第156話 番外編)ナディアと申します
私は、マスターにこの世に生み出して頂いた、ナディアと申します。
畏れ多くもトールヴァルド・デ・アルテアン子爵様がマスターの御名でございます。
マスターにより、私はなんと妹御様であらせられる、コルネリア様の御付として生み出されました。
私は、マスターの記憶と想像力により、数多の知識を生まれながらにこの身に宿しております。
そして特殊能力として、マスター及び配下の妖精達と思念による会話が出来る事、最強強度の結界を張る事が出来ます。
また、マスターの知識をコピーし、自身と配下の脳内にインストールする中継器の役割も出来ます。
これにより、特殊妖精として私の後に生み出された、アーフェン、アーデ、アームへ、マスターの持つ格闘術をインストールする事が出来ました。当然ながら、私は一番最初にインストール済みです。
我々妖精は、知識と経験を元に、自らの肉体を最適化する事が出来ます。
マスター曰く、遺伝子的には人類とは97%同じ肉体を持っている我々ですが、残りの3%により、この特殊能力を持つに至るのだそうです。
肉体的に人類と差異がほとんど無いと先ほど言いましたが、その他ではマスターとは天と地ほどの差がございます。
マスターと輪廻管理局のサラによりますと、マスターの持つ魂のエネルギーはこの星の総人口の200倍もあるとの事です。
私も、この星の一般的な人の持つ魂のエネルギーの数百倍のエネルギーを保有しているそうですが、マスターは桁が違います。
さすがは、我が生涯の主です。
生み出して頂いた直後、マスターと色々な話をしました。
マスターは他の星で、一度その人生を終えているそうです。悲しく寂しい人生だったのだと、聞いていて感じました。
この星に生を受けたアルテアン家の皆様と、婚約者である御三方と、今度こそ幸せな人生を送りたいと仰いました。
もちろん、私が全力でサポートいたします。
ただ、この星での人生を終えられた後、神になり天界にて輪廻転生を見守るのだそうです。
是非、私もその天界に共に連れて行って欲しいと、マスターに迫ると、「わかったよ」と、笑っておられました。
本気ですからね、マスター。是非是非、お願いいたします。
コルネリア様にお仕えする為に、マスターの実家へと赴き、マスターの御両親とコルネリア様にご挨拶いたしました。
初めてお逢いしたコルネリア様は、さすがマスターの妹御様です。
お父上譲りの、赤味がかった金髪と琥珀色の大きな瞳、お母さま譲りの整った高い鼻筋と唇が可愛らしい、将来間違いなく美人になる事間違いない、可愛らしい少女でした。
マスターに事前に説明を受けていましたが、コルネリア様専用装備が渡されると、颯爽と変身をしておりました。
お屋敷の皆様もとても喜んでおられました。
私はコルネリア様を守護しつつ、この装備の使い方をご教授する事はもちろんですが、このアルテアン家、ひいてはこの領地を護るための妖精を指揮する事が使命です。
マスターがお屋敷の裏に撒いた生命の樹が、一夜にして成長してくれたおかげで、配下の妖精をすぐにでも生み出す事が出来そうです。
マスターが、婚約者様方専用である特殊な妖精をすぐに3人生み出されました。
私より多少劣るとはいえ、一般的な妖精と比較にならない性能を秘めた妖精だそうで、私と即座にリンクが形成されました。
リンクを利用して特殊な妖精達の能力を調べた所、私の全能力の70%程度の性能の様です。
ですので、直ちにマスターの持つ格闘術のインストール及び肉体の最適化もスムーズに行われました。
しかし、マスターの知識にあった〇麗という方の回転〇鶴脚蹴は、なぜ逆立ちしたまま回転して飛んで蹴るのでしょうか…あまり効果的な攻撃方法とも思えないのですが…しかし、気〇掌は私好みの技です。
結界を掌の形にして打ち出す事で、結界を攻撃に転用する事が出来るなんて、マスターの知識は凄すぎます…
え? ちょっと違う? そうなんですか? でも似た様な技だと…理解しました。
生れて出でてまだ幾ばくも日が経って居ない私ですが、結界は護るための物であると思っておりましたが、固定概念にとらわれてはいけないという実例をまざまざと見せつけられました。
マスターの前世の知識と経験は、きっと私達妖精族の性能を限界まで引き出してくれることでしょう。
この先が楽しみでなりません。
ところで、ボケとツッコミはやはりマスターとの会話では必須ですよね。
サラとの楽しそうな念話には嫉妬してしまいます。早急に吉〇の精神を学ばねばなりません。
そんな尊敬し敬愛してやまないマスターに、一言だけ申し上げたい。
シスコンも過ぎると嫌われますので、ご注意くださいませ。
* 2日に1度の投稿予約をしておりますので、次回は17日になります。
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