十一巻
第111話
我が一族はかの有名人の安倍の一族とは、それはかなりの遠縁だ。
我が一族で唯一名を馳せた正二位と呼ばれる祖先が、かの有名人の縁の者であったらしいが、其処の処が判然としない様な、そんな曖昧な縁者であったらしいとしか言えない様な遠縁だ。
だが奇才の安倍家有名人程ではないが、不思議なもの達との繋がりを、幼い頃から持てる事で、かろうじて安倍の一族に属している様な一族で、かつて正二位迄出世した正二位が存在するから、一括りに安倍一族の端っこに居られる一族だ。だから正二位迄上り詰めた祖先から、然程時を経ずにどんどんと官位が下がっていっても、
もともと陰陽師は、
当初我が国特有の神々の神祇祭を掌る神祇官が、
そして超越した能力者であった有名人によって、それ等が絶対的な物であると証明され、宮中の中での確固たる地位を築き上げ、
正二位の功績などは大して公には遺されていないが、かのお妃様にその才を見出され、それは重宝に使って頂いた様だが、それよりも大神の御寵愛
朱明はもはや正二位から比べれば、凋落したとしか思えない我が一族ゆえに、そんな過去の栄光にすがるのは恥の様に思って生きて来た。
もしも父が存命であったならば、違う指針を示してくれていたかもしれないが、残念ながら父は朱明がまだ幼い頃に亡くなってしまっていた。
それでも父は正二位の
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