第1006話 フルーチ○

 お、このベッド気持ちイイな。オレも買っちゃおうかな~?


 と、キングサイズのベッドの上をゴロゴロ。あーイイ感じぃ~。


「うん。これ、五つ買うわ」


 一つは新しくできる飛空船に。一つ……ってか、残りは予備にしておこう。その内秘密基地とかできんだろう。人生に秘密基地は必須だからな!


「あと、そこの椅子とクッションもな」


 感じるままに買い物を続けて十分もしないで終~了~。お疲れしやした!


「こんなときの無限鞄はありがたいぜ」


 そして、プリッつあんの能力マジ優秀。買い物に欲しい能力だねっ!


「あ、食料品も買っておくか」


 米とか缶詰めとか、非常用のがもうないし、飢饉かかって来いやー! の精神が錆びついている。ここらで引き締めておかんといざってときに対応できんからな。


「この棚の米、買い占めても大丈夫かい?」


 ミレイさんに尋ねる。


「はい。問題ありません。それどころか買い占めしてもらえると助かります。食料品は消費期限がありますので」


 アホか! 出すんなら腐らないようにしろよ。もったいねーだろうが!


「ま、まあ、買い占めてイイのなら買い占めさせてもらうよ」


 無限鞄に仕舞っておけば消費期限とか関係ないしな。


 とりあえず、近場のから精算してもらい、無限鞄に放り込んでいく。


 しかし、米が多いな。これじゃ東の大陸に行く理由がなくなるぞ。


「米はタケルに回すか」


 うちだと米の消費は少ないし、魔族も米よりパンを主食としてるからな。


 しかし、何度でも思うが、ここは、誰に向けて商売してんだろうな? フルー○ェとか、前世の、日本人の記憶がなければ食い物かもわからんだろう。つーか、オレ、フ○ーチェ食ったことねーや。どんな味すんだ?


「ミタさん、これ食ったことあるか?」


 フルーチ○イチゴ味を見せる。


「いえ、ありません。美味しいんですか?」


 おや。食べたことないの。こう言うの好きそうな感じなのに。


「ミレイさん、ここで試食してもイイかい?」


 ちょっと食いたくなった。


「はい。では、あちらの休憩コーナーでどうぞ。必要なものや調理はこちらで行いますのでお買い物を続けてください」


 ハイ、すべてお任せします。美味しく作ってね!


 買い物を続けること三十分くらい。できましたとのミレイさんの言葉に休憩コーナーに行くと、なんかフ○ーチェ祭りになっていた。


「……多いだろう……」


 今日は食いしん坊は連れて来てねーぞ。


「各種用意してみました」


 なんか割烹着を纏った緑鬼のおばあちゃんがいた。


 ……鬼だけど、肝っ玉かーちゃん度がハンパない……。


「食品部でフルーチ○を作らせたら右に出る者はいないと言われるタガさんです」


 それにどう返したらイイんだろう。上手い言葉が出て来ません。


「あ、うん。ありがとな。ミタさん。試食してみようぜ」


 オレの舌よりミタさんの舌のほうが信用できるからな。


「はい! お任せください!」


 グレープ色のフル○チェに手を伸ばし、一口食ってみる。


「……旨いな……」


 フルー○ェ、ナメてました。ごめんなさい。


「はい。こんな美味しいものがあったんですね……」


 今にも泣きそうなミタさん。それはようござんした。


「ベー様。わたしも買ってよいでしょうか?」


「好きなだけ買いな」


 オヤツに出してもらえると嬉しいです。


 二口食って次へのと手を伸ばし、いろんなフ○ーチェを楽しんだ。うん、うめ~!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る