第195話 ユーカさんのご実家
「んん~、着いた~!」
マサミさんは伸びをなさりながら駅の外へ。今日は天気も良く、雲一つない晴天とはまさにこの事なのです!
「たしか、バスはこのあたりから……」
「……ハルお姉ちゃん、あれのことじゃ?」
ワカナちゃんの指さす方には、私たちの行く方面に出ているバスでした!さすがはワカナちゃんです!
「ワカナちゃん、ありがとうございます!皆さん、あれです!あのバスで移動するのですよ!」
私たちはバスへと乗り込み、無事に予定通りの時刻に発車する便に乗ることができたのでした。
「ハル、ここからは50分ぐらいだったか」
「そうです、ちょうど11時に着くので、分かりやすいです」
「分かった。ありがとな」
「いえいえ」
私たちはその後小一時間ほど話に花を咲かせ、11時ちょうどにバスを降りました。バス停も海沿いで、ほんの数十メートル先には海が広がっていました。
「お、みんな無事に着いたようで何より」
「あ、テツさん!それにユーカさんも!」
爽やかな笑顔と共に走って来られるのはテツさん。そしてその後ろには少しあきれ顔のユーカさんが続いて来られます。
「みんな、長旅ご苦労様。ここからはユーカの家の車に乗ってもらうから」
そこには旅館の名前らしきものが記されており、話を聞いてみればユーカさんのご実家が運営されている旅館のマイクロバスだそうです。わざわざ送迎用のマイクロバスで迎えに来てくださるとは……!
そうしてユーカさんのご実家である旅館には10分ほどの移動で到着。窓の外に映るのは、絵から切り抜いたような、ザ・旅館といった感じの歴史を感じる建物でした。
「みんなに泊まってもらうのは、本館じゃなくてこっちになるんだ」
お客様用の建物の側にある木造の建物。つまり、離れになるわけですが……なんと二階建てなのです!
「ユーカさん、こんな二階建ての離れ、私たちが使ってしまっても大丈夫なのですか……?」
「ああ、母さ……女将からも許可は貰っている」
そうしてユーカさんに案内されるまま入った離れは私たちには分不相応なほどにキレイで、高級感の漂うお部屋なのでした。
「左にあるのが居間で、反対の右側にはお手洗いがある。それで、この壁の向こうが洗面室に脱衣所、そして露天風呂だ」
まさかの一階には露天風呂……!しかも、居間もとても広く、¥これなら6人でもくつろげそうです!ユーカさんいわく、広さは16畳あるとのこと。
「それで、この居間の奥にある階段を上がって……」
ユーカさんはスタスタと二階へと上がっていかれます。そうです。これだけ広いのにまだ二階にもお部屋があるなど、広すぎです……!
……こんな豪華なお部屋、もう死ぬまで泊まることがないかもしれません。そんなことをユーカさんに案内される中で感じてしまう私なのでした……
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