第21話 オフ会しないか?

 私たちは話し合って、今回のイベントは優勝するのはもう困難なため、今あるポイントを奪われないように守りに徹することに決断しました。


 その後は特に何事も無く、第7回イベントは終了しました。


 最終的に所持していたポイントは420P。


 順位は109位という形での幕引きになりました。


 正直、残念……でした。もっと上手にやれたのではないか。


 そんなことが頭の中をグルグルと回りました。確かにそこには後悔の念がありました。


 ですが、私的にはカズさんやワカナちゃんと楽しくイベントに参加できただけで物凄く幸せだったことも事実です。


 結果は残念な形に終わりましたが、楽しかったからそれで良いのです。


 でも、次はもっと良い結果になるように頑張るだけなのですよ!


「一位はヤスのところか……」


 私がうずくまっている隣で天に向かってカズさんが他のプレイヤーさんの名前?を口にしておられました。


 それを聞いたワカナちゃんも暗い顔をしておられました。


 もしかして、何かお辛いことでもあったんでしょうか……?


「カズさん、何か……」


「よし!」


 私がお声をかけようとしたところ、カズさんは何かを思い立ったように唐突に立ち上がられました。


「ハルってどこ住みだ?」


「ふえ!?」


 住み……というのは住所のことでしょうか……?


 でも、こういうことは余り教えない方が良いとも聞きますが……どうしたらいいのでしょうか?


「急に悪いな。いや、オフ会でもやらないかと思ってな」


 ……なるほど、オフカイですか。……そもそもオフカイとは何なのでしょう?


「あの、オフカイ……というものは何なのですか?」


 私の言葉にカズさんもワカナちゃんも一瞬だけですが、時間でも止まったかのように動かなくなってしまわれました。


 もしかして、私が要らぬことを申し上げたせいなのでは!?


「えっと、ハル。オフ会と言うのはだな、ネットを通じて知り合ったユーザー同士で、リアルでの会合のことだ」


 ……要するに実際にお二人と会うということでしょうか?


「えっと、お二人の住む場所と遠かった場合は出来ないのでは?」


「それでどこ住みかを聞いたんだが……」


 なるほど!納得したのです!


「えっと、私は大阪に住んでますよ。お二人は?」


「良かった、俺たちも大阪だ」


 その日はオフ会をすることが決まっただけで終わりました。詳しい日時は明日に決めるんだそうです。リアルで皆さんと会えるのかと思うとなんだか胸がワクワクするのです!

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