第265話 天狐戦 (3)

「うおおおおぉぉぉぉ!」

「うおおおおぉぉぉぉ!」


俺とシデンの攻撃が到着する直前。


「キケェェッ!」


バシャッ!


天狐がランカから受けた水虎の魔法を引きちぎる。ミサを屠った技が、容易く潰されてしまった。


その上、天狐は爪をランカへ向けて振り下ろす。


ランカの薙刀は砕け散っている為、防御出来そうにない。いや、それ以前に、全身がガクガクと震え、力が入っていない。完全に力を出し尽くしたようだ。


俺とシデンがランカの援護に回ることは出来ない。


まともに攻撃を受けてしまう…と思った時。


『させないよ!!』


ドンッ!!


ランカの真横から、ラトが押し退けるように入ってくる。


ラトに押し退けられたランカの体は、真横へと吹っ飛ぶ。全てを出し尽くしたランカが、受身などとれるはずがないのだが、天狐の一撃を無防備に食らうよりずっとマシだ。それに…


ドプンッ…


ランカの衝撃を受け止めるように、水虎が水球で受け止める。恐らく死んではいないはず。

指示を出さずに魔法を行使するところは初めて見たが、その光景は魔と表現するのが、最もしっくりくるように見えた。


ガキャッ!


ランカを押し退けたラトが、天狐からの攻撃を爪で受け止めるが、体勢が悪過ぎて、衝撃を逸らし切れず、後ろへと吹き飛ぶ。


『ギャンッ!』


痛そうな声をあげるが、重傷にはなっていないはず。

ならば、俺達は俺達の役割を果たすべきだ。


俺より先に、シデンの攻撃が天狐へと到達する。


ブシュッ!


天狐の横腹を傷付ける音が聞こえてくる。

ランカの攻撃によって、神力が大きく揺らぎ、刃が通るらしい。


その後、一秒にも満たない僅かな時間差で、俺の刃が天狐の脇腹へと到達する。

首元の方が良かったかもしれないが、既に俺達への対処へ移っていた天狐の腕が邪魔で、弾かれてしまう可能性があった為、確実にダメージを与える事を優先した。


ザクッ!


天狐の脇腹に、纏わせた神力の切っ先が入り込む。


ランカの攻撃に加え、シデンの攻撃によって、天狐の神力はガタガタになっている。ランカが言った通りだ。

俺の突き出した切っ先は止まらず、真水刀が横腹から奥へと入り込もうとする。


ドンッ!

「ぐっ!!」


致命傷を与えられる。そう確信した瞬間に、真横から衝撃を受ける。


目だけを横へ向けると、天狐の尻尾が、俺の右の横腹を捉えている。


予想より、コンマ数秒速い反撃。


入り込もうとしていた真水刀の刃が、横へと流れていく。


ズバッ!!


横腹を水平に切り裂く事は出来た。しかし、内蔵にまで達する斬撃を与える事が出来なかった。

斬ったのは肉だけ…ランカの決死の突撃を無駄にしてしまった。


目の前に見えていた天狐の傷口が、視界外へと消えていく。

そのまま、景色が横へと流れていくと…


ガンッ!ガンッ!


自分の体が地面の上を跳ねている事が分かる衝撃。


ズザザザザ…


何度か跳ねた後、地面の上を滑り、やっと止まる。


「くっ……」


地面に左手をついて体を起こそうとすると、左肩がヒリヒリと痛む。

地面との摩擦によって左肩がズタズタになり、血が滲んでいるのが分かる。


「っ!!」


左肩の痛みが吹き飛ぶような右脇腹の痛み。


恐らく肋骨ろっこつの数本が折れたか、折れていなくともヒビくらいは入っている。


ズザザザザッ…


痛みに顔を歪めていると、数メートル横にシデンが同じように飛ばされてくる。


「ぐぅっ……」


どうやらシデンは左の脇腹を強打されたらしい。


「キケェェェェッ!」


叫び声をあげている天狐を見ると、両脇腹が水平に裂けて、大量の血が滴っている。

俺もシデンも、もう一歩…いや、半歩足りなかったらしい。


「くそっ…」


シデンも、ランカの突撃を無駄にしてしまったと、嘆いている。


『シンヤ!無事?!』


「…ああ。動けない程じゃあない。」


ラトはランカの近くに待機している。

ランカはぐったりして動かない。


「ラト。水虎にランカを運ぶよう伝えられるか?」


『分かった!やってみる!』


ラトが水虎の方に顔を向けて、少しすると、水虎がランカを連れて移動していく。遠くまでは行けないが、物陰に隠れるくらいは出来るはず。


ランカ……死ぬなよ……


天狐は傷も負っているし、ランカを追うような事はしない。


「キケェェ……」


自分の両脇腹を見ている天狐。


「ここまでやって、決めきれないのは…痛いな。」


「ここからどうするか…」


ランカが居ても、決めきれなかったのだ。

一人減った状態で、天狐を倒せるとは思えない。


「キケェェェェッ!」


ゴウッ!


傷口を見ていた天狐が、怒りを発散するように、大きな鳴き声をあげると、天狐の全身がボヤけていく。

そのまま消え去ってくれれば良かったのだが…


ボヤけた状態で、シルエットが徐々に大きくなり、巨大な四尾の狐へと変わる。


ざっと見て、ラトの倍程あるだろう狐。

真っ黒な毛と、真っ赤な毛が入り交じり、模様のようにも見える。

ここまでデカいと、最早、怪獣だ。


「ただでさえ厄介なのに、ここまでデカくなるとはな…」


「さっきの一合で終えられなかった事を、改めて、猛烈に悔やむぜ…」


デカくなると、的もデカくなって弱くなる…とか、動きが遅くなって弱くなる…とか、よくある話だが、どう見てもその定番には当てはまりそうにない。


天狐の周囲に発せられるオーラは、神秘的とさえ思える程。

人が数人集まった程度で、どうにかなる相手とは全く思えない。


「逃げるって選択肢は…無いよな。」


シデンの弱気な態度は初めて見る。それ程に、殺気がビリビリと空気を伝わってくる。


「逃げて…逃がしてくれるとは思えないな。」


『逃げれば僕達ごと、周囲を吹き飛ばすだろうね…』


天狐は、俺達を攻撃するでもなく、自分の横腹をペロペロと舐めている。

流石に、巨大化しただけで傷が一瞬にして癒える!なんて事は無いらしい。


「シンヤよ。逃げておけば良かっただろう?」


苦笑いで俺の顔を見るシデン。


「あの時逃げたとしても、あまり変わらなかっただろう。それに、今更だ。」


俺もシデンも、先の一撃で手負い状態。


ラトはまだ元気だが、攻撃が通らない。


「それもそうか……それにしても、相討ち覚悟で行って…腕一本持って行ければ良い方か…」


シデンの読みは、恐らく正しい。


聖魂魔法を急所に当てれば…ギリギリ勝てる…か?程の相手だ。


「こうなると、城どころの話じゃあないな…」


三分間しか戦えないウル〇ラマンみたいに、ジュワッと飛んで行ってくれないだろうか…無理か。無理だな。


「キケェェェェッ!」


天狐が横腹を舐め終わったのか、上を向いて叫ぶ。


「ちっ!」


天狐の尻尾が、一本、俺達の方へ向かって振られる。


ズガガガガガガッ!


