お年玉

私が幼稚園くらいの話らしいです。

というのも私はうろ覚えで、お母さんとじいちゃんから聞いたんですけど。



お昼ご飯を食べさせた後、お友達と遊ぶって元気よく外に飛び出していったので、じいちゃんが一緒についてったらしいんです、あのぅ、私に。

家の近くの河川敷を歩いて公園に行くと、仲のいいお友達がいたらしくて。

その子と私が遊び始めたので、じいちゃんはベンチに腰掛けて眺めてたそうです。

そしたら、お友達が何かをみつけて指差して、私を呼んだんです。

私がそこに近づいていって、2人でしゃがんでにこにこ眺めていたので。

じいちゃんも近づいていったそうなんですね。


この辺のことは私も少し覚えてて。

すごい綺麗な水引がついた、真っ赤な袋が落ちてて


お年玉


って書かれてたんです。

水引と、目に飛び込んでくるような鮮やかな赤をすごく良く覚えてます。

そのお友達と、どうする?どうしよう?って話してて。

ちょっと中だけ見てみようよってなって、袋に触ろうとしたら、ですよ。



私、浮いたんです。



おじいちゃんが無言で、私の首根っこをつかんで引っ張り上げてたんです。

え、こわっ?って思って。

そしたらおじいちゃんが、手で私たちを制して。

しゃがんでじっとそのお年玉袋を、少し見つめてたら。

スッと拾い上げて、近くの川に捨てたんです。




袋を開けたら何か良くないことになる、って言ってました。




良くないことって、なんだろなぁって思いますけど。






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