第56話 よく分からない気持ち
プールに行ってから一日が経った。
私こと林ねねはベッドに横たわり心のもやもやを感じていた。
昨日のプールから私の心はおかしい。何故かもやもやして落ち着かない。
「どうでもいいじゃん、ぼっち先輩なんか」
昨日のぼっち先輩を見ていると何故かムカッとした。別に何かをされたわけでもないのに。ただ見ているだけでムカッとする。
何でこんなに怒ってしまうんだろう。
そんなことを考えているものの、何でムカッとするかなんて実は分かっている。
ただそれを認めたくないがために違うことを考え気を紛らわせようと思った。
「好きなのかな......」
私の口からそんな言葉が漏れ出てくる。
私はどうしてもそれを認めたくない。けど認めないといけない。
あんなぼっちで気が短い男を好きになったことを。
そんなぼっち先輩だけどあの時はかっこよかった。私を犯していた男をボコボコにぶっ倒してくれた時は何故か私だけのぼっち先輩になった気がした。
私にとってヒーローだった。
恐らくその時からかもしれない。ぼっち先輩を意識し始めたのは。
けど今まで散々酷いことを言ってきて今更何なのよ。笑わせんな。自分が恥ずかしくなる。
助けてもらったお礼もたった「ありがとう」の言葉だけでしか伝えられてないじゃないか。
けどもし、もう一度やり直すことが許されるのなら、今までやって来たことをしっかり反省してぼっち先輩に猛烈なアタックをし、私の気持ちに気づいてもらいたいな。
そうするためにはやはり日頃の行いを見直すことが必要だ。
見直してぼっち先輩にも認められてようやくスタートラインに立てる。
しかしスタートラインに立てたからと言って必ずしもぼっち先輩が振り向いてくれるとは限らない。
だってもう分かってるんだ......。
「がんばろ」
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