第8話 コボルトロード討伐

「大丈夫ですか!?」


 コボルトの群れの討伐が終わった私は慌てて大剣の方の所へ走り出しました。


「おう、大丈夫だ。それにしてもコボルトロードってのは意外と強いもんだな」


「……そう……ですね」


 私と大剣の人は獰猛な瞳をこちらに向けてくるコボルトロードとにらみ合いました。


「……二人とも大丈夫?」


 そこへワカナちゃんも駆け寄ってきました。


 そう言えば、あの大剣の方の名前を伺っていませんでした!


「あの……」


「マズい!攻撃が来るぞ!アンタもワカナも左右に散れ!」


 ワカナちゃんはその指示に従って瞬時に左方向へ走ってゆかれました。


 私は右方向へと全速力で走りました。


 私とワカナさんが離れた直後、コボルトロードは迷うことなく、四つ足で大剣の男性プレイヤーに突撃していきます!


「ぬおおおおおおお!」


 なんと、大剣の方は真正面からコボルトロードの突進を受け止めてしまわれました!


 のステータスが高い方なのでしょうか?


 それは後で聞いてみることにしましょう!


 今はコボルトロードを討伐する方が優先です!


 私はサーベルを抜いてコボルトロードの背後に回り込みました。


 コボルトロードは小回りこそ利きませんが、突進の速度はかなり早いのです。


 なので、こういう場合は足から狙っていくと良いとユーカさんに教えていただきました!


 私はその教えてもらった通りに右後ろ脚の足首にサーベルで斬りこみました。


「グガアアアッ!」


 コボルトロードはけたたましい声を上げながら暴れまわった。


 ……今のは逆効果だったのでしょうか?


『サンダーショット!』


 私とは反対側から雷の矢がコボルトロードを襲いました。


 これにはかなりのダメージがあったようでコボルトロードは仰け反りながら地面に倒れこみました。


「オラアアアアア!」


 大剣の方は倒れこんだコボルトロードに剣を突き刺して、バッサリと斬りこんでいきました。


「グルガアアアアアッ!?」


 コボルトロードも抵抗を試みましたが、途中で諦めたようでした。


 結局、私は何もすることがなく大剣の戦士の方とワカナちゃんが片付けてしまわれました……。


「そうだ、アンタなんてなんて名前だ?」


「えっ!?わ、私ですか!?」


「いや、お前しかいないだろ……」


「私はハルです!?」


「何で自分で驚くんだよ……」


 ……やっぱり、知らない人と話すのは苦手です!


「えと、お名前お伺いしてもよろしいでしょうか!?」


「え、俺!?」


「何で驚くんですか!?」


「……ゴホン、俺はカズだ。ワカナの兄貴だ。よろしくな」


 私とカズさんは握手をしました。


 何だか、握手って久々な気がします!


 その後はワカナちゃんとカズさんとフレンド登録をして、街へと向かいました。

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