イシャーの娘

作者 イトリトーコ

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★★★ Excellent!!!

作品紹介に書かれている通りに「創世記のB面」なんですが、B面というだけで終わらず「新しい創世記」と呼ぶ事が出来る作品。
アダムが楽園から追放された時に抜き取られた肋骨から作られたイシャー。彼女自身がエバのB面と呼べる存在で、イシャーの娘達は聖書の主なシーンに現れては消えていき、伴侶を得ようとしては失敗し、やがてイシャーの娘同士で補完する様になり、果てには神の手からも独り立ちをして先へと至る。
完全に神話です。女の子だけで世界を完結させる素晴らしい神話です。塔を建てましょう。キマシタワーを。
全てが神の御心のままというのも正しく聖書という感じがしました。神ってこういう所ありますよね。

★★★ Excellent!!!

 アダムとかエバとか禁断の実とかのいろいろと、そこに関わる〝イシャーの娘〟のお話。
 ものすごく有名な聖典の、パロディあるいはオマージュもしくはパスティーシュ的なお話です。こういうのはなんて呼ぶのでしょう? こういうのも二次創作という呼び方でいいんでしょうか。
 お恥ずかしながら原典をほとんど知らず、またそんな人間が自分なりの解釈であれこれ言うのは相応しくない題材だと思うので、内容については触れません。
 読みやすく綺麗な文章が魅力的でした。淡々と、どこか突き放したような文章の、でもそこから想起される情景の豊かさ。何が起こっているのか想像しやすいというか、文字を読む面でも脳内で再構築する段においても、なにひとつひっかかるところがない。絵面のインパクトや設定の強力さなどで惹きつけるのとは違う、この自然な乗せ方が心地良かったです。

★★★ Excellent!!!

神は、アダムの鋤骨からイブを作った。

それでは、なぜ、男の鋤骨の数は奇数ではないのか?
アダムの子らは、誰と結ばれたのか?

それに対する答えが、本作『イシャーの娘』です。

イブを作った鎖骨の対となる骨から作られた、もうひとりの女『イシャー』。

初期キリスト協会によって異端とされた福音書が発見されたような、聖書の裏側の物語が綴られます。

アダムの子孫たちと、イシャーの娘たちが紡ぎだす世界。

神話のような、預言書のような、不思議な作品でした。

★★★ Excellent!!!

めっちゃよかった…
いや、めっちゃ好きなやつだろうなって予想はしてたけどめっちゃよかったよ…

聖書を基に物語を構築しようとすると誰しも慎重になってしまいそうなものだけれど、トリちゃんの自由奔放なイマジネーションは聖書も鳥籠の中の遊び場にしてしまう。発想がすごいんだけどちゃんと積み重ねがあるからこその着想だし、それを体現できる体幹がトリちゃんにはがっちり備わってる。すごいよかった。