彼氏が欲しい
私って……。
ネコさんと知り合ってから、色々な付き合いが生まれた。
既婚者特有の付き合いである。
旦那様を紹介してもらったり、娘さんのお遊戯会の動画を見せてもらったり。
ネコさんは、独身時代相当なオタクだったらしい。私と知り合った当時はハガレンが大好きだった。
娘もいるから、今はこのくらいしか見る暇がない、と言っていた。
家族仲がよく、父は元ペットショップ経営、姉夫婦も同じ一戸建てに住んでおり、休日には全員でショッピングをするという。
家庭内がボロボロだった私は、ようやく『結婚』というものに興味が出だした。
ネコさんは三十五歳。
ネコさんが結婚したのは三十歳のとき。
それまでの旦那様との交際期間が三年。
交際までかかった年数が四年。
あれ、私、そろそろ動かないとまずい!?
この時、私は25歳寸前である。
彼氏って、懐かしい響きだな。
21でメンヘラオフ会に行ったあたり以来、ずっと男とニャンニャンしてない!
まずくねぇ?
25歳でまだゴスロリとかやってんの。
しかも、生活能力なし。
気も利かず、女子力もない。
オタク。
両生類好きで、メンヘラ。
趣味はスプラッタ映画と猟奇事件探し。
生魚の、特に秋刀魚の見た目に性的に興奮する。
百歩譲って似たような男性と出会ってもバッドエンドか、お金に困るような生活しか思い浮かばん。
だが一生こんな生活はしていられない。
缶ジュースオフ会でしくしく泣き出したオジサンが頭を過ぎる。
いや、大丈夫!
私はモテるしな!
だが、そんな考えは甘いのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます