第10話 お風呂に入りたいということ
人って本気になれば、だいたいのことはできるようになる。
環境に適用する力ってバカにできない。
例えば、英会話ができない人でも、海外に行ってそういう生活をすると自然とできるようになる。
自然とというよりは、できないと生活できないからという部分が良い感じに仕事をして、できるようになるみたいな?
分かり切っていたけど、異世界って何でお湯を沸かしてお風呂に入るということをしないのか本当に不思議だ。
薪で燃料代が掛かるなら、魔法を使えよ。
日本でいうと、石油とか電気みたいなものだろ?
どうせ覚えるならと、奴隷の3人組も一緒に練習をした。
初級魔法はスクロールという巻物を使って覚えることができる。
値段的に高いかどうかで言うと、日本円換算で大体1万円くらいかな?
私としては必要経費として考えている。
水魔法は本当に安易な名前でウォーター、火魔法はファイアという名前だ。
お風呂の為に、お湯を出したいので、ウォーターとファイアをスクロールを4人分なので、8万円くらいの出費だ。
正直一人だけとか考えたんだけど、こういうのはみんなで同じことを取り組むことによって、信頼関係を育む為の取り組みでもある。
スクロールを渡したときには、驚かれていたけど、最近やること一つ一つが微妙に突拍子もないみたいなので、驚かれても気にしないことにしている。
奴隷の3人にも魔法でお湯を出したいという。
お湯?という顔をしているので、温かい水と改めて伝える。
とりあえず、最初は温くても良いから、温かい水よ出ろという感じでお湯を出す練習をしようと伝える。
奴隷の3人は魔法なんか使えないというが、俺だって魔法なんか使えないからね。
だから、練習するんだよ。
個々でお湯の量や温かさに差があるけど、全員お湯を出せるようになった。
暇なときに練習しておくように伝えて、とりあえず今日は樽に溜まったお湯を使って体でも拭いてもらおうかな。
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