第66話 鋼魔の巨人戦①
奥にいる巨大な存在。ごつごつな見た目からして強そうなのが伝わってきます……!
「みんな、ちょっと待って」
全員で戦いを挑もうと足を進めていると、ユーカさんからストップがかかりました。
「テツからのメッセージが来ていた。鋼魔の巨人の情報だ。みんなにも転送する」
ユーカさんがそう言って少し操作をした後、私たちの元にも情報が届きました。
―――――
鋼魔の巨人
体力:46000
力:2070
耐久:1725
敏捷:1150
魔耐:1610
攻撃パターン:『拳による物理攻撃』『HPが半分になると両拳を地面に叩きつけ、衝撃波による全体攻撃が加わる』
耐性:『氷魔法・風魔法・土魔法のダメージが4分の1』『炎魔法のダメージが2倍』
―――――
攻撃としては物理攻撃のみであれば、動きを見ていれば問題はなさそうです。ですが、HPが半分になってからの衝撃波攻撃には苦戦しそうです。
それと、氷魔法が効きづらいのであれば、私は魔法を使うのは控えた方が良さそうです。炎魔法に関しては使える方がいらっしゃらないのが、惜しまれるところではあります。
「……それじゃあ、ハルお姉ちゃんは魔法を使わずにひたすら剣で攻撃。ユーカさんは槍での攻撃をメインに、必要に応じて水魔法で攻撃。私は距離を取って弓と雷魔法で普段通り援護する。ルビアは敵の攻撃を回避しながら、回復に専念」
「はいなのです!ワカナちゃん!」
「ああ、分かった!」
「分かりました。皆さん、回復は任せてください……!」
ワカナちゃんからの具体的な指示のあった後、私たちは鋼魔の巨人との戦闘を開始しました。
「ハッ!」
パーティの中で一番敏捷の高い私がまず一撃を。狙ったのは、巨人の足下です!かなり良いのが入ったと思ったのですが、目視した限りでは減ったかどうかすら確認できませんでした。
ここは減っていると信じて、一度足下から離脱します。
「ハァッ!」
鋼魔の巨人の前で跳躍したユーカさんが槍での突きを胸部に叩き込みますが、少し減ったのが確認できる程度でした。いくらなんでも、守備力高すぎです!
「二人とも離れて!“
後方からワカナちゃんの雷魔法による広範囲攻撃が降り注ぎます。私とユーカさんは鋼魔の巨人の近くから離脱したので、巻き込まれずに済みました。
その攻撃で敵さんのHPゲージが5%ほどガクッと減ったのには驚きました。雷魔法でこれほどのダメージなのでしたら、弱点である炎魔法を撃ちこめば余裕ではないのか。そんなことも同時に思ってしまいました。
ですが、忘れてはなりません。ワカナちゃんの雷魔法は最近レベル10、つまりレベルマックスになったということです。これ以上の威力は魔力を高めるしかありません。
……要するに、ワカナちゃんだからこそ与えられたダメージということです!
このまま鋼魔の巨人戦を無事に切り抜けられる!そんな希望を見た私たちなのでした。
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