よばれた俺

5年前、ばあちゃんが入院してた頃でした。



休みだったんで、コンビニで買い物して家まで歩いてたんです。

もうお昼は過ぎてたと思います。

自分のアパートに戻る途中に小さな神社があるんですけど、その前を通りがかったら、鐘ががらんがらんがらんがらんって鳴ったんですよ。


え、誰もいないのに?って思って。


参道が短いんで境内に誰もいないことが歩道にいても分かるんです。

鐘だけがひとりでに揺れてて、まだ余韻で鳴ってる。

「変なの」って思いながら、このことを友達にLINEしようとスマホを手に取ったら、ちょうど実家の父から着信が入りました。



「ばあちゃんヤバいかもしれん。明日帰って来い」って。



ばあちゃんの容態が急変したという連絡でした。




あの鐘が鳴ったのって、もしかしてばあちゃんよんだ?って思いました。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る