第83話 本隊の到着です!
「ユーカ、久しぶり!ハルも!」
マサミさんは相変わらず元気な様子で、ニコリと笑顔を向けながら話しかけてくださいました。
ユーカさんの話では、私がアヤさんのパーティを追放された時には、2人とも止めようとしてくださったとのこと。でしたら……
「ハル、あの時はごめんね!アヤを止められなくて」
「いえ、おふたりが止めようとしてくださっただけでも、私は嬉しいです」
「……そっか。それなら良かった。アタシもずっとハルのこと、気になってたから」
「マサミさん……」
「あ~、スッキリした。それじゃあ、切り替えて戦いに移ろっか」
マサミさんは腰を低く落として短剣を構えられました。マサミさんは私が追放される以前は、爪を武器として使っておられたのですが、どうやら武器を短剣に変更なさったようです。
それはさておき、やはりマサミさんと戦うことは避けられそうにありません。
こちらは6人。対して、マサミさんはおひとりです。これではさすがに勝敗が……
「ハル、俺たちの負けだ。マサミの後ろを見ろ」
「後ろ……ですか?」
カズさんからそう言われ、マサミさんの後ろをじっと見てみますと、人影が動いていました。それも何十人も。
「ごめんね、ケースケが戦いだした時もアタシ、そこの木の上にいたんだ」
マサミさんはどうやら、ケースケさんと私たちが戦っている間に、アヤさんの元に戻って、応援を出してくれるように頼んだとのことでした。
「フッ、つまりマサミは応援が来るまでここでおしゃべりでもして、時間を稼いでいれば良かったというわけか」
ユーカさんは納得ぎみにおしゃっておられますが、『してやられた』と言いたそうな表情をしておられました。
「マサミ、時間稼ぎご苦労だったわ」
そんな声と共に姿を現したのは……アヤさんでした。
アヤさんは杖とローブといういでたちは変わっておられませんでした。ですが、なにやら覇気と言いましょうか?雰囲気のようなモノが明らかに違いました。
「マズいな、あの杖は……」
「……あの杖はヤバい」
「えっと、おふたりとも?あの杖は何かあるんですか?」
後ろの方でテツさんとワカナちゃんが『ヤバい』という声が聞こえました。それを聞いて、ルビアちゃんも動揺しているようです。
アヤさんが右手に持っておられる、金属製で素朴なデザインの杖に何かあるのでしょうか?もしかすると、先端にハマっている赤い宝玉がマズかったり……!
それに、以前とはローブも違っています。前は白色のローブでしたが、今のローブは赤い色が混じっています。それに、頭にはティアラなど付けておられませんでした……!
これはアヤさんの装備なども、警戒しておいた方がいいのでしょうか……?
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