第65話 祝・開通!
祝トンネル開通! って事で、これから領地開発も加速するはずだ。
頑張ってくれた精霊さんへの、お礼とお食事タイムにむちゃくちゃ時間かかった。
わくわくの未来を想像しながら、ちょっと遅い時間だけど全員一致で今日は家に戻る事になりました。
持ってきた細々した荷物は別にいらないので、置いておくと痛んじゃう食べ物だけは馬に括り付けてトンネルへGO!
トンネル内は、当然ながら真っ暗。
なので火の精霊さんにお願いして、俺達一行の周囲に火を焚いて貰ったけど……安っぽい火の玉みたいになった。
まあ見えれば問題ない。
トンネルの床面も壁面も凄く滑らかで、火の玉の光を反射して結構明るい。
壁はいいけど、ちょっと床は滑るな。
今度、土の精霊さんに滑り止め加工を教えて施工してもらおう。
みんな、へ~! ほ~! と、あちこち見て感心してるみたいだけど……ただの壁と床だよ?
人の歩く速さよりも、ちょこっと早いぐらいで馬を進める。
カッポカッポという馬の足音がトンネル内に響いて面白い。
それでも時速6~7kmぐらいかな。
1時間ちょっとでトンネルを抜けて、父さんの領地の森の中に出た。
山の影でもう辺りは暗くなり始めてたけど、これだけ早く移動できるなら通行料取っても大丈夫だよね。
トンネルの出口からダンジョンへの道までそこまで離れてなかったので、道の敷設も難しくない感じだな。
これで父さんの領地から俺の領地への交通の便は、大幅に向上だ!
すっかり忘れてたけど、トンネル内と街道開発が完成するまでに獣がトンネルに棲み付かない様、出入り口は封鎖しなきゃ。
土の精霊さん、向こうとこっちのトンネルの出口、ちょっと塞いでおいてもらえる?
うん、そんなに頑丈じゃなくていいから、お願いね。
「トールヴァルド、すごいなこのトンネルは!」
「あとはお父さんの領地の方で馬車が通れる道を作ってもらわないと駄目だけどね」
喜んでるとこ悪いけど、運用するには父さんも頑張ってもらわなきゃいけないんだからね。
「ああ、もちろんだ。すぐに取り掛かろう!」
おっと、やる気満々ですな。
「これでトールヴァルドの領との距離がぐっと近づくぞ!お前の計画通りだな!」
「うん。トンネル内と僕の領地の方の整備は任せて。お父さんは、ダンジョンへの道からトンネルまでの道の施工をお願い」
トンネルの改装は、魔道具を発注するべ。
俺以外の人間でもメンテナンスが出来る様にしないとね。
魔石はダンジョンが目の前なんで、格安原価で仕入れ出来るし供給量にも不安は全く無い。
「それじゃ帰るか」
父さんの言葉で、俺達一行は家に向かって再び移動を始めた。
帰りの道中コルネちゃんとミルシェちゃんが楽しそうに話してるけど、内容が不穏だ……。
俺の家に住むのが楽しみだとか、引っ越しは何時にするだとか、色々と君たちおかしいから。
百歩譲ってミルシェちゃんが俺の家でメイドをしてくれるのはいい。
もちろんすぐには無理だぞ……父さんの家のメイドが居なくなるから、新規採用してからだからね。
どうせサラだけでは何もできないだろうし、何よりサラの暴走からの防波堤になれるのはミルシェちゃんだけだから、俺の領地に来るのは良しとしよう。
だがコルネちゃんは、どう考えてもだめだろう。
まあ別荘代わりに使うぐらいは問題ないし遊びに来るぐらいなら歓迎もするが、住んだりしたら父さんと母さんが泣くぞ?
仕方ない、あの眺めの良い3階の部屋はコルネちゃん専用のお泊り部屋にするべか。
家に着く頃には、もうすっかり夜になっていた。
さすがに今日は皆疲れてるので、さくっとご飯とお風呂に入ってお休みとなった。
父さんとの今後の開発に関するお話はまた明日。
俺の領地から父さんの家まで2時間もかかってないから、トンネルでかなりの時短が出来てる。
トンネル通行に関するルールも整備しなくちゃね。
さあ、ここからの開発は、ガチャ玉と人海戦術で一気に進めるぞ!
ここで俺の資産を全部投入してやるんだ!
『これで無一文ですね。でも安心してください……見捨てませんよ!』
いや、見捨てても良いけど?
『またまた~! 本当は傍に居て欲しいくせに~』
いや、割とマジで。
『ええ、ええ、分かってますとも。私の純粋な愛情に照れてるんですよね』
お前にあるのは、煩悩まみれの性欲だろ?
『憎まれ口を聞いても、お姉さんにはわかっちゃうんだぞ♥』
最近、ミルシェちゃんにも胸のサイズで負けそうなサラがお姉さん? ……ぷっ!
『きーーー! まだ負けてません! 嘘だと思うなら触って確かめてください! さあ! さあさあ!』
慎み深いサラの胸だけは、謹んで遠慮します。
『うわーーーーーーーーん!!』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます