夜の公園②
それから2週間くらい、なんていぅか、ほとぼりを冷ましてみまして。
もう大丈夫だろうと思って、ダイエットのために走りに行きました。
ブランコはその公園の入り口近くにあるので、ちゃんと耳を澄ませていけば公園に入る前にブランコの風切り音が聞こえるはずなんですよ。
なんで、ちゃんと注意しながらその公園に向かおうと思いました。
同じように夜10時くらいなんですけど。
そりゃあやっぱ、恥ずかしいので。
怖いより恥ずいのほうが、その当時は勝ってました。
軽く流しながら公園を目指して走って行って、入り口が見えてきたあたりで歩きに切り替えて耳を澄ませました。
音はしません。
公園は静か。
大丈夫。
そう思って、入り口の上り坂を駆け上がりました。
ブランコにも砂場にも誰もいないことを確認してホッとしたんですけど。
グラウンドの奥にある街灯の下で、あぐらをかいている男がいました。
たぶん座禅です、手でなんか、ポーズとってたんで。
こっちに背を向けて、座ってるんですよ。
街灯に照らされているせいなのかなんなのか、全身白ぉい人。
柔道着みたいな白いズボンと上半身裸のボウズの男が、夜の公園で座禅。
ぶわぁっと鳥肌が立って。
そしたら、ゆっくりとこっちを振り向いたんですね。
あ、だめだ、と思って。
見なかったことにしました。
入り口あたりで、下向いて腰に手を当ててぐるぐる歩きながら、この公園はただの通過点だ、と。
だからあなたのことはよく見えなかったし何にも気づかなかった、という空気を全身から発して、来た道をダッシュで引き返しました。
めっちゃ怖かったッス。
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