第257話  酷くね?

 さて、俺の方は終わったが、皆の方はどうなってるんだろうか?


 父さんは…あ、めっちゃ楽しそうにゾンビ斬りまくってる…

「わはははははははははははははは…」

 この盆地に響くのは、こだまでしょうか? いいえ、父さんです。

 年甲斐もなくはしゃぐ父で、申し訳ない…最初から最後まで、ずっと笑いながら斬ってるよ… 

 コルネちゃんは、かわいい! …じゃなくて、きちんと父さんの後始末して燃やしてくれてるね。

 ナディア、面倒な2人を押し付けて申し訳ない。

 ちゃんと『全部すいとーる君』で、吸い取ってね。


 メリル達は…あ、全然大丈夫そうだな。

 メリルのフルオート・アクティブシールドは優秀すぎないか? そう創ったのは間違いないけど、自動防御って便利だな。

 ついで装備のノーブル・スピアーだが、ちくちくゾンビを突いてるだけでも役に立ってるみたいだな。ま、これでも十分か…なんせ王女様なんだから。

 ミルシェには武器が装備されてなかったから、出縁付き型メイスを冗談で渡したんだが、いたく気に入った様で…ゾンビを、ぷちゅって潰しまくっている。

 特殊能力であるスーパー・クレイモアは、刀剣類のクレイモアでは無く、指向性対人地雷の様に、無数のエネルギー弾を前方のみに一斉射する凶悪な能力なんだが…ここではちょっと攻撃力過剰気味だな。ゾンビがミンチになっている…うげっ!

 イネスは、さすがの剣技だ。特殊能力クリムゾン・ストライクは、使用している剣や槍から、その武器状の高火力の弾や斬撃を放てる技なんだが、きっちりゾンビを焼いてる様だ。

 ミレーラとマチルダは、この戦いではあまり活躍は出来そうもなく、油を撒いてまわってるだけになってるけど、これは仕方ない。

 アーデは、みんなについて回って防御か…アームは、掃除機持って吸い取る係ね。ご苦労様。


 ユズカは…めっちゃ楽しそうだな。巨大なランスから出るホーミング・レーザーで的確に脳を破壊してる。

 もしかして、バ〇オ・ハザードとか好きだったのか?

 こいつら脳を破壊しても死なないけど、動けなくはなる様だから、まあいいか。

 ユズキは大変だなぁ~ユズカのおもりしながら、油撒いて火をつけて…嫁がアレだと苦労するよな…まあ、がんばれ。

 こっちはアーフェンが掃除機係か…なら、まあ大丈夫だな。


 もう放っといてもゾンビ討伐は平気だろうから、俺はこの一帯に漂う高濃度のカズム・キノコの胞子でも除去しますかね。

 きっとこれもカズムの一部なはずだから。

 さて、もうひと踏ん張りしますよ~『全部すいとーる君』、スイッチ・オン!


 こうして俺達は、ゾンビとカズムの残りカスの掃除に明け暮れた。

 コツコツと掃除をした甲斐もあって、よどんでいた空気も綺麗になった樹がする。

 風の精霊さんと土の精霊さん曰く、もう変なものは一欠けらも残って無いそうだ。

 水の精霊さんによると、カズムが根(?)を張っていたオアシスの水も汚染されてないとの事。

 『全部すいとーる君』で吸い切れなかったお空に漂う胞子は、火の精霊さんが燃やしてくれるそうです。

 精霊さんって、本当に優秀。


 ホワイト・オルター号を呼び寄せ(サラに念話した)て着陸させ、その前に全員集合~!

 全員戻ってきたので、ここに戦闘(?)終結を宣言するころ位には、もうすっかりと日も暮れていた。


「よーし、戦闘終了! みんなお疲れさまでした~!」

『お疲れさまでした~!』

「明日は、まだ恐怖の大王の影響が残っていないかの確認と後始末、そしてこの地下に住んでいる人達とも接触をしたいと思います。今夜は疲れているでしょうから、全員ゆっくりと身体を休めてください。今は戦闘の余韻で精神が高揚していて、疲れを感じないかもしれませんが、後々疲れは噴出しますので、注意してください。戦いだけがお仕事じゃありません。まだやらなきゃいけない事は残ってますからね」

 ちょっと説教臭くなったけど、ちゃんと言っとかないとな…またベッドを強襲されたらかなわん。

『は~い!』

 うん、みんな返事だけは良いんだよな…


 あ、コルネちゃんは、お兄ちゃんと一緒に寝ても良いんだよ?

『却下です、マスター!』

 何でだよ…何で却下するんだよ、ナディア…

『マスターのその変態的性癖は、どうすれば矯正出来るのでしょう?』

『矯正? させません! 大河さんには、もっと色々な扉を開いてもらうのです!』

『新たな扉など、マスターに開かせません! マスターには、真人間になってもらいます!』

 え~君達…ちょっと…

『ふっ…大河さんが真人間? ありえません!』

『いいえ、サラ! 私が必ず調教してみせます!』

 あのぉ…君達、ちょっと俺の扱いが酷くね?

『『No problem!』』 

 何で英語なんだよ…ってか、俺、英語苦手なんだよ…

『『Oh, my God!』』

 こいつら…

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