽いですね』』

 声が揃ってるって事は、馬鹿にしてるだろ?

『『気のせいです!』』

 ちくしょー! 軽いノリで接した方が良いと思ったんだよ! 

 ん~どうすべか…

『そもそも、マスターが隣の隣の国から来たと言って、簡単に信じてくれるでしょうか?』

『そうですよ、大河さん。それに、大事な物を忘れてませんか?』

 そりゃ信じられないよな…大事な物…大事な物…

『大事な物と言っても、マスターの隠している【僕と妹との言えない関係】って題名の本ではありません』

 ナディア! おま、それをどうして知ってるんだ! あれは俺の部屋のカーペットの下に造った鍵付きの秘密の床下収納に隠していたはずなのに…

『マスター、精霊さんを味方に付けた妖精に、忍び込めない部屋も開けけれない鍵もありません。大丈夫です、元に戻させましたから』

 ちょっと待てーい! お前、普段は父さんの屋敷にいるよな? まさかそこまで運ばせたのか? そして内容を確認したのか? 

『当然です。コルネ様の貞操を護る為、マスターの性癖を調きょ…もとい矯正しなければなりませんから』

 調教っていいかけたよな? 

『空耳です』

 俺のプライバシーって…そして俺の矯正されそうな妹愛の行方は…

『大河さんのむっつりで妄想大好きシスコンな性癖はどうでもいいです。預かって来た物があったでしょう? アレを見せれば1発で信じてくれると思いますけど?』

 俺の立ち位置って、むっつりで妄想大好きシスコンなのね…もういいや。


 預かってきた物って、なんじゃらほい? 預かってきた物…

 あ! グーダイド王国とアーテリオス神国の親書か!

『『やっと思い出しましたか』』

 うん、すっかり忘れてた

『『これだからシスコンは!』』

 煩いよ! シスコン関係ないだろ!

『『無自覚乙!』』

 お前ら、本当に仲良いよな…俺を虐める時だけ…

 そうか、2国の親書を持った使者としてなら、確かに信用度は高いかもしれない。

 うん、その方向で地下都市の人達の代表者に会見を申し込もう!

『逆らった場合は、ミーティア・キャノンを打ち込みましょう!』

 いや、それは止めよう…俺が恐怖の大王になっちまうから、サラ。

『ちぇ! 一回使ってみたいのになあ…ポチっとな! って』

 お前は、ボヤ○キーかよ。

 

 え~っと…預かった親書は…あったあった。

 よし! んじゃこれを持って、いざファースト・コンタクトへ!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る