第194話
皇后様はその嘴の黄色い雛の頃、ほんのちょっとだけ少年姿で屋敷に居た事がある。……と言っても、現世のそれなりの身分の姫や乙女は、近しい身内以外の男性にはその姿を見せない。それを窮屈とされた皇后様は、何と未だ雌雄を主上に決めてもらわねば、どちらともならぬ身であられたので、自由がきき動きやすい格好のできる、男姿で過ごされたのだが、可憐でお可愛らしいお方ゆえ美少年としか見えなかったのである。
「……さても陰陽助……そなたの妹御とは面識は無いが、そなたは私の縁者ゆえ妹も縁者となる、ならば変な
皇后様は美少年の様であられたが、童子ではなかった為に妹とは面識は無いが、それでもそう御簾越しに言われた。
「それは、有り難き幸せにございます」
朱明が深く頭を下げた。
「……で?その者は如何様な体なのだ?」
「……それはまだ……」
中津國の貴族の若者の恋愛事情は、まずは文の遣り取りから始まり、互いの教養とか趣向とかをそれで探り合う。
大体男の方はいろいろな情報網を駆使して、
「……で?妹は如何なのだ?」
「
「何と?何を申すか?その男が気に入らねば、私が国中の
何故か物凄く、力を入れて言われてしまった。
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