第62話  エロげーの悪役令嬢に転生した俺は凌辱END回避のために世界最強を目指す! 第一部完結!

 街道、人々の注目を浴びながら歩く2人の少女がいた。


 「……メイドちゃん、これ恥ずかしい」


 「そう言われましても、御父上さまからご命令ですから」


 「本当に? 本当に? 本当にパパがこうしろって言ったの?」


 「はい、迎えの馬車から逃げたのにまずかったのかと」


 「でもなぁ……」


 無論、2人の少女はノアとメイドリーだ。


 地下闘技場のある町からバッドリッチ領へ続く街道には、同じ方向に向かう旅人も多く、


 「おや? あれは地下最強決定トーナメント準優勝のノア・バッドリッチ嬢じゃないのか?」


 と気づく者も多かった。 そんな声にノアは、笑顔と会釈。あるいは軽い挨拶の言葉を返すのだが……


 ノアたちが通り過ぎたあとに旅人たちは、一様に同じ疑問を口にする。


「なんで、彼女は……メイドにお姫様だっこされているんだ?」


 その言葉通り、ノアは長い道のりをメイドリーの細腕に抱かれ……お姫様だっこで運ばれていた。


 ノアは好奇の目で見られるのを恥ずかしそうに、


 メイドリーは逆に見せつけるように、ホクホクとした顔で進んでいた。


 「メイドちゃん、これ本当にパパが……」


 「お嬢様、失礼ながら少々、しつこいかと思いますよ。えぇ、間違いなく御父上さまからは、ノアの怪我に大事ないように安全第一で気を付けて帰るように厳命されてます」


 「……それ、この状態で帰ってこいって事じゃないよね? お姫さま抱っこはメイドリーが勝手にやってる事だよね?」


 「? 何をおっしゃって? 間違いなくノアさまの安全を確保する確実な方法で帰宅を促しているだけなのですが?」


 ・・・


 ・・・・・・


 ・・・・・・・・・


 さて、2人の耳には聞こえる事はなかったが、国から国へ移動する旅人たちの噂話。


 例えば、ある国が戦争の準備をしているらしいとか、


 例えば、ある国の王族が魔法学園に入学を希望しているとか、


 例えば――――


「おいおい、お前さん聞いたかい? 新しい英雄が誕生したそうだ」


「もちろん知っているさ。若干15才の女の子が闘技場のトーナメントで準優勝って話だろ?」


「馬鹿、ソイツは昨日の話だろ? 情報が若干、古いぜ」

 

「ほう、じゃどんな英雄が誕生したって?」


龍殺しドラゴンスレイヤーさ」


「おぉ……5年ぶりじゃないか! 単独でドラゴンを倒した奴がでてくるなんて!」


「あぁ、それも素手でドラゴンを倒したらしいぜ」


「……いや、それはない。誰が信じるんだ?」


「本当さ、本当の話。 なんでもすげぇ美人のエルフが武術で倒しちまったらしいぞ」


「あー ソイツは、一時期話題になってた美人エルフの冒険者かい。パーティを組んでる連中も全員が素手で防具も軽装って……」


「そう、ソイツだ! 名前は確か……八極拳の李書文だ」



 さて、この物語は結末エピローグどころか序章プロローグですら、いまだに始まっていない。


 1年後、ついにノアは自身の運命を賭けた戦いが始まる。


 そう……この世界が舞台である――――

 

 『どきどき純愛凌辱シリーズ 魔法学園のエッチな私たち』


 において、本編たる魔法学園に入学するのだ。


 この世界の主人公 ギア・ララド・トップスティンガーとの再会。


 さらには、まだ姿を見せぬ残り5人のメインヒロインたち。


 その運命との出会い――――そして戦い。 果たして、ノア・バッドリッチは、自らの運命――――


 エロげーの悪役令嬢として敗北後にあんな事やこんな事!


 性奴隷としての凌辱ENDを回避できるであろうか?


 それは、まだ神さまだって結末は知りはしない。


 

 エロげーの悪役令嬢に転生した俺は凌辱END回避のために世界最強を目指す!



 第一部――――ここに堂々完結ッッッ!?

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