第157話 まずはタコパです!

 私たちが部屋に入って20分ほどが経った頃。ようやくたこ焼きが仕上がりました!


「ハル、一回で何個作れるんだ?」


「これは30個です!やはりこれだけの人数が集まるとなれば、かなりの個数が必要だと思いまして……!」


「ちなみに、材料的にはもう一回できますよ」


「なので、60個を8人で食べる計算になります」


 私は4個を6皿、3個を2皿という感じで30個のたこ焼きを分け、どれでも好きなモノを取るようにお願いしました。


「あっ、ハル!アタシとユーカはその3個のヤツをお願い!」


「はいなのです!すぐにお持ちするのですよ!」


「ハル、近いしオレが持っていくよ」


 テツさんはニッコリ笑顔でユーカさんとマサミさんのところへとたこ焼きを持っていってくださいました。


「ハルさんのたこ焼き、おいしい……!」


「それは良かったのです。今日のは上手くクルッとやれたので、形的にも良い仕上がりになってますから」


「ハルさん、このひっくり返すの上手ですよね……!」


「それは昔にお母さんからコツを教えてもらったのですよ」


 そうなのです。昔、私が上手くたこ焼きをクルッとできなかった時に、お母さんが色々と教えてくれました。今では懐かしい思い出ですが。


 にしても、マサルさんとワカナちゃんが美味しそうにパクパクと食べておられるのを見て、作った私としては嬉しい気持ちでいっぱいになります。


「ボク、前に姉さんが作ったたこ焼きを食べたけど、形が崩れてて食べにくかった」


「ああ、そういえば前に食べたけど、食べにくかったなぁ。味は良かったけど」


 マサルさんがマサミさんのたこ焼きの感想を述べると、ケースケさんも便乗して色々と言っておられましたが、味は良かったようで安心したのです。


「ちょっと!そこの2人~!アタシのたこ焼きに文句言うんだったら、次から自分でひっくり返してよね!」


 キッチンからマサミさんのお声が。それを聞いたおふたりがすぐに頭を下げておられるのは、クスッと笑ってしまいました。


 そうしてたこ焼きを食べ終わった頃。キッチンからカレーのイイ匂いが鼻をくすぐるのでした。


「もうすぐでカレーできるってさ」


 そんな時、テツさんが私たちの方へと戻って来られたのでした。私はたこ焼きの2周目が出来上がったタイミングでしたので、盛りつけようか迷いましたが、結局盛り付ける形に。


「みんな!カレーできたよ!」


 マサミさんがそう言ってカレーを二つ、テーブルへと運んできたのでした。その後から左右の手に一つずつお皿を持ったユーカさんが。そんなおふたりを手伝いに、テツさんもテーブルとキッチンを往復したりと忙しそうなのでした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る