第163話 弟子入り

「妹を狙っていた理由は分かっているのですか?」


「…恐らくだが、魔眼…のせいだろうと思う。それくらいしか思い付かない…と言うと失礼かもしれないが…」


「いえ。私もそのように思っておりましたので、大丈夫です。」


桜透眼おうとうがんは珍しいとはいえ、私しかいない…というわけではない。

それなのに、敢えて私が狙われた理由は…四鬼の娘だからだろうか…?


「何故他の魔眼保持者ではなく、サクラを狙ったのか…については、憶測でしかないが、四鬼の娘をさらう事で、自分達の力を示そうとしたのではないか…と今は考えている。

それだけでは無さそうな気もするが…」


他の理由…思い当たりそうな事は無いけれど…


「そして、シュンライが今回、家を空ける理由となった者。ガラクという男なのだが…恐らく。こいつが深く関わっているはずだ。」


多分…鬼士達が持っていた、他の鬼士達に対する猜疑心さいぎしんあおり、火を着けて、大きくしたのは…ガラクという男だと思う。

これは私の勘でしかないけれど、あの男の外側は、かなり物腰柔らかで、人当たりが良い。そして、話も上手いし、相手との距離感を理解している。鬼士達を煽るくらい簡単だったのでは…と考えている。

私に会って直ぐに襲撃された事や、ガラクと似た面を男達が被っていた事からしても、ガラクが、少なくとも、関わっている事は間違いないと思う。


「そのガラクという男は見付かったのですか?」


「残念ながら、シュンライと俺で訪れた時には既にもぬけの殻だった。」


「逃げたのか…ガラクという男が関わっている事はほぼ確定ですね。」


「だろうな。

多分、二度とあの屋敷には顔を出さないだろう。」


「ガラク……」


父上と母上のかたき

兄上は、その名を心に刻み込むように復唱する。


「…ガラクの事を含め、その手の問題は俺が調べていく。お前達には悪いが、話せる情報とそうでないものがある。特に今のお前達にはな。」


私とセナは当然だけれど、兄上とゴンゾー様も……あの者達を相手にするには、まだまだ力が足りない。


ここまでの話で、ゲンジロウ様が敢えて鬼士隊という言葉を使わなかったのも、危険を遠ざける為…だと思う。


「………ゲンジロウ様。」


「なんだ?」


兄上がゲンジロウ様に深く頭を下げる。


「まず、色々とありがとうございました。」


「気にするな。シュンライとの仲だ。これくらい手間のうちに入らん。」


「……厚かましいのは重々承知しておりますが、もう一つ。お願いがございます。」


「……言ってみろ。」


「…暫く、サクラを守っては頂けないでしょうか。」


「ほう。てっきり四鬼関連の話かと思っていたが。」


「それは私が決める事ではありません。自分の実力で勝ち取るものです。その為に…私はこれから自分を鍛える為の旅に出たいと考えております。」


「兄上…?」


正直、今の状況で兄上まで近くに居なくなるのは、寂しかった。父上と母上を失った悲しみは、一人で背負うにはあまりに辛い…


「サクラ。今回の事で分かったんだ。俺は…弱い。」


「…………」


「手も足も出なかった…これでサクラを守ってやるなんて…言えない。」


兄上は、歯をギリギリと鳴らす。


「今まで俺は自分を鍛えてきたと自負していた。でも、全く駄目だった…足りていなかった…」


「焦らずとも、そのまま続けていれば、いつか強くなれると思うぞ?」


「いえ。父上と約束しました。サクラを守ると。

いつか…では駄目なのです。可能な限り早く。俺は強くならねばなりません。」


「……そうか。分かった。

サクラの事は俺に任せておけ。」


ゲンジロウ様は、快諾して下さった。

兄上の覚悟を感じたのだと思う。

私も感じたから…


「私も、サクラにはなるべく会いに行くよ。泊まっても良いし。」


セナは明るく、そう言って笑ってくれた。


「ありがとう。頼むよ。」


「兄上……」


「サクラ。必ず…お前を守れるだけの強さを手に入れて戻ってくる。それまで待っていてくれないか。」


「………はい。」


強くなる事は、兄上の夢でもある。

それを、妹である私が奪うのは、絶対に嫌だった。

私は兄上に笑顔を見せた。昔より、こういう時の笑顔は上手くなった…と思いたい。


「…ゲンジロウ様!」


「なんだ?」


その時、ゴンゾー様が、ゲンジロウ様の名前を呼び、頭を深く下げる。


「俺を…弟子にして下さい!!」


ゴンゾー様は、四鬼を目指すと決めた。前にも門前まで行った事があるし、今回の事もある。ゲンジロウ様に頭を下げるのは、当然の流れだった。


「嫌だ。」


しかし、ゲンジロウ様の返事はたったそれだけだった。


少し意外だった。


ゲンジロウ様は、多分父上伝いでゴンゾー様の中に眠る漆黒石の事を知っていると思う。

快諾してくれるとばかり思っていたけれど…

それに物言いが、まるで子供の駄々だだ


「ゲンジロウ様、ゴンゾー様は」

「サクラ。」


私は、ゴンゾー様の力になりたくて、口を挟もうとしたけれど、それをゴンゾー様が遮った。


「これは俺がやらなきゃならない事だ。」


その時は実に軽率な行動をとってしまった。


よくよく考えてみれば分かる事だった。


ゲンジロウ様は、父上から、ゴンゾー様を四人の事を頼まれていた。

漆黒石の事も知っている。

直接見たわけでは無いし、喧嘩の延長上のようなものだったけれど、刺客しかくを倒した力も、ゲンジロウ様ならば間接的に分かっていると思う。

それなのに断った。いいえ…正確には難色を示した。


そこにはゲンジロウ様なりの理由があるはず。


それを読み取れず、差し出がましい事をしてしまった。


「も、申し訳ございません…」


「いや、気持ちは嬉しいよ。

でも、これは俺がやらなきゃならない。」


「…はい。」


ゴンゾー様の目は、決意に満ちていた。

ゴンゾー様がやると決めた事ならば、絶対にやり遂げるはず。私の力添えなど無くとも。

寧ろ、私が手を出せば邪魔にしかならないかもしれない。


「お願いします!」


ゴンゾー様はその場で両膝と頭を床に打ち付け、土下座する。


「嫌だね。」


しかし、ゲンジロウ様が首を縦に振ることはなかった。


その日から、ゴンゾー様はゲンジロウ様の屋敷へと足を運び、一日中、門の前で土下座し続ける…という日々が始まった。


数日後、兄上が旅に出て、私は屋敷に残り、ゲンジロウ様が手配して下さった者達が警護に付いてくれた。


かなり厳重な警護で、最初は戸惑ったけれど、慣れてしまえば、それ程気にならなくなった。

ただ、あまり外に出られないのは窮屈きゅうくつだった。それを感じたのか、セナは、事ある毎に私を訪れてくれて、来る度に色々な話をしてくれた。


最近になって、何人かがセナの腕を認めてくれて、顧客こきゃくが付いたとか、街ではこんな物が流行している…だとか。


ただ、セナが居ない時、私は広い見慣れた屋敷に一人だった。

正確には女中さんや護衛の人達が居たけれど、父上と母上を失った喪失感そうしつかんはどうやっても消えなかった。


もう随分と大きくなった庭の桜を、眺める時間が増え、昔を思う時間が増えていった。


そんなある日、セナが屋敷に来てくれた時、その横にはゴンゾー様が居た。


「ゴンゾー様…」


「サクラ…」


久しぶりに見たゴンゾー様は、髪が伸び放題。ボサボサで、髭も生えてきていた。


「サクラには話していたから知っていると思うけど、あの日から今まで、毎日ゴンゾーはゲンジロウ様の屋敷に行っているの。まだ、門を潜った事は無いけれど…ね。」


ゴンゾー様は、未だゲンジロウ様に突き放され続けていた。


晴れの日も、雨の日も、風の日も…ゴンゾー様は毎日頭を下げに行き、既に半年が過ぎていた。


