第108話 ケーキバイキング
ついに私たちはホテル『パラディ―ス』へと到着しました。
ホテルの中に入ると、真っ赤なじゅうたんが敷かれていて、その上を歩いて進んでいくのです。そして、ケーキバイキングの会場として通されたのは、私たち6人で使うにはいくらなんでも広すぎる部屋でした。
「ここでケーキバイキングか……!」
「……これはスゴイ」
ユーカさんとワカナちゃんは目を輝かせながら会場を見渡しておられました。ですが、そのお気持ちは私にも分かるような気がします。
そうして、私たちは席へと座り、二組に分かれてケーキを選びにいきました。
定番のイチゴのショートケーキはもちろん、ロールケーキにチョコケーキ、モンブラン。スフレチーズケーキまであり、どれから取るべきか迷います!
「ハル?どれにするか決めたのか?」
「いいえ、あまりにも種類が多すぎて迷っているのです」
「ああ、俺もだ。とりあえず、イチゴのショートケーキを1つ貰っておくか」
カズさんは迷われた末に、イチゴのショートケーキになさり、私はスフレチーズケーキにしました。また、ワカナちゃんはイチゴのショートケーキとチョコケーキ、ロールケーキにスフレチーズケーキといった4種類を取っていかれました。ワカナちゃん、ガチなのです……!
続く、茜ちゃんとユーカさん、テツさんも色々と選んでおられましたが、ユーカさんの量はワカナちゃんに負けず劣らずといった感じでした……
そのような感じで、ケーキバイキングはユーカさんとワカナちゃんの2人が驚くほど食べておられ、大食い選手権でもしているのかと思ってしまうほどでした。
私や茜ちゃん、テツさんは3つ食べたところで打ち止め、カズさんはそこからもう一つ食べられて、終了という形になりました。
「いやぁ、それにしても俺たち6人だけなのに、こんなホテルでケーキバイキングを堪能できるとは。SdnGの運営も頑張ってくれたらしい」
「そうですね、イベントの上位に入ったらこんなスイーツを食べられるなんて、夢にも思いませんでした」
テツさんと茜ちゃんがそのような会話をしておられるのですが、私も完全同意です。カズさんもうんうんと首を縦に振っておられたので、4人とも同意見のようでした。
どうして4人なのかといえば、ユーカさんとワカナちゃんは話も聞かずにケーキを頬張っておられるからに他なりません。
ですが、普段はキリッとしておられるユーカさんがスイーツを食べて頬が落ちそうなほどに表情がとろけておられるのは、見ていて微笑ましい気分になりました。
このケーキバイキングはお二人が幸せそうにケーキを食べているのを見るだけで、頑張った甲斐があります!
そのような楽しい時間はあっという間に過ぎ、ちょうど12時ごろに私たちはホテル『パラディ―ス』を後にしたのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます