第四章 色々と加速中!

第112話  黒い歴史

 恐怖の大王への備えを万全にするために、色々と手を出してみたが、やはり俺自身のレベルアップが必須だろ。

 とうとう誕生日がきて、俺も14歳になったわけだし。

 14歳と言えば、日本では中学二年生ってところか。

 まだまだ身体は子供のままだな……最近、腹筋が割れてきたけど。


『厨二病……』

 ちょっと待とうか、サラ。それは言ってはイケない。

『大河さんの黒歴史を発掘してみましょうか?』

 ヤメロー! あ、あれは俺の心の奥底に厳重に封印したんだ! あれを解き放つのはヤメテケレー!

『空手道場で新技開発と言いつつ、サマーソ〇トキックを盛大に空振りし、後頭部から床に……』

 ヤメレー!

『唯一の救いは、技名を叫ばなかった事ですね。叫んでたら色々とバレてましたね』

 ソウデスネ……。

『確か、あの時名乗っていたのは、混沌と自由を司る12神族の1人、終焉の神シャイニング・レトマって名前で、必殺技を放つ時のセリフは…覚醒せよ! 暴走する斬撃シャイニング・エンペラー・アロー! …でしたね』

 ええ、間違いございません……。

『今世では、 轟く無限の正義の力、ホーリー・マキシマム とでも名乗りますか?』

 謹んでお断りさせてください……マジ、勘弁してくれーーーー!!


 ▲


 ところで、俺が来年15歳なので、メリル、ミルシェとは年齢的に来年にでも結婚出来る(現在 メリル14歳、ミルシェ15歳)のだが、ミレーラが俺の1歳下なので、1人だけ別に式を挙げる事になる。しかし、それは余りにも無駄。

 そこで4人で相談した結果、結婚式も入籍もミレーラが15歳になったその日に挙げる事にした。

 両親、国王様、共に事情を説明したが、特に反対はされなかったので、式の準備は2年弱かけてしようと思う。


 そうそう、婚約発表会(?)は、王城では特にしない事になったらしい。

 大々的にやるっていってたのに、何でだろって思ってたら、結婚式を王城で行うように指示された。

 隣国の姫巫女だったミレーラの関係者が、時間的な問題で婚約披露に立ち合えないらしく、それなら結婚式だけでもいいんじゃね?的なノリで発表会はお流れになったんだと。いいのか、それで?

 まあ、事前に王城にて、俺と父さんの昇爵を行ってからの結婚式になるそうなんで、ついでにその時に議会も開催って事で、結婚式に参列してくれる方々の負担が出来るだけ軽くなるようにとの配慮もあるんだと思う。

 何度何度もクソ遠い王都に行けないからな、俺達だって。

 て事で、王城で結婚式をして、その後にネスの前でもう一回結婚式をやろうという事になった。2回もするのはどうかとも思うんだが、3人と結婚するんだから、式が3回だっておかしくないんだから、まあいっか。


 婚約者~ずは、楽しそうにウェディングドレスやパーティードレスの仕立てや、招待客やゲスト選び、人数調整など、日々細かい打ち合わせを繰り返していて余念が無い。早めに日時を招待客やゲストに知らせないと、この世界の通信手段、交通手段だと間に合わなくなるからね。

 王城での結婚式はきちんと正式な流れで行うので参列者は基本的に貴民・勲民と招待客となる様だが、ネスの前で行う結婚式は、まあ嫁の披露の意味合いが強いから、領民にも見せたいなあ。


 俺の領での式に関しては、事前に相談してくれたら、金の事など一切気にせず好きな様にプランニングしていいと婚約者~ずに言ったら、狂喜乱舞してたけど、何をする気なんだろ。まあ、花嫁って女性にとって一生に一度(でない人もいるけど)の大イベントだから、好きにさせてあげよう。逆らうと怖いし……。


 そうだ! この国の結婚式は、立会人の下で結婚の宣誓をした後、披露宴に似たパーティーをするだけなんだけど、もう地球式のチャペルでの結婚式をやっちゃおう!

 せっかくネス様が目の前に居るんだから、利用しない手は無いだろ? チャペルも作っちゃうぞ!

 この星でゼ〇シィで特集されそうな式場とプランニングをしても良いかもしれない! 新たなブライダル・ビジネスでウハウハな予感がする……ぐふふふ……。


 もちろんチャペルや披露宴会場の建築は公共事業として行おう。

 領主が金を溜めこんでいては、経済が滞る。適度に使ってこそ、活発な経済活動が起きるってものだ。

 まあ無駄に使う気も無いが、金は腐る程ある! それに、投資分を回収する方法なんて幾らでもあるんだからさ。

 チャペル案を聞いた婚約者~ずは、最初何の事か良く分ってなかったみたいだが、図にして説明すると、強烈に進める様に言われた。

 分かりました、もちろん実現させましょう!

 

 でもさ、楽しみばかりでもないんだよね。

 先にも言ったけど、恐怖の大王の来襲時期が不明なのが不気味だ。

 まだ俺自身の対策が完璧とは言い難い。

 基礎体力自体は付いてきてると思うんだが、まだまだ足りない気がする。

 敵の正体が不明なんだから、取れる対策も限られてるのは分かってる。

 でもなあ……。


『『『マスター。若奥様の守護はお任せください。マスターは思うまま存分に動いていただいて大丈夫です』』』

 ありゃ? アーフェン、アーデ、アームの3人にも心配かけちゃったかな? ごめんね。

 分ったよ、俺が出来る事をXデーまで精一杯やるから、護りは任せた。

『『『はい!』』』

 

 よっしゃ、やるぞー! まずは、心を落ち着けて……。

 我が心 すでに空なり 空なればゆえに無……。

『大河さん、全然無じゃないですね……ブラックエ〇ジェルズなんて、もう誰も覚えてませんよ?』

 う、うるしゃい!

『〇空暗剣殺とか秘灸〇剣殺とか、自転車のスポークをピキーン! って抜いてやる気ですか?』

 あうあう……好きだったんだもん。本当にスポーク尖らせた事あるんだもん……。

『厨二病乙』

 …………。

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