「ま、まだゲンジロウ様は…?」


「ああ…だが、俺は絶対に諦めたりしない。」


「…………」


ゴンゾー様は一度決めたら絶対に諦めない。


「今日は、うちがゲンジロウ様の屋敷の前で土下座しているゴンゾーを無理矢理引っ張ってきたの。サクラが寂しがってるからって。」


「そんな…私は…」


「あっ!いけない!用事があったんだ!」


「は?」


「ごめんゴンゾー!サクラの事、よろしくね!」


「あっ!おいっ!セナ!」


そう言って走り出すセナ。


「セナはいつもあんなだな。」


「…………」


溜息を吐くゴンゾー様。

でも、私には分かっていた。多分…セナは私とゴンゾー様を二人きりにしたかったのだろうと…

セナも、きっと私の気持ちに気が付いている。だから…


「サクラ?大丈夫か?」


「へ?!あ!大丈夫です!」


ボーッとしていた私の顔を覗き込むゴンゾー様。

いきなり目の前にゴンゾー様が現れて心臓が飛び出てしまうところだった。


「顔が少し赤いぞ。中に入って休んだ方が…」


「だ、大丈夫です。」


「そうか?それなら良いが…一度座るだけ座ろう。」


ゴンゾー様はいつも私が桜の木を眺める時に座っている縁に腰を下ろす。


「…はい。」


私はゴンゾー様の右横に座り、同じように桜の木を眺める。


不思議な事に、いつもは寂しく、昔を思って眺めていた桜の木だったのに、ゴンゾー様が隣に居るというだけで、この世で最も美しい桜の木に見えてくる。


「サクラ。」


「はい?」


ゴンゾー様は桜の木を見ながら、私の名前を呼ぶ。


その横顔…右頬から顎にかけて、あの時ここで受けた傷跡が痛々しく残っている。


「俺は絶対に四鬼になって、サクラも…セナも守れるようになってみせる。」


「……はい。」


「そして、必ずサクラの治療方法も見付ける。」


「…はい。信じております。」


「今は、辛くて悲しくて寂しくて…そんな時だと思うが…必ず、笑える時が来る。」


「………はい。」


「だから、大丈夫だ。」


「はい。」


ゴンゾー様は、こういう時、大丈夫、と言う。


これが見ず知らずの人だったならば、何を知ったような事を…なんて酷い事を思ってしまうかもしれない。

でも、ゴンゾー様がそう言って下さると、何故か心の底から安心感と温もりが湧き上がって来る。


父上と母上を失った悲しみは、未だ消えはしないけれど、少しだけ…自然に笑う事が出来そうだった。


「…ゴンゾー様?」


「なんだ?」


「髪がボサボサです。」


「うっ…最近はずっと屋敷の前に居座っていたからな…」


「私が整えてもよろしいでしょうか?」


「サクラが?」


「お嫌であれば…」


「いや。頼むよ。ちょっと鬱陶しいとは思っていたんだ。」


「ふふふ。はい。お任せ下さい。」


私は部屋へ行き、散髪用のハサミを持ってくる。


背筋を伸ばし、縁に座るゴンゾー様の後ろに両膝を立てて座る。


最初に会った時は、あんなに小さかったのに、今では大きくなった背中。

きっと、ゴンゾー様の背中はここからもっともっと大きくなる事だろう。

出来れば…それを近くで見ていたい。でも…その権利は私には無い…


ゴンゾー様の髪を纏めている汚れた白布の切れ端を外すと、髪が肩に落ちる。その髪に触れると、ゴワゴワして硬い。男性の髪の感触。兄上や父上より硬いかな。


シャキッ…


ハサミで毛先を切る音が晴れた空の下、縁側に響く。


「最近は少し寒くなってきましたね。」


シャキッ…


「そうだな。風邪をひかないように気を付けろよ。」


シャキッ…


「はい。ゴンゾー様も…と言いたいところですが…」


シャキッ…


「俺は大丈夫だ。頑丈なのが取り柄だからな。」


シャキッ…


「ふふふ。それでも、出来る限り気を付けて下さいね。」


シャキッ…


