第181話 あの時の襲撃者さん
「むっ、君は……?」
背後からの聞き覚えのない声。私が驚いて後ろを振り返ると、そこには前回の第10回イベントで私たちを襲ったフードをかぶっていた女性のプレイヤーさんが!
特徴的な大鎌にキツネ耳。そして、黒髪ショートの髪型。これは間違いなく、私たちと交戦した女性プレイヤーです!まさか、今回も戦いが目的で……!
「ああ、警戒しなくていい。ボクはキミに頼みたいことがあって来たんだ」
「た、頼みたいこと……ですか?」
私が右手を回治の剣に手をかけたことで、私が警戒していることが伝わったようで、そんな動きにストップがかかりました。ここは女性プレイヤーさんを信じて、話を聞くことにしましょう……!
「武器から手を放してくれたこと、感謝する。だが、その話はもうひと踏ん張りしてからでもいいだろうか」
私が女性プレイヤーさんの向く先、つまり私の背後を見ると、またしても大量のモンスターが!
「それでは、このモンスターの群れをやっつけたら、お話を聞かせてもらいますよ!」
「ああ、ここは共闘といこう!」
私は群れの右側、大鎌の女性プレイヤーさんに左側をお願いし、モンスターを魔法などを使いながら順調に数を減らしていきました。私は使い慣れた氷魔法を使っているのに対して、女性プレイヤーの方は1つとして攻撃魔法を使っておられないご様子でした。
ともあれ、10分ほどの戦闘でまたしても大量にポイントをゲットすることができ、結果的にはラッキーだったのです!そして、約束通り女性プレイヤーさんの話を聞くことになりました。
「えっと、私に声をかけてくださったのはどうしてなのでしょうか……?」
「それはキミたちのクランにボクを入れてもらえないか、頼もうと思ったんだ」
……まさかのクラン加入希望者でした。で、ですが、一体なぜこの場で……!
「ああ、どうしてこの状況でって顔をしてるね。それは……」
「ま、待ってください!どうして私が考えていることがお分かりに……!?」
「顔に全部出てるからさ。分かりやすいって他の人に言われたことはないのかい?」
「あ、あります……!」
……主にカズさんに。やはり、私は顔に思っていることが出てしまうようなのです。私としても気をつけているつもりなのですが……
「それで本題に戻すけど、ボクは前回キミたちのクランを襲撃した。まぁ、結果は撃退されてしまったんだけど。でも、あれだけの連携のとれるクランには初めて出会った。ちょうど、その前に襲った光炎の女王とは大違いだ。あれは戦っていて気分が悪かった」
私たちと戦う前にアヤさんたちのクランも襲撃していたとは驚きです。とはいえ、それがどうして私たちのクランに加入したいという理由になるのかまでは分からずじまいなのでした……
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