第189話
朱明が、今上帝から呼び出され参内した。
朱明は有り難くも御簾越しではなく、直に今上帝と対面を許されているが、それは未だ皇后様が〝雛〟と御呼ばれの頃に、御忍びの今上帝が〝雛〟と御呼ばれの皇后様会いたさの、対面であったから今生の宝としようと思った程で、二度と対面を許される事は無いと思っていた。
ところが今上帝がお抱きの青龍が目覚め、行き方知れずの皇后様の気配が、御消えになられた事を感じ取られた今上帝は、皇后様を他国の妖狐退治に
だが此度はちゃんと資格を頂き……そこもちょっと奇しいのだが……。
清涼殿の簀子に座して、御簾に向かって頭を下げた。
すると日中今上帝がお過ごしの
「此度は大義であったな」
伊織を通してお言葉を頂けるかと思っていたら、やはり直にお言葉を頂いた。
「恐悦至極にございます」
これは途轍もなく名誉な事だ、深々と頭を垂れる。
実は今回お召し頂いた折に、朱明はどうしても確認したい事があった。
それは青龍を真実眠らせられたか、それを自身で確認できるのか?
それを知りたいと思っていたのだ。
未だに朱明は、己の力に自信が無いから、青龍が眠ったはずの今上帝を如何に感ずるか?それが気になっている。
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