「ああ。」


他愛の無い話。


それが、とても幸せな話に感じた。


髪を整え終わり、もう一度髪を纏める。


「これで終わりですよ。」


「助かった。ふぅー…スッキリしたな。」


「髭も剃って下さいね?」


「そうだな……って……ん?」


ゴンゾー様は、私が手に持っている汚れた白布の切れ端に目をやると、自分の髪を纏めている物に手を伸ばす。


「サクラ…これは…」


「……はい。母上の…」


あの時、母上が身に付けていた…私と、父上、兄上とセナで贈った髪紐。その半分。

もう半分は私の髪を纏める為に使っている。

簡単に言ってしまえば、母上の…だった。


「サクラ、これは…」


「良いのです。」


髪を纏めている桜色の髪紐を外そうとしたゴンゾー様を止める。


ゴンゾー様は、父上の形見も、母上の形見も、一つとして受け取らなかった。

兄上と私が持っているべきだと言って、ただの一つも…


だから、母上、父上、私、兄上、セナ。全員の気持ちが入ったこの髪紐をゴンゾー様に使って欲しかった。

きっと、母上も喜んでくれると思ったから。


それに…私にとっては、この髪紐は、私達とゴンゾー様を引き合わせてくれた物に見えていたから。

ゴンゾー様と出会った時、この髪紐を見付けていなければ、あの場には居なかったかもしれない。


「きっと母上も、喜んでくれると思いますから。」


「………ありがとう。」


「いえ。」


ゴンゾー様は、髪紐を外そうとした手を下ろす。


「それより、ゴンゾー様はもっと言葉遣いを気を付けるべきですよ?」


「い、いきなりだな…」


「四鬼を目指すのであれば、丁寧な言葉遣いというのも、必要な事です。所作しょさも同様です。」


「うっ……」


「ふふ。苦手なのは承知しておりますが、今のままでは、言葉遣いや所作で軽んじられてしまうかもしれませんよ。」


「ぐ……だがどうすれば…」


「そうですね…例えば、そこに桜の木が、と言う時はどう言いますか?」


「んー…桜の木が…有る。」


「ふふふ。誰からそんな言葉を聞いたのですか?」


あまりに不自然な言葉遣いに思わず笑ってしまう。いつもいつも、ゴンゾー様は私を笑わせてくれる。


「む、難しいどん。」


「ふふふ。や、止めてください!」


「何がいけないどん?」


「ふふふ。もう!ゴンゾー様!」


「すまん。ついな。」


ゴンゾー様はそう言って笑う。


やはり……私はこの方の事を…心底おしたいしている、そう思った。


「こほん。良いですか?有ると言う時は、御座ござる、と言います。」


「あそこに桜の木が有るで御座る。」


「違います。御座るという言葉に有るという意味が含まれるので…桜の木が御座る。と言います。

目上の人が居る時や、敬うべき物が有る時に使います。」


「ぐ……難しい……御座る…御座る……」


「少しずつ覚えていけば良いのです。きっとゴンゾー様ならば出来ますよ。」


「分かった…いや…分かったでござる!」


「ふふふ。それでは意味が伝わらなくなってしまいます!」


「そうでござるか?」


「意味が分かりませんよ!ふふふ。」


「意外と気に入ったでござる!」


「ゴンゾー様!ふふふ。おかしいですよ!もうやめて下さい!笑い過ぎて苦しいですから!」


「はっ!でも…どうすれば…桜の木が御座るでござる…になるでござるよ?!」


「も、もう止めてくださいー!」


久しぶりに、本当に随分と久しぶりに苦しくなる程笑った。


きっとゴンゾー様は、私が落ち込んでいる事に気が付いていたのだと思う。


それから…ゴンゾー様の言葉遣いが変わった。


最初は皆、何を言っているのか?という顔をしていたけれど、常にその言葉遣いをしていると、不思議と聞き慣れてしまうもので、今では逆に、語尾にござるが付いていないと不自然に感じる程になってしまった。

変ではあるけれど…それからゴンゾー様は言葉遣いも、所作も少しずつ覚えていき、下民の出だと分からない程になっていった。


しかし、それでも…ゲンジロウ様はなかなかゴンゾー様を通さなかった。


流石に酷いのでは…と思っていたけれど、ゴンゾー様は絶対に折れず、門前で頭を下げ続けた。


どれだけ雨が降ろうと、風が吹こうと、雪が降ろうと……


体調を崩さなかったゴンゾー様は本当に凄いと思う。

一応、セナが近くに居たから心配はしていなかったけれど、それでも、普通は出来ない事をしていたと思う。


結局、ゴンゾー様がゲンジロウ様に認められたのは、頭を下げ続け……が経った時だった。


話によれば、私達鬼人族は、長寿の種族らしいけれど、時の流れが変わるわけではない。一年は一年。

その間、ゴンゾー様が頭を下げ続けた事は、道場はもちろん、周辺の者達にも大きく広がっていた。


中には下民如きが…と言う人も居たけれど、声の大半は、ゴンゾー様の事を心配していたり、流石にやり過ぎだとか、もう良いだろうという声だった。


その時、私はゲンジロウ様の狙いに気が付いた。


もし、あの時ゲンジロウ様が簡単にゴンゾー様を受け入れてしまえば、ゴンゾー様を支持する声は無く、その後の生活は恐ろしく困難なものになっていたと思う。


しかし、今では、受け入れられた事を喜んでくれる人さえ出ている。これでもし、道場内でゴンゾー様を酷く扱う者が居たら、多くの者達から不満の声が上がる。

正確に分けるならば、ゴンゾー様は下民ではなく、平民であり、その平民を酷く扱ったと知れば、最も数の多い平民が押し寄せてくる。


全て、ゴンゾー様の事を思っての事だった。


やはり、剛剣のゲンジロウ様は、凄いお方。


一応、その時の話をセナから聞いた。


ズカンッ!


それまで一度も現れなかったゲンジロウ様が、乱暴に門を内側から開く。


「し、師匠?!」


「ゴンゾー。入れ。」


門番の声を無視してゴンゾー様に声を掛けるゲンジロウ様。


「はい!!」


「返事は押忍おすだ。」


「お、押忍!!」


道場まで連れて行かれたゴンゾー様の前には、ゲンジロウ様とレイカ様。


「座れ。」


「押忍!!」


「俺達だけの時はそんな堅苦しい言葉は要らん。楽にしろ。」


「は、はい。」


「単刀直入に言うぞ。」


「………」


「今日からお前を我が門下生として正式に受け入れる。」


「っ!!感謝致すでござる!」


「なんだ?その変な喋り方は…?」


「これが拙者でござる!」


「まあ良い。」


「ゴンゾー。私の事はレイカと呼びなさい。」


「レイカ…様でござるか。」


「さん…でいいわ。様を付けて呼ばれる程偉くないもの。」


「俺の事は師匠と呼べ。」


「承知したでござる。師匠。」


「まず……よくやったな。ゴンゾー。」


「へ?」


「お前が辛抱強く粘ってくれたお陰で、この道場に招き入れる事が出来た。」


「そ、そうでござったか…」


「無意味にゴンゾーを門前で放置し続けるわけないだろう。まあ…お前のやる気を確かめた…という面もあるがな。」


「どちらにしても、ゴンゾーにとって、有益な事に変わりは無いわ。よく頑張ったわね。」


「……感謝するでござる。やっと…出発地点に立てたでござる。」


「その通り。ここはあくまでも出発地点だ。」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る