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カシャっ
俺達が裸で布団をかぶっているとカメラのシャッター音がした。俺は流石に周りを見渡すと彼女がスマホを持って俺達の今の光景を撮っていた。俺達の今の光景とは、まあ、察しのとおり行為を行った後だ。
「なにやってんの?」
「これからインスラにあげようと思って」
「おい、流石にこの状態の写真が流出するのはまずいって」
「え、やっぱりそうかな?でも、私達がラブラブなの見てもらおうよ」
「お姉さんに言われたこと覚えてないの。俺と同棲するようになってからやたらとインスラあげるようになったって。しかも、9割は俺とのツーショット写真だって」
彼女のアカウントに興味も示さす、聞かなかった俺も悪いけどよ。これはびっくりだよ。写真は撮ってるなとは思ってたけど。おかげでいろんなやつからより一層連絡がきた。俺も彼女もめんどくさくなって、今俺達2人は付き合っていて同棲しているとだけの情報は伝えた。実際真実だしこれで収まって欲しい。だが、その後のことを野郎どもは突っ込んでくる奴がいる。毎日やりまくりかとか。実際はやりまくりなのだからこそ伏せたけどな。まあ、どうせずっとは隠してあげないからな。あと、彼女は俺と会ってからアホになってないかと最近思っている。フィクションの世界じゃないんだから。どっかの恋愛頭脳戦の方と違うんだから。いや、これが世間的にいう恋は盲目というやつなのかもしれない。これは彼女だけでなく俺にも当てはまっていることだろうな。彼女の行動に問題があるような書き方をしてきたがそんなことはないと思う。俺が少し慎重に考えすぎているのかもしれない。まあ、状況的に慎重に考えたくもなる。彼女のお腹にはすでに赤ちゃんがいる可能性が高いのだから。他のことだけなら別になんともないが、もし彼女が妊娠したら俺達には責任が伴ってくる。これは俺達にとってのこれからを左右しかねない事案だからな。
「さっきの写真あげたよー」
「何馬鹿なことやってんだよ。これじゃ俺が完全にやりまくってるみたいに見えるじゃねーか」
「んー?だって本当のことじゃん。それより最近私に対しての口調が雑になってきてるよ」
「あっちょっと乱暴的だった。訂正する」
俺は今、こんな何気ないやり取りがとても幸せだと感じている。
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