第29話-賭け-

 命懸け、なんて言葉があるよな。

 でも、ほんとに命をちまうのはやめた方がいいぜ。


 ある大学生四人が集まって麻雀をやっていた。

 あんまり大きな声じゃ言えないが、金も少し賭けてたらしい。

 で、その日は一人がずっと負けててな。

 とうとうこれ以上賭ける金が無くなったって時に、こんなことを言い出したんだ。


「これで最後だ。今度は命賭けてやるよ」ってな。


 悪い流れってのはあるもんだよ。

 今度も結局そいつの負け。

 で、賭け金の徴収はどうするって話になった。


 まあ本当に命なんてもらうつもりは無かったし、なんだか可哀想だからって話になった時。


 そいつが急に苦しみだしたかと思うと、ぱたりと倒れて動かなくなっちゃったんだ。

 急いで救急車を呼んだけど、完全に手遅れだったってさ。


 原因は不明。

 体のどこにも異常はなかったらしい。


 とすると、まあ、原因は一つだよなぁ……? 


 お前らも、賭け事はほどほどにな?

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