第180話 第11回イベント、開始です!

「それではみなさん!健闘を祈ります!」


 ついに第11回イベントが開始されました!私たちは開始早々、別々の場所へとワープしていきました。


 私が飛ばされたのはグランドキャニオンに飛ばされてしまったのかと思ってしまうほどの峡谷地帯でした。そんな峡谷地帯の見晴らしのいい崖の上に私は立っていました。


 私が崖下を見下ろすと、見ていて気分が悪くなるほどの数のモンスターがうごめいていました。それに、モンスターがゴマ粒のように見えるほどの高さの場所に居るというだけで、私としては怖くて足が震えてきます……!


 ですが、こんなところでうずくまっていてばかりでは、『氷愛の剣』クランマスターとして情けないです!ここは踏ん張るのですよ、ハル!


 私は意を決して、崖下へと続く滑り台を氷魔法で作り出し、一気にそこを滑り降りることにしました。どうして滑り台なのかと言われれば、階段などで降りていては時間がかかりすぎてしまうからなのです!


 そう、ここは少しでも早く、一匹でも多くの魔物を倒さなければなりません!ですので、滑り台にしたのですよ!


 そうして氷の滑り台を滑り降りていくと、落下している時よりはマシにせよ、あまりの速さで落下していっているこの状況に何度も意識を飛ばしそうになりました……!


 ですが、地面までは45度ほどの角度の滑り台にしましたが、下に着くと100メートルほど地面と平行にしておいたのです。そして、地味に上に逸らせておくことで、少しだけ勢いを落とすことができるのです。


 そうして、目論見通りに宙を舞い、その間に氷魔法を最大出力にして地上にいるモンスターさんたちへ向けて放出しました!これにはさすがのモンスターさんたちも驚いたらしく、避けることも出来ずに氷漬けになっておられました。大成功です!


 そこからは氷漬けになりながらも体力ゲージの残っているモンスターを氷ごと壊して、倒すという工程に移り、無事に崖下にいたモンスターたちを一層することができたのでした。


 私は持ち前の敏捷の高さを活かして地上を走って移動し、出会うモンスターを片っ端から斬っていくことでポイントを稼ぎました。こうしてモンスターを倒していくうちに、何人ものプレイヤーの方々とすれ違いましたが、皆さん私が次々とモンスターを屠っていくことに驚いておられるようでした。


 ともあれ、そうして得意の高速戦闘でモンスターをドンドン倒していくこと1時間ほど。それまたあっさりと第11回イベントは終わりを迎えてしまったのでした……!


 こうして見ると、ソロでのイベントが味気なく思えてなりません。やはり、イベントは皆さんと一緒がいいのです!


「むっ、君は……?」


 そんなことを思っていると、後ろから聞き覚えのない声が耳に届いたのでした。

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