これまでの攻撃範囲とは比較にならない。飛び散るつぶての量も、風圧の勢いも、まるで別物。


「「ぐぁっ!」」


ラトは自慢の足で、何とか攻撃範囲から逃れられたようだが、俺とシデンは回避しきれず、風圧と礫に巻き込まれてしまう。


体は簡単に浮き上がり、礫が体中に当たってくる。

痛いどころの話ではない。台風か竜巻に巻き込まれたようなものだ。

幸い、大きなダメージを受けるような事にはならなかったが、対処の仕方が分からない。

魔法で防御するにしても、天狐は尻尾を振るだけで、上級魔法と同じような風圧を生み出してくる。

どれだけ魔力があっても足りない。


絶体絶命。


このまま何もしなければ、蹂躙されて終わりだ。一か八かで、聖魂魔法を撃ち込んでみるしかない。


天狐が前足を振り上げる。

その目は俺とシデンを見ている。遊びはここまで…これで殺すつもりなのだろう。


聖魂魔法を発動させようと身構える。


その時。


ゴウッ!!


天狐の前足が振り下ろされると同時に、俺とシデンの後ろから、冷たい空気が流れ込んでくる。


バキィィン!


俺とシデンの目の前に、氷柱ひょうちゅうが現れ、天狐の爪を止めてみせる。


「なっ?!」


「この魔法は…」


俺達は、突然の援護に驚きながら、振り返る。


「シンヤ。危なかった。」


透明なまつ毛、淡い水色の瞳、真っ白な長くストレートの髪。着ている服は、白装束。その下には、血の気の無い真っ白な肌。


「リッカ!?」


ここには居ないはずの登場人物に、俺は思わず大声をだしてしまう。


「…うん。」


か細く可憐な声が響き、コクリと小さく頷くリッカ。


「おい…シンヤ?」


「あ、悪い。この女性はリッカ。仲間だ。」


「仲間…?」


相手は雪女。シデンのいぶかしげな眼差しの理由も分かるが、助けてくれた事で、シデンも斬りかかったりはしなかった。


「どうしてここに?!」


「シンヤの感情はずっと流れてきていたから。それに、さっき話をした時、街が大変な事に…って言ってたから。役に立てるかなって。」


その情報を聞いて、リッカが山を出て街まで来てくれたらしい。

それにしても…この短時間でここまで移動するとは…やはり元々SSランクのモンスターというだけの事はある。


「リッカ…役に立てるか分からなかった。でも…」


リッカは、俺達の傷を見て、目の前に居る天狐へと視線を移す。


「………許さない。」


ゴウッ!!


それまでは、戦火や激しい立ち回りで、寧ろ暑いくらいだったのに、一瞬にして寒さを覚える。


リッカが怒りによって、冷気を抑えきれていないようだ。


「シンヤ。よく見ていて。」


「……ああ。分かった。」


リッカの言葉は短く拙いが、言いたいことは分かる。


リッカが正面切って戦うから、隙を見逃さないで…と言いたいのだ。


リッカはSSランクのモンスターであり、そこから聖魂へと至った。SSランクのモンスターである天狐と同等以上の強さを持っていてしかるべきであるし、天狐の一撃を止めた氷柱が、完全に砕けず残っている事から察するに、リッカの方が本質的には強いと思う。

しかし、相手はSSランクのモンスターであり、気の抜けない相手。ひょんな事から、リッカが負ける可能性だって有る。

それを自身で理解しているからこその一言だ。

SSランクのモンスターというのは、それくらい強い存在なのだ。


「キケェェェェッ!」


天狐の顔から余裕が消えていくのが分かる。


リッカは天狐と違い、爪や牙を持たない。

生物的に攻撃能力が高いのは天狐の方だ。しかし、リッカが前に立ち、じっと見詰めると、ラトが天狐に対してするように、身構える。


小さな白い女性を、全力で警戒する怪獣…どう見てもおかしな構図だ。


「シンヤが怪我…絶対に許さない。」


リッカが右手を水平にあげると、周囲の空気が次々とリッカの方へと流れ込んでいく。いや、空気というと、規模が小さ過ぎる。大気そのものが動いているような状況だ。


「お、おい…シンヤ。あれは一体何者だ?雪女じゃあないのか?」


シデンの声が若干震えている。目の前の白い女性が持っている圧倒的な存在感に対して震えているのだ。


「雪女ではあるが…そうだな。友魔みたいなものだ。」


「ラトだけじゃあ飽き足らず、雪女まで…」


浮気を責められているみたいに言われているが、友魔に対する感覚とは違うし、そもそもラトやリッカだけではない。あの島に居た聖魂達全ての力を借りている。


「言い方に悪意を感じるが…リッカが助けてくれただけの事だ。完全なる偶然だ。」


「俺達としては助かったけどよ…」


バキバキバキバキッ!!


リッカが水平に挙げた手の先を出発点として、前方に向けて、地面から、先端が尖った、氷柱つららが次々と生えてくる。


「キケェェェェッ!」


ボボッ!ゴウッ!


リッカの魔法に対して、天狐も魔法を使う。天狐が魔法を使うところは初めて見た。まだまだ本気ではない事くらい分かっていたが、魔法さえ使わせる事が出来ないとは…


天狐の前にいくつも出現した、赤黒い炎。

天狐との対比で見れば、人魂ひとだまのようにも見えるが、天狐自身がデカい為、一つ一つがリッカと同程度の大きさを持っている。所謂いわゆる狐火きつねびというやつだろうか?

それが全部で四つ。


リッカの手先から次々と生えてくる氷柱に対し、それを塞き止める形で四つの狐火が飛んで来る。


バキバキバキバキッ!

ゴウッ!


互いの魔法がぶつかり合い、氷柱と赤黒い炎がせめぎ合う。

その二つの接点では、真っ白な蒸気が大量に上がっている。


冷気と熱気がぶつかり合った事で、極端な温度差が生まれ、周囲の大気がこれでもかと荒れ狂う。


「怪獣大戦争だな…」


隙を見て、俺達も天狐への攻撃を仕掛けようとしているが、戦闘の規模が違い過ぎる。

聖魂魔法を常に使っているようなものなのだから当然と言えば当然なのだが…これのどこで、突撃すれば良いのだろうか?下手に飛び出したら、秒で存在ごと消えてしまう。


「キケェェッ!」


「…………」


ゴウッ!


一層強い風が吹き荒れると、今までの光景が嘘だったかのように、ピタリと空気の動きがほぼ無くなる。

魔法同士のぶつかり合いが終わったらしい。


上がっていた蒸気が晴れていくと、何故、SSランクのモンスターは、人に抗えぬ存在だと言われているのか、視覚的に理解する。


リッカの側には、数多あまたの氷柱が連なり、重なり合い、十メートル以上の高さとなっている。

まるでそういうオブジェかのようだ。


それに対し、天狐の側は、地面が赤く熱発光し、所々、地面が溶けてコポコポと小さな泡が出てきている。


氷柱が、狐火を押さえ込むような形で形成されているところを見るに、魔法ではリッカに分があるのだろう。

ただ、一度の衝突だけで倒せるような相手ではない。


「キケェェェェッ!」


ズガガガガッ!


天狐は、威嚇と共に、四本の尻尾を地面へと刺し込む。


先程まで俺達がやられていた、尻尾による風圧攻撃だと思っていた俺とシデンは距離を取ろうとしていたが、直ぐにその行動では避けられない攻撃だと気が付く。


「シンヤ!後ろに!」


俺とシデンはリッカの後ろへと入る。ラトは自力でも避けられるだろう。


ゴガガガガガガッ!


四本の尻尾が地面をめくりあげ、礫ではなく、地盤ごと飛んでくる。


「嘘だろ?!」


シデンが驚愕し、逃げ出そうとするが、直ぐに引き止める。

どうせ逃げたところで、俺達の持っている能力でどうにか出来る状況ではない。


「大丈夫。」


リッカが両手を前に出すと、これまでよりもずっと強い冷気がリッカを中心に渦巻き始める。


バキバキバキィィン!


リッカの両手の先から放射された冷気が、飛んでくる地盤と接触した瞬間。飛んで来ていた全ての物が、氷の柱の中に囚われる。


「お、おお…」


冬に土の下で出来る霜柱しもばしらというものが有る。まるで自分達がありよりも小さくなり、その霜柱の中に入り込んだような景色となっていた。

自分達が見ている景色が信じられない…と言いたげなシデンが、思わず口から言葉を漏らしている。


「キケェェェェッ!」


ゴウッ!


天狐はリッカの魔法に対して、霜柱の後ろから即座に赤黒い炎の球体を発射する。

直径五メートルは有るだろう。


バキバキバキッ!


炎の球体が霜柱を溶かしながら、へし折りながら突き進んでくる。


「…………」


リッカが片腕をブンッと横へ振ると、俺達の目の前に大きな氷の盾が出現する。


パキィィン!


飛んできた炎の球体と、氷の盾がぶつかると、甲高かんだかい音が鳴り響き、二つの魔法が相殺し、消え去っていく。


「シンヤ…俺達、この戦いの中で何をすれば良いのだ…?」


巨大な力と、巨大な力のぶつかり合い。


既に周囲の地形はゴッソリと変わり、建物らしき物は消え去っている。

こんな常軌じょうきいっした戦闘の狭間はざまで、何が出来るのか…


「俺にも分からん。」


そう答えるしかなかった。


ただ、リッカが見ておけと言ったのだから、そういう状況になる可能性は高いはず。

今は天狐とリッカの戦いを眺めているしかやれる事は無いが、その時が来たならば、次こそは確実に仕留められるように、構えておくべきだろう。


「シンヤ。私一人では抑えるのがやっと。

ラトに戦うように言って。」


「ラトに…?」


リッカはそれだけ言って、天狐への攻撃を再開する。


こんな怪獣大戦争の中に、ラトを放り込んでも、吹き飛ばされてしまうだけだと思うのだが…


「ラト。リッカが手伝ってくれと言っているが…」


『………分かった。』


「大丈夫なのか?」


「…うん。多分大丈夫。」


あまり自信が無さそうだが、何故か引き受けるラト。


本当に大丈夫だろうかと、ラトの方を見て、ふと気が付いた。


ラトの体毛が、ほぼ全て黄色へと変色している。


この街へ辿り着いた時には、まだ黒い毛も残っていたのだが…ここまで急激な変化は、初めての事だ。


「大丈夫。ラトもリッカと同じになるだけ。」


リッカは、俺の不安を感じ取ったのか、天狐との魔法合戦を行いながら言ってくれる。


リッカと同じ…という事は、つまり、半聖魂から、聖魂へと変化する、と言いたいのだろう。


「今から…か?」


「うん。あの狐の力と、リッカの力に強く触れたから。」


天狐とリッカの力が呼び水になって、ラトの聖魂化が促進そくしんされたという事だろうか。

そして、恐らく、ラト自身も、それに何となく気が付いているからこそ、大丈夫だと答えたのではないだろうか。


「それでも…」


いくらラトが強いとはいえ、このレベルの相手を前に、聖魂化したからといって、何か出来るのだろうか?


「大丈夫。ラトは強いよ。」


リッカの声は、相変わらずか細いけれど、自信に満ちている。


『シンヤ。大丈夫。』


ラトの声がする。


バチバチバチバチッ!


ラトの体躯に雷が巻き付くように走る。


バチバチバチバチッ!


巻き付いている雷が、徐々に勢いを増し、明るく光り始める。


ビシャァァァァァァン!


けたたましい音と共に、ラトの体が雷に包まれ、目の前が閃光で埋め尽くされる。


「な、なんだ突然っ?!」


シデンは俺とラトのやり取りや、リッカとのやり取りが、戦闘音のせいで聞き取れていない。突然ラトが雷に打たれたように見えた事だろう。


バチ……バチバチバチッ……


閃光に包まれたラトが、次に現れた時、その姿を見て、感嘆かんたんの言葉さえ出てこなかった。

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