第224話 G戦隊ジェムファイター!
翌日、婚約者~ずは狂喜乱舞しました。
何をって、そりゃネス様からの神具を貰ったよ~って伝えたからだよ。
朝食後のまったりお茶タイム中に、カードを見せながら伝えたところ、変な踊りを舞いながら喜んでいた。
あれは、女神ネスへの奉納の舞だろうか? タコ踊りにしか見えなかったんだが…
そんなわけで、あのカードを1人ずつ手渡して変身について説明をしたところ、すぐに使いたいと五月蠅かったので、例の如く地下室へとレッツゴー!
途中でユズキとユズカを見つけたんで、引きずってきました。
めっちゃ迷惑そうだったけど。いや、その気持ちはわかるよ、うん。
でも、俺1人であの婚約者~ずの高テンションの相手はしんどいから、道連れだ。
多分、模擬戦的な事を迫られるだろうから、お前ら頑張って相手してくれ!
「いや、あんたの婚約者なんだから、あんたが相手しろよ!」
「うん、ユズキ君…それは至極ごもっともなご意見ですが、ここは雇用主権限での業務命令です。婚約者~ずの標的になるように。怪我させちゃだめだよ~ん。んじゃ、よろぴく!」
「うげ!」
ユズカからヒキガエルを踏みつぶした様な声が聞こえたが、無視だ無視。
ついでにサラも居たんで(さぼってた)、首根っこ引っ掴んできました。
我が屋敷のだだっぴろい地下室にやって来ました、婚約者~ず。
犠牲者達(予定)の見守る中、それぞれがカードを持って、俺の前にきちんと横一列で並んで、今まさに変身の時を迎えております!
その変身の合言葉は…
「「「「「ジェムファイター・ゴー!」」」」」
5人が左手にカードを持ち、高く掲げてから勢いよく目の前に!
(カードが個人認証されると、次回からは左手のブレスレットになります)
カードから目を焼くほど眩しい光が溢れる。
そして光が収まった時、そこには光り輝く少女戦士が!
「ダイヤモンドのメリル・ラ・グーダイド。G戦隊 ジェムファイター 1号」
「アレキサンドライトのミルシェ。G戦隊 ジェムファイター 2号」
「サファイアのミレーラ=マレス。G戦隊 ジェムファイター 3号」
「ルビーのイネス・マリオン。G戦隊 ジェムファイター 4号」
「アメシストのマチルダ・スロスト。G戦隊 ジェムファイター 5号」
「「「「「G戦隊 ジェムファイター!」」」」」
う~ん、教えた通りの香ばしいポーズを決めてくれたぜ(笑)!
「「「……………」」」
え~っと、ユズキ、ユズカ、サラ…そんな冷たい目で見ないでくれ…頼む…
「「「ガッ○ャマンだ!」」」
あ~、何と申しますか…そのう…
「「「もうタツノ○ プロでシリーズ化したら?」」」
テッ〇マンとキャシ〇ーンですか…いえ、好きですよ?
でも個人的には特撮の方が好みといいますか…本当は、俺の強化装備として、闘士ゴ○ディアンを考えてた時もありました…えへっ。
「「「やっぱり!」」」
別にいいじゃん…マトリョーシカ人形みたいで面白いだろ?
「「「……………」」」
俺の趣味なんだから、ほっとけよ!
そういうユズキだって、ポ〇マーじゃねーか! 仲間だろーが!
「はっ! 忘れてました!」
忘れるなよ! 俺的にはタ〇ノコでは、ポリ○ーが1番好きなんだからな!
「あれ? 白鳥のジ〇ンみたいなミニスカートは?」
ジェムファイターを見ていたユズカが何かに気付きぽつりとこぼした。
「ユズカよ…お前は俺の婚約者にパンチラしろと言うのか?」
「だって、お約束でしょ?」
「そんなお約束はしない!」
「ぶぅ~~~~! つまんない!」
「やかましいわ!」
そんなお約束を人前でやらせるか!
5人の装備は基本部分は同じで色違い。
全員が物理、魔法、熱、斬撃や刺突などへの耐性を備えたウェットスーツっぽいアンダースーツ。
そこに各人の装備の名前にもなっている宝石っぽいプロテクターが装着されている。宝石を模しただけあって、半透明でキラキラと輝き、めっちゃ綺麗。
ブーツとグローブ、そして各宝石色と同じ少し短めのマントを装備している。
ヘルメットの後頭部にはアンテナ状の角が付いており、顔をカバーする部分は当然ながら各自のプロテクターと同様の宝石を模した、半透明な物で覆われている。
見た目的には、バイザーの無いシールド付きオフロードバイク用のヘルメットに近い感じかな。
この装備は、実際にはそれぞれの特性というか個性で能力は違うのだが、見た目は色違いっぽい仕様。
5人はとっても嬉しそうに、それぞれの姿を見せ合ったり、鏡で自分の姿を見たりと忙しい。
ほら! いいじゃん、喜んでるんだから!
この世界の人は戦隊物とか知らないんだからいいじゃん!
むしろ新しい概念がこの世界に生れた事を喜ぼうぜ!
うん…3人とも、その冷たい目は止めてくれ…ちびりそうだ…
「え~5人とも、ちょい落ち着こうか」
ほっとくと、いつまでもキャイキャイやってそうな婚約者~ずなので、一旦ここで説明タイム。
「「「「「は~い」」」」」
機嫌の良い時だけは、返事もいいんだよなぁ…
「それぞれの装備は一見すると色違いに見えるだけかもしれないけど、実は個々に特徴があります」
「「「「「ふむふむ」」」」」
「まず、メリル。ダイヤモンド1は、基本的に防御特化ですが、遠距離攻撃も出来る装備が付いてます。自動防御用のシールドを変形させて敵に特攻させることが可能。ただし、身体能力自体はほとんど上がらないので、注意する事。基本的にはみんなをガードする役割です」
「はい!」
「次にミルシェ。アレキサンドライト2は、最前線にて敵の攻撃・進撃を食い止める役割を持ってます。大楯も軽々持てるパワーです。攻撃は自分の前面に対して、無数の光弾を放てる範囲魔法。かなり強力ですが、味方も巻き込んでしまう可能性が有るので、使い所はよく考えるように」
「は~い!」
「ミレーラのサファイア3は、主に後方支援です。傷ついた人を癒す事が出来る能力を持っているので、基本は戦闘はしないように。筋力や速度は向上するけど、攻撃手段は通常の武器になるので、危ないからね」
「はい」
「イネスのルビー4は、完全に攻撃型特化の装備。剣は通常の物を使うけど、その剣に魔法を乗せて攻撃できるよ。あと、剣に乗せた魔法を、飛ばす事も出来るんで練習してね」
「了解です!」
「最後にマチルダのアメシスト5は、主に情報収集・分析型になってる。広い戦場を俯瞰的な視野で見る事が出来るんで、正確な状況把握とデータ収集をする参謀役。筋力と速度はそれなりだけど、戦闘向きではないから注意」
「わかりました」
「ミルシェが前面で近接戦闘時の盾と範囲攻撃役。イネスが完全攻撃役。ミレーラが2人のサポート。マチルダが状況の分析と情報収集。そして、メリルが隊長兼中衛として、シールドで遠距離攻撃を防ぎつつ、マチルダと相談しながら作戦を立てて指示する。全員が息を合わせて能動的に動かないと、きちんと部隊として機能しないからね」
「「「「「はい!」」」」」
うん…これで良い。これで、当分のんびり出来る…
「ではユズカ、ユズキ。このあと、私達の練習に付き合ってください」
あ、メリルに捕まったな。まあ、想定通りだ。
「うむ、ではユズキ、ユズカよ、後を頼んだぞ。僕は書類仕事が溜まってるもんで、ちょっと手が離せないのだ! サラ、全員に適時水分補給を頼む。では、さらば!」
そんな縋る様な目で見ても駄目だ!
ってか、こっち見るな! 俺まで被害にあうだろう!
憐れユズキとユズカは、5人の戦士にドナドナされて行きましたとさ。
『大河さん…鬼ですね』
ふん! 何とでも言え!
この後、婚約者~ずとユズキ&ユズカは、むっちゃ練習したそうな。
夕食時の、婚約者~ずの満足気な顔と、それとは対照的に疲れ切った2人の顔を見て、生贄を差し出して良かったと心の底から思ったトール君でした